何がどう違うの!? 『餃子の王将』と『天下一品』の「こってりラーメンセット」を食べ比べてみた!
餃子の王将の「こってりラーメンセット」1180円 | 食楽web
「こってりラーメン」と聞くと、筆者がすぐ思い浮かべるのは『天下一品』(以下:天一)ですが、実は『餃子の王将』(以下:王将)にも「こってりラーメン」があることをご存知でしょうか? 筆者もつい最近になって知りました。昼ご飯を食べようと王将に行った時に、メニューを眺めていて「こってりラーメンセット」なるものを発見。その瞬間、「天一とどう違うのかな?」と思ったのです。
餃子の王将のメニューに載っている「こってりラーメンセット」。こってりラーメンの単品でも注文できます
天一も王将も超が付くほどの有名チェーン店。ですが天一はラーメン専門店で、かたや王将は、餃子を代表とする中国料理店。同じ名前の「こってりラーメン」があると知ってしまえば、つい比べたくなるのが人の性というものです。しかも筆者は天一の「こってりラーメン」が大好き。だから余計に、王将のこってりが一体どんな味なのか、非常に気になったわけです。
ちなみに価格で比較すると、天一は単品で790円、王将は600円。天一のほうが190円高い。しかし、餃子と半炒飯をセットにした場合、天一は1130円(サービス定食)、王将は1180円(こってりラーメンセット)となり、王将が50円高くなる…。この差も気になりますよね。
というわけで王将と天一の“こってりラーメン×炒飯×餃子のセット”を2日にわたって食べ比べたので、その過程と結果をレポートしたいと思います。
餃子の王将の「こってりラーメン」の味わいは?
「餃子の王将」の「こってりラーメンセット」は、餃子5個とジャストサイズチャーハンがついてきます
まずは餃子の王将の「こってりラーメンセット」から。こってりラーメンは、スープは濃厚そうな茶色。ビジュアルは天一のこってりラーメンに似ています。トッピングはネギ、チャーシュー、メンマ、そして半熟卵というラインナップ。
王将のこってりラーメン
そしてスープをひと口。天一のようなポタージュ的な濃度はないものの、とろみがあり、豚骨醤油ベースで濃厚かつまろやか。おろしニンニクが入っているせいかパンチもあって、なかなか後を引きます。が、天一のこってりと比べると、“こってり”と言うよりは“あっさりとこってりの中間”といったところでしょうか。
王将のスープは豚骨感が強め
麺は、北海道産小麦粉を100%使用しているとのこと。ツルツルとした喉越しで、さっぱりした食感と味の麺です。あくまでニュートラルな感じといいますか、強い主張はありません。
麺もスッキリした味わい
印象的だったのはチャーシュー。王将こってりは、脂身が多いチャーシューが3枚も入っていて、メンマ、サービス煮卵も入っているので、かなりのボリュームがありました。
王将の餃子とチャーハンはやっぱり超優秀!
王将の餃子は貫禄たっぷりのオーラが漂っています
続いて王将のセットの餃子や炒飯も食べてみます。ご存知のようにこの2つは王将の売上トップに君臨する看板メニューです。
餃子は1個1個が大きく、豚肉、キャベツ、ニラ、ニンニクのバランスが素晴らしく、こんがりした焼き具合、かじった時のシューシーさも完璧です。さすが餃子の王将、いつ食べても最高にウマい!
