気候危機、みんなが知れば必ず変わる【SDGs連載1】環境活動を始めたワケ
リセマム2020年10月6日(火)10時45分
日本ではあまり知られていない「気候危機」。まだ知らない事こそが希望、「みんなが知れば必ず変わる」をモットーに、環境活動や気候危機に関する情報発信、講演を行っている谷口たかひさ氏のSDGsコラム連載がスタート。第1回は活動紹介をお届けする。
環境活動のきっかけ
谷口たかひさです。気候危機の実態を伝えるため、日本と世界を講演して周っています。この活動を始める前はドイツに移住して、プラスチックフリー製品を拡げる会社を経営していました。普段何気なくゴミとして出していたペットボトルやレジ袋のゴミの30%は自然に流れ出ており、それが海の生きものの命を奪っているというばかりか、魚などを介し巡り巡って私たちの身体に返ってきていて(1週間にクレジットカード1枚分のプラスチックを食べていると言われている)、女性の乳がんなどの増加(1980年~2017年の間に3倍以上に増えている)の一因になっているということを知り、自分の大事な人が乳がんになってしまう前に、何かをしたかったからです。また、ドイツのキームガウという地域で発行されている「時間と共に価値が減るお金」や、ヨーロッパの教育や政治にも興味がありました。
移住してドイツ生活を楽しんでいたころ、ショッキングな報道がヨーロッパ中を駆け巡りました。忘れもしない2019年7月23日、BBC(英国放送協会)が、「気候変動を私たち人類が生存可能なレベルに抑えることができるかどうかは、この18か月にかかっている」ということを報道しました。この報道で私の周りは大騒ぎになりました。平日に学校に行かずに道路に集まり涙ながらに気候危機対策を訴える子どもたちが増え、「気候危機の恐怖で子どもが鬱にならないためには」といった見出しの新聞記事も目にするようになりました。気候危機の主因になっている石炭の採掘現場に大勢の人がなだれ込み、大勢のケガ人や逮捕者が出て、石炭関連企業の前には人が集まって叫び続け、石炭関連企業に融資を行っている銀行の職員たちは街中で追い回されていました。実際に私の家の近くで気候危機デモの主催を行っている14歳の女の子に話を聞くと、「大人の人たちは口を揃えて、口では子どもが1番可愛いだとか、子どものためなら死ねるといったことを言うが、本当に行動を起こして私たち子どもの将来を守ろうとしてくれている大人の人なんて私は1人も見たことがない。そんな状況の中で、なぜ私たちはのんきに学校なんて行って勉強なんてしていられるというのか。もうすぐなくなるかもしれない将来のために」と答えてくれました。
日本であまり知られていない気候危機
ドイツをはじめ世界中の国々でこういったことになっているというのに、私が生まれ育った日本では何も知られていません。「本当に同じ星で起きていることなのか?」と疑いたくなりました。私はこのドイツと日本の情報格差に、大人と子どもの行動格差に、自分がこれまでこの問題に何もして来なかったことに、そして何より自分の非力さに愕然として、涙が止まらなくなりました。毎日途方に暮れて過ごしました。日本にいる人に泣きながら連絡をするようになったのもこのころです。しかし、子どもが大人たちから攻撃を受けながら、将来のリスクを背負いながら、最前線で戦っているというのに、私ばかり落ち込んでいるわけにはいきません。「日本で気候危機が知られていないのは、メディアが報道しないからだ」という声もたくさん聞きますが、できない理由を並べても何も変わりません。
気候保護のための活動を日本で行おう
「メディアが報道しないなら、自分がメディアになるしかない」と心に決め、ブログやSNSでの発信に力を入れ、本気度が伝わったのか、本当にたくさんの人が見てくれるようになりました。ちょうどそのころ、国連の緊急気候変動サミットに合わせ、2019年9月20日に世界中で気候保護のための活動を行おうという、スウェーデンの少女、グレタ・トゥーンベリさんから始まった活動のことを知ります。私はこの活動を日本で行おうと、日本にいる優しくて頼りになる人たちに連絡を入れ、SNSとブログで発信を行い、協力をしてくれる人が劇的に増え、あれよという間に、日本47都道府県で同時に気候保護のための活動(マーチ/講演/ゴミ拾いなど)が決まりました。それに合わせて帰国し、そこからずっと、1日も休まず発信や講演を毎日続け、今に至ります。
