神戸港で働く造船作業員? 倉庫の「仕掛け」が話題に
神戸市中央区内の海岸沿いの倉庫で見られるある仕掛けが、本物みたいだとブログなどで話題になっている。
作業服、ヘルメット姿の作業員が倉庫の屋根の上でペンキを塗っている。そこにハシゴで登ってきた別の作業員がバケツを差し出して......。
「ユーモアディスプレー」のマネキン作業員だった
大阪府堺市在住のシマさんが自らのブログ「シマのブログ」に2017年9月27日にアップした写真を見ると、一瞬、造船工場などの本当の作業員と見間違えてしまいそうだ。実は、これらはグラスファイバーなどでできたマネキン人形だ。
倉庫には、ほかにも、地面のブロックを持ち上げたり、壁にペンキを塗ったり、屋根の上から手を上げて指示したりする別のマネキン作業員たちの姿があった。再開発地区「神戸ハーバーランド」の対岸に倉庫はあり、ハーバーランドにある「はねっこ広場」から作業員たちを見ることができる。
シマさんは、「人形が真面目に働いているフリしてる!」とブログに書いており、ツイッターでも、写真が紹介され、「シュール!!」「なんかいい」などと反響を呼んでいる。
「ユーモアディスプレー」。このマネキン作業員たちに付いている名前だ。ディスプレーは、神戸市が1991年、ハーバーランドの街開きに合わせ、水辺の景色を楽しんでもらおうと設置した。JR西日本神戸支社の倉庫にあり、所有者は市だが、第3セクターの神戸ハーバーランドが維持管理をしている。
当初は11体あったが、台風や阪神・淡路大震災で3体がなくなってしまい、現在あるのは8体だ。
2006年に修理してディスプレーをリニューアル
神戸新聞の2003年2月13日付記事によると、取り付けワイヤーが切られて人形が海に捨てられたり、人形の顔にコンクリートブロックが突き刺さったりする被害もあったという。1体が20万円前後もするというだけに深刻だ。
神戸ハーバーランドに9月28日、Jタウンネットが話を聞くと、06年になって、8体を修理してディスプレーをリニューアルし、ステンレス製の細いワイヤーを設置して台風などでもなくならないようにしたと説明した。また、JR西日本が敷地内の管理を強化しており、ここ数年はディスプレーの被害はないそうだ。
「ぱっと見て人形だとは分からないので、本当の作業員だと思って帰る人もいるようですね。ただ、最近は、情報を知っていて、『あれだ!』と見て喜ぶ人も多くなっています」(ハーバーランドの担当者)
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