「バイクの私に向かって、クラクションを連打してくる老夫婦。怖くて逃げると、スピードを上げて並んできて...」(愛知県・20代女性)
シリーズ読者投稿〜あの時、あなたに出会えなければ〜 投稿者:Oさん(愛知県・20代女性)
その日Oさんは、住んでいた名古屋から山口県を目指してバイクで走っていた。
その旅の途中、突然後ろから物凄い勢いでクラクションを鳴らし続ける軽自動車に出会い......。
<Oさんの体験談>
6年ほど前のゴールデンウィークに、当時住んでいた名古屋から日本海側を通って山口県を目指すバイクの旅に出ました。
1週間ほどの荷物と軍資金を積み込み、愛知→岐阜→石川県と移動。そこから福井に抜けるバイパスのような道を軽快に走っている途中でした。
シルバーの軽自動車が突然、物凄い勢いでパッシング&クラクションの連打をしてきたんです。
煽り運転かと思っていたら...
わたしは「煽られるような事は何もしていなかったのに!」と、かなり動揺してしまい、怖くなって止まらず逃げ続けていました。
するとその車はスピードを上げ、私の真横に並んできたのです。
何事かと思って横目に見ると、車から老夫婦がこちらに向かって何か叫んでいました。
それを見て「どうも煽ってる感じじゃないな」と気付いて退避スペースで止まると、その車も横に停車しました。
そして、乗っていたご婦人が慌てた様子で「あなたさっきお財布落としたわよ!!!」と教えてくれたんです。
「えっ」と驚く私に、ご婦人は続けます。
「私たちね、あなたのバイクから何か落ちるのが見えて、よく見たらお財布だったからずーっと追いかけてきたのよ!」
急いで財布を探しに戻ると...
結構な距離を追いかけてそれを伝えてくださったご夫婦にお礼を言い、その後急いでUターン。
対向車線を念入りに見ながら落とした付近に戻ってる途中、真っ赤なDUCATIのパニガーレに乗ったライダーがフラッと何か黒い塊を避けるのが見えました。
「財布や!」
すぐさまその先でまたUターンし、財布の元へ。すると、DUCATIに乗ったライダーが路肩にバイクを停め、財布を拾っていました。
その人が周りをキョロキョロしている所に辿りつき「すみません、その財布私が落としたものです」と言うと、
「そうですか、良かったです」
と言い残し、私がお礼を伝える間もなく、そのカッコいいライダーは颯爽と去っていきました。
旅の初日で財布には10万近くも入っていたので、本当に助かりました。
追いかけてくれたご夫婦、財布を拾ってくれた真っ赤なDUCATI乗りのライダーさん、あの時はありがとうございました。
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(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)
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