日本では7か月間で300回登壇した講演では、気候危機のほか、憲法のこと、人間心理、お金の仕組み、投票の大切さ、問題の黒幕は自分自身だということ、ヨーロッパと日本の教育の違い、自由と権利、自分軸という生き方、子育て、正しさの反対はもう一つの正しさで人は正しさより楽しさで動く、3つの希望、といったことについてもお話をしています。
このコラム連載では、SDGsや教育のことについて取り上げていきたいと思います。
谷口たかひさ
1988年生まれ。大阪府出身。10代の時にイギリスの大学へ留学する費用をつくるため、インターネットビジネスで起業。イギリスの大学を卒業後、アフリカはギニアでの学校設立プロジェクト、グローバルIT企業の取締役(COO)、ドイツへの移住、起業などを経験。
2019年、ドイツで気候危機の深刻さを目の当たりにし、「みんなが知れば必ず変わる」をモットーに「地球を守ろう!」を立ち上げ、気候危機の発信や講演を開始。2020年9月末現在までに世界15か国でツアーを行い、日本は7か月で47都道府県300講演を達成。
趣味は旅と勉強で、訪れた国は60か国、保有資格は国際資格や国家資格を含め40個。
発信はおもにInstagram(ID: takahisa_taniguchi)、Facebook、ブログ「本当に価値のあるものは?」に力を入れている。
環境活動のきっかけ
谷口たかひさです。気候危機の実態を伝えるため、日本と世界を講演して周っています。この活動を始める前はドイツに移住して、プラスチックフリー製品を拡げる会社を経営していました。普段何気なくゴミとして出していたペットボトルやレジ袋のゴミの30%は自然に流れ出ており、それが海の生きものの命を奪っているというばかりか、魚などを介し巡り巡って私たちの身体に返ってきていて(1週間にクレジットカード1枚分のプラスチックを食べていると言われている)、女性の乳がんなどの増加(1980年~2017年の間に3倍以上に増えている)の一因になっているということを知り、自分の大事な人が乳がんになってしまう前に、何かをしたかったからです。また、ドイツのキームガウという地域で発行されている「時間と共に価値が減るお金」や、ヨーロッパの教育や政治にも興味がありました。
移住してドイツ生活を楽しんでいたころ、ショッキングな報道がヨーロッパ中を駆け巡りました。忘れもしない2019年7月23日、BBC(英国放送協会)が、「気候変動を私たち人類が生存可能なレベルに抑えることができるかどうかは、この18か月にかかっている」ということを報道しました。この報道で私の周りは大騒ぎになりました。平日に学校に行かずに道路に集まり涙ながらに気候危機対策を訴える子どもたちが増え、「気候危機の恐怖で子どもが鬱にならないためには」といった見出しの新聞記事も目にするようになりました。気候危機の主因になっている石炭の採掘現場に大勢の人がなだれ込み、大勢のケガ人や逮捕者が出て、石炭関連企業の前には人が集まって叫び続け、石炭関連企業に融資を行っている銀行の職員たちは街中で追い回されていました。実際に私の家の近くで気候危機デモの主催を行っている14歳の女の子に話を聞くと、「大人の人たちは口を揃えて、口では子どもが1番可愛いだとか、子どものためなら死ねるといったことを言うが、本当に行動を起こして私たち子どもの将来を守ろうとしてくれている大人の人なんて私は1人も見たことがない。そんな状況の中で、なぜ私たちはのんきに学校なんて行って勉強なんてしていられるというのか。もうすぐなくなるかもしれない将来のために」と答えてくれました。
日本であまり知られていない気候危機
ドイツをはじめ世界中の国々でこういったことになっているというのに、私が生まれ育った日本では何も知られていません。「本当に同じ星で起きていることなのか?」と疑いたくなりました。私はこのドイツと日本の情報格差に、大人と子どもの行動格差に、自分がこれまでこの問題に何もして来なかったことに、そして何より自分の非力さに愕然として、涙が止まらなくなりました。毎日途方に暮れて過ごしました。日本にいる人に泣きながら連絡をするようになったのもこのころです。しかし、子どもが大人たちから攻撃を受けながら、将来のリスクを背負いながら、最前線で戦っているというのに、私ばかり落ち込んでいるわけにはいきません。「日本で気候危機が知られていないのは、メディアが報道しないからだ」という声もたくさん聞きますが、できない理由を並べても何も変わりません。