餃子の王将の「こってりラーメンセット」に付いてくるジャストサイズチャーハン
そしてセットの炒飯は、王将の“ジャストサイズシリーズ”の量。これは半チャーハンよりさらに量が少ないタイプで、れんげ3口くらいで食べ終わってしまうくらいのサイズです。
このチャーハンもまた餃子と並ぶ王将の人気メニューだけあって、しっとりパラパラ、米粒にふっくらした感じもあり、炒め具合・塩味・具材などのバランスもよくて、やっぱり最高に美味! こってりラーメンの脇役としてついてきた餃子とチャーハンですが、はっきり言ってラーメンという主役を脇役が完全に食っているほどの美味しさでした。
うーん、王将こってりラーメンにはもう少し主張があってもよかったかな、と思いつつ、翌日、今度は『天下一品』のこってりセットを食べに出かけました。
天下一品の「サービス定食」を味わう
天下一品の「サービス定食」1130円
天下一品でオーダーしたのは「サービス定食」(1130円)。ラーメンと半チャーハン、餃子5個がセットになったメニューで、王将のセットと同じ構成。前述の通り、先ほどの王将のこってりラーメンセットより50円ほど安いです。
さっそく「こってり」からいただきます。まず、チャーシューやメンマ、ネギが、スープの中にまったくと言っていいほど沈んでいません。欧風カレーかカルボナーラのソースのような高濃度&高粘度のスープなので、箸で押し込まない限り、なかなか沈まないのです。
そしてスープをひと口すすると、知っていたとはいえ「こ、濃い〜!」と声が漏れ出てしまうくらい、その濃厚さが半端ではありません。味わいは王将のスープは豚骨ベースだったのに対し、天一は鶏ガラ。数十種類の野菜のエキスも含まれているということで、濃いだけでなく、奥深い旨みがじわじわと味覚を刺激してきて、レンゲを持つ手が止まりません。悪魔的で背徳的。これぞ天一ですね。
相変わらず悪魔的に美味しい天下一品の「こってり」。単品は790円
麺は、良質な小麦から作った多加水麺を使用しており、しっかりとした歯応えがあって、ポタージュのような濃厚なスープをほどよく絡め取ります。そしてスープの旨みに負けないくらい、小麦の風味もしっかりと感じられます。改めて言うのもおこがましいですが、やはり天一のこってりは、店名どおりまさに「天下一品」だと思いました。
天一の餃子と半チャーハンは?
天一のセットに付く餃子と半チャーハン
続いて、天一のセットの餃子とチャーハンに箸を伸ばします。餃子は小さめのひと口餃子で、王将の餃子ほどの貫禄はなし。見た目はカリッと香ばしく焼かれており、ニンニクと野菜と肉のバランスも良い。しかし、いかんせんジューシー感はなく、口に入れると食べたことを忘れるほど軽いので、存在感はあまり感じられません。
天一の餃子は小さめのひと口サイズ。
そして半チャーハンです。“半”と付いていますが、お茶碗1杯以上はあって、かなりボリューミー。しっとりタイプで味はかなり濃いめ。これだけを食べるならいいのかもしれませんが、醤油も塩味もかなり強い印象です。こってりラーメンのサイドとしては「濃すぎる…」と思ってしまいました。
天一の半チャーハン
というわけで、王将と天一のこってりセットを食べ比べてみたわけですが、「こってりラーメン」単品で言えば、天下一品の圧勝です。キャッチフレーズの“こってりひと筋50年”というだけあって、天下一品のこってりラーメンは唯一無二の味わい過ぎました。
ただし、こと「セット」という観点で言うと、王将に軍配を挙げたいと思います。というのも、王将の「こってりラーメン」は、実はこってりと言いつつあっさりしており、餃子や炒飯との相性がとても良い。「ラーメンセット」と謳いつつも、ラーメンはあくまで脇役。主役はあくまで餃子で行くぞ! という意地と矜持を感じます。つまりラーメン、餃子、炒飯の平均点が高く、トライアングル食べすると総合力が秀逸なわけですね。
餃子の王将は、こってりラーメンに餃子をスープにつけても美味(食楽web)
というわけで、同じ名前のラーメンだったのでつい比較してしまいましたが、なかなか発見の多い食べ比べでした。最後に、身も蓋もないことを言うようですが、美味しい餃子を食べたいなら『餃子の王将』に、こってりラーメンを食べたいなら『天下一品』に行くのが正解かなと思います。
(撮影・文◎土原亜子)
(c)TOKUMA SHOTEN@All Rights Reserved
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