「老後貧乏」にならないために!今からできる対策は?
All About2024年5月22日(水)21時40分
「老後破産」や「老後2000万円が不足する」といった言葉を聞くようになりました。老後お金に困らないために、現役時代から何に気を付けたらいいのでしょうか?
老後貧乏を防ぐには、現役時代から家計管理が大切
若い方でも、「老後が不安」という人が増えています。老後に貧困状態に陥らないためには、現役時代からの備えが何より大切です。「貯金を増やすこと」「公的年金を満額もらえるために社会保険料をしっかり納めること」「確定拠出年金などの私的年金に加入すること」などの方法で備えていきましょう。
しかし、お金の管理が極端に苦手な方も少なからず存在します。
そのような方は、まず家計管理ができるようになることから目指しましょう。家計管理の基本は、家計の収支を把握することです。そこではじめたいのが「家計簿をつけること」。
筆者は日頃、セミナーやご相談などでは、「家計簿をつけるのは3カ月だけでOKです」とお伝えています。
なぜなら、お金の管理や数字が苦手な方は、家計簿をつけ続けることは苦痛以外の何ものでもなく、無理をすると家計管理から遠ざかるきっかけにもなってしまうからです。それを防ぐために、まずは3カ月だけつけてみて、お金の流れを把握することからはじめることを伝えています。
しかし、お金の管理が極端に苦手な方や、赤字家計が続いている方、すでに生活が困窮している方などは、家計簿を3カ月つけただけでは、お金を管理する習慣が身に付きません。長期的につけ続けることが重要です。
もっとも、家計簿は、ただつけているだけでは意味がありません。家計簿から毎月の無駄を見いだし、改善し、さらに収入と支出のバランスも考えます。そして家計管理により余剰金が捻出できたら、それを貯蓄したり借入金の返済に充てたりして、家計の改善を図ることを目指しましょう。
極端にお金の管理が苦手な人は、どうする?
とはいえ、高齢者やもともと極端にお金の管理が苦手な方は、家計管理はもちろんのこと、家計簿を続けること自体かなり根気のいる作業です。一人だと続かないこともあるかもしれません。そんな時は、家計管理に伴走者のような存在がいると心強いものです。家計管理の伴走者といえば、ファイナンシャルプランナーが考えられます。
できれば有料で相談を受けているファイナンシャルプランナーとともに、長期的な家計の見直しを行うことをおすすめしたいところですが、有料での相談が難しい方のために、無料で利用できる公的な相談窓口をご紹介したいと思います。
家計再建を長期的に手助けしてくれる窓口
各自治体では、生活困窮者に対して、自立できるようになるための支援窓口を設けています。自立相談支援機関窓口といい、窓口を設置している場所は、都道府県ごとに異なっています。例えば東京都では社会福祉法人などが主体となって運営していますが、神奈川県横浜市では、区に設置されている福祉保健センターの生活支援課に窓口が設けられています。
窓口では専門の支援員が、生活困窮者のための家計の立て直し支援や就労支援などを実施しており、必要な方には、相談者自らが家計を管理できるように、継続的な家計支援を行うこともあります。
一時的な資金の借り入れができる生活福祉資金貸付制度
病気・失業・災害などで、突発的にお金が必要となった場合にまず検討したいのが、生活福祉資金貸付制度です。この貸付制度は、低所得者・障害者・高齢者世帯を対象に、それぞれの世帯の状況と必要に合わせた資金の貸し付けを行っている公的な制度です。資金の種類は、総合支援資金・福祉資金・教育支援資金・不動産担保型生活資金の4つがあり、無利子もしくは低金利での借り入れが利用できます。
利用に関しては一定の条件を満たす必要がありますが、一時的な資金が必要となった場合は、すぐに銀行のカードローンやキャッシングなどを使うのではなく、まずは公的な貸付制度の利用を検討しましょう。
さいごに
今後は高齢者の増加により、ますます困窮者も増えていくと予想できます。生活困窮から脱出する第一歩は、日々の家計管理をしっかり行えるようになることです。でも、もし自分でできないようでしたら、一人で悩まず誰かに相談しましょう。貧困高齢者にならないためのあなたに合った対策は、きっと見つかるはずです。
文:小沢 美奈子(ファイナンシャルプランナー)
保険会社出身のファイナンシャルプランナー。貯められない人の貯金術・シニアのマネープランが得意。複数の金融機関やママ向けメディアでのマネー記事や、不動産・税務関連のコラムの執筆、保険記事なども手掛ける。
(文:小沢 美奈子(ファイナンシャルプランナー))
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