気候保護のための活動を日本で行おう
「メディアが報道しないなら、自分がメディアになるしかない」と心に決め、ブログやSNSでの発信に力を入れ、本気度が伝わったのか、本当にたくさんの人が見てくれるようになりました。ちょうどそのころ、国連の緊急気候変動サミットに合わせ、2019年9月20日に世界中で気候保護のための活動を行おうという、スウェーデンの少女、グレタ・トゥーンベリさんから始まった活動のことを知ります。私はこの活動を日本で行おうと、日本にいる優しくて頼りになる人たちに連絡を入れ、SNSとブログで発信を行い、協力をしてくれる人が劇的に増え、あれよという間に、日本47都道府県で同時に気候保護のための活動(マーチ/講演/ゴミ拾いなど)が決まりました。それに合わせて帰国し、そこからずっと、1日も休まず発信や講演を毎日続け、今に至ります。
日本では7か月間で300回登壇した講演では、気候危機のほか、憲法のこと、人間心理、お金の仕組み、投票の大切さ、問題の黒幕は自分自身だということ、ヨーロッパと日本の教育の違い、自由と権利、自分軸という生き方、子育て、正しさの反対はもう一つの正しさで人は正しさより楽しさで動く、3つの希望、といったことについてもお話をしています。
このコラム連載では、SDGsや教育のことについて取り上げていきたいと思います。
谷口たかひさ
1988年生まれ。大阪府出身。10代の時にイギリスの大学へ留学する費用をつくるため、インターネットビジネスで起業。イギリスの大学を卒業後、アフリカはギニアでの学校設立プロジェクト、グローバルIT企業の取締役(COO)、ドイツへの移住、起業などを経験。
2019年、ドイツで気候危機の深刻さを目の当たりにし、「みんなが知れば必ず変わる」をモットーに「地球を守ろう!」を立ち上げ、気候危機の発信や講演を開始。2020年9月末現在までに世界15か国でツアーを行い、日本は7か月で47都道府県300講演を達成。
趣味は旅と勉強で、訪れた国は60か国、保有資格は国際資格や国家資格を含め40個。
発信はおもにInstagram(ID: takahisa_taniguchi)、Facebook、ブログ「本当に価値のあるものは?」に力を入れている。
Copyright (c) 2021 IID, Inc. All rights reserved.
「環境」をもっと詳しく
「環境」のニュース
-
フランスのオオカミ、1003頭に5月24日16時23分
-
【目にも環境にも優しい工芸品】琉球硝子 稲嶺盛一郎展−5月25日(土)〜6月30日(日)−THE COVER NIPPON(東京ミッドタウン3階)にて開催!5月24日16時0分
-
トリプルヘルスクレームの機能性表示食品「毎朝快調 腸内環境改善 ヨーグルト風味」を、5月27日(月)に販売開始5月24日15時0分
-
「ほっともっと」人気サイドメニューの“サラダ”がリニューアル!環境にやさしいエコ容器を導入『たっぷりグリーンサラダ』『7品目のミックスサラダ』5月24日14時46分
-
【Number_i・平野紫耀】Number_i の3人で旅行に行きたい場所は”ジャングル”「過酷な環境で絆を深めたい」5月24日14時45分
-
環境相、死因分析を保全に生かす 放獣で死んだツシマヤマネコ巡り5月24日13時49分
-
\カラダにも地球にも優しい有機米/無農薬・無化学肥料『GIRO米』の販売が遂にスタート!第一弾は福島県・会津若松の自然豊かな環境で育った大粒で独特の甘みのあるお米セット。5月24日13時46分
-
SIE製nasneが一部環境でテレビ視聴/録画不可に、'27年7月末以降5月24日12時21分
-
TANOTECH株式会社、筑波大学、ライオン株式会社が「リアルサイバースポーツ環境を作るコミュニケーションロボット」プロジェクトで実証を開始5月24日12時16分
-
静岡県三島市が環境月間を前に不要品リユース事業で「おいくら」と連携を開始5月24日12時16分