築98年!大正期の洋館風建築「松葉屋旅館」、ゲストハウスとして再生
長野県大町市といえば、県北西部に位置し、JR東日本大糸線の沿線、立山黒部アルペンルートの長野県側玄関口として知られている。市の西部には、標高3000メートルを超える北アルプスの山々が連なり、登山・トレッキングなどの他、アウトドアスポーツの拠点として有名だ。
この大町市に、1919年(大正8年)に建てられた洋館風建築で知られる松葉屋旅館があった。約6年前に廃業したこの旅館が、2017年10月1日、「松葉屋ゲストハウス」として営業を再開して、話題となっている。
Jタウンネットは大町市の「松葉屋ゲストハウス」に電話して、話を聞いてみた。
登山の前泊やサイクリング客にも......
電話で答えてくれたのは、「松葉屋ゲストハウス」館主の中村直人さんだった。
「旧松葉屋旅館を経営していたのは私の叔母でしたが、体調を崩したため廃業せざるをえませんでした。私は、歴史ある建物が利用されないのはもったいないと思い、何か活用する方法がないかと考えていました」と中村さんは語る。
「私はこの夏、『北アルプス国際芸術祭』の実行委員をやっていたのですが、たまたま全国から集まるイベント参加者の宿泊所として利用したところ、大変喜ばれました。そんな経験をもとに、素泊まり限定のゲストハウスとしての再開を具体化することになりました」。
そこで個室3700円〜4200円、相部屋のドミトリーは3000円という、ゲストハウス形式の営業が始まった。「場所柄でしょうか、登山の前泊などにも利用されています」と中村さん。「大町市には木崎湖や青木湖などを巡るサイクリングコースがあります。サイクリング客にも利用してもらえるのでは......、と期待しています」。
「素泊まりのゲストハウスなので宿泊料金は割安ですが、建物は大正ロマンの雰囲気に満ちています。最上階の赤い屋根が付いた望楼も人気があります。内装や調度品も旧松葉屋旅館のものがそのまま使われています。平成の若者たちにはかえって新鮮なようです」。
「今後、インバウンドのお客様にも対応できるようにしたいと考えていますが、準備不足でまだまだこれからです」と、中村さんは抱負を語る。外観は洋館、中身は純和風旅館の「松葉屋ゲストハウス」は外国人にも人気が出そうだが......。今のところ、告知手段はフェイスブックだけだという。
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