ここだけ物価が違う!? マジで激安すぎる熊本の青果店、安さの秘密を社長に聞いた

Jタウンネット2019年6月28日(金)6時0分

まず、上の写真をご覧いただこう。「熊本産かぶ1玉10円」という手書きのPOPが、いかにも強烈だ。「激安」という言葉は、まさにこんな時に使うべきなのだろう。


ここは、熊本市西区にある「津山商店」という青果店だ。販売している野菜の価格が、あまりにも安い、と話題になっている。いったいなぜそんなに安いのか? 多くの人々の関心は、そこに集中しているようだ。


そこでJタウンネット編集部は、熊本に電話して、詳しい話を聞いてみることに......。


「安く仕入れた物を、安く売る...それだけのこと」


安すぎる八百屋さん、津山商店について、ツイッターにはこんな声が寄せられている。


「見た感じですが、恐らく規格外品なのかもですね〜」
「九州は北海道に次ぐ野菜生産が盛んな地域。......生産が多い分規格外も出るんだろうけどすごいな」
「それにしてもここ安すぎでしょ...」



ツイッター民の数々の疑問を、2019年6月25日、Jタウンネット編集部が聞いてみた。電話で答えてくれたのは、津山商店の津山昌子社長だ。


「私は、毎朝5時に熊本地方卸売市場に行くのですが、市場の価格を見ながら、臨機応変にその日の仕入れを決めています。市場でなぜこんなに安い値しか付いていないのだろうと不思議に思うこともあります。それが規格外品なのかもしれません。うちは大手と違ってサイズの規格なんてありませんから、新鮮で清潔な野菜なら、すぐに仕入れを決めます。安く大量に仕入れた物を、安く売る。それだけのことです」



津山商店と熊本地方卸売市場は、車で約5分の距離だという。「店に置いた商品が品切れになれば、軽トラックで市場にある専用保冷庫に取りに行きます。店と市場の間を、1日に何往復もしています」と津山社長。


現在、平日は1日平均約400人のお客さんがある。土曜日は700人から800人だという。津山社長は10人の従業員と一緒に接客し、毎日の商品を仕入れ、この店を切り盛りしている。ちなみに、日曜は定休日だ。


「経費はなるべくかけないようにしています。チラシも止めました。POPも手書きで、毎朝書き直しています。宣伝はお客さんの口コミが頼りです。店にエアコンもないんですから」と津山社長は苦笑する。航空会社でいえば、まるで「LCC」のような経営スタイル。まったく無駄な経費はかけない方針なのだ。「利益が出たら、従業員のボーナスにプラスしてあげたいです」


あるとき、市場で廃棄処分になりかけていたニンジンがあったという。見た目もきれいで、新鮮なニンジンだった。「だったら、うちが引き取ります、ともらって来て、お客さんには無料でお好きなだけお持ちください、と貼り紙しておきました。ずいぶん話題にもなり、良い宣伝にもなったと思っています」と津山社長。


津山商店に行けば、何かおもしろいことがある、おトクなことがあると、お客さんに期待を持ってもらえる、それが津山社長の狙いのようだ。毎朝POPを手で書くのもそのためだ。


「うちのような小さな店は、大手さんとまったく同じやり方では、やっていけませんから」と、津山社長の言葉はあくまでも潔い。やり方が違ってくるのは、そもそも基本的な考え方・コンセプトが違うからだろう。どちらがお客さんに受け入れられるか? それが問題だ。


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