「痛風」発症者の約半分がかかっている病気とは!?腎臓内科医が 教える「沈黙の臓器」との関係性とは
「沈黙の臓器」と呼ばれるなど、病気が起きた際、その兆候がなかなか現れにくい臓器とされている「腎臓」。それゆえ、症状が出た時には既に遅いとまでいわれています。
そんな腎臓について、腎臓内科、透析科等を専門とする「大森真帆麻布十番クリニック」の院長・大森真帆先生に「CoCoKARAnext」がインタビューしました。
第2回目の今回は、腎臓と関わりがあるという「痛風」についてご紹介します。
尿酸値が高い=腎臓の病気が発症しやすい
中高年男性に特に多いとされている痛風。この痛風、甘く見てはいけません。
実は、腎臓と大きな関わりがあり、痛風にかかっている人の多くは「慢性腎臓病」に移行している可能性があるというのです。
「実は、痛風で腎臓が悪くなるということはあまり知られていないんです。一般的に、尿酸値が高いと痛風になる可能性が高まります。尿酸はそもそも尿から排泄されるので腎臓を通ることになります。痛風になると、足が痛くなると思うのですが、足が痛くなるのと同じように腎臓も傷をつけていることになるんです」
実際に、痛風から腎不全を患う人も多く、結果として透析患者になる傾向も多いといいます。
「特に40-50代の男性は尿酸値が高いと言われていますが、軽視せずに、腎臓内科を受診してください。健康診断を受けると、結果に肝臓・胆のう・膵臓の検査、そして腎臓検査のところに、尿酸値という項目があるので、見て欲しいです。尿酸値が高い=腎臓の病気が発症しやすいことだとおもってください」
痛みがなくなる=痛風が完治ではない!
繰り返しになりますが、痛風発症している方の半数ほどは、何かしらの慢性腎臓病になっている場合が多いです。そして多くは、自覚症状として痛風しかないため、「まさか腎臓が悪い」とは思ってはいないと大森先生はいいます。
加えて、もし痛風を患った際に勘違いしてはいけないことについて、大森先生はこう続けます。
「痛風の方でありがちなのは、痛みがなくなる=痛風が完治したと思っていることです。でも実はそれ、大きな勘違いなんです。炎症が引いただけで、痛風であることには変わりない。生活習慣病の一種でもある痛風は、一度発症すると、ほぼ一生のつきあいになるんですよね」
次回は、その生活習慣病における注意点についてご紹介します。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
大森真帆(おおもりまほ)
医師・医学博士。大学卒業後、都内の大学病院などで腎臓内科、透析科で勤務。その後、腎臓内科、アレルギー科を専門とする「大森真帆麻布十番クリニック」を開業。糖尿病や高血圧などを含む生活習慣病や予防医療にも注力している。
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