「40代前半がいない」人手不足を嘆く旭化成社長の発言に就職氷河期世代の不満爆発「自分たちが採用しなかったくせに」「当たり前」
旭化成の小堀秀毅社長の発言が話題だ。12月7日の朝日新聞のインタビュー記事中で、自社に30代後半から40代前半の人員が少ないと話したためだ。
この世代は、企業が採用数を絞った就職氷河期世代にあたる。インタビューでも小堀氏は「構造改革で採用を極端に減らしたためです」と、自社の採用戦略の責任を認めていた。しかしネットでは「今更言われても」「就職氷河期を作った立場の人間が言うことか」などの不満が出ている。
「今さら足りないと嘆いてもロスジェネの時間と経験を積む機会は戻ってこないんだよ」
小堀氏はインタビューで、
「当社では、30代後半から40代前半の層が薄くなっています。2000年前後に構造改革で採用を極端に減らしたためです。その世代が中間管理職として一番パワーをもたないといけない時代にさしかかってきました。キャリア採用もしていますが、なかなか人が集まりません」
と発言。今後「現場で生産ラインを回せないくらい人が足りなくなることを危惧」していて、「ないものねだりをしても仕方ないので、若い人を早く登用して育てていきます」との見通しを語っていた。
現在の30代後半〜40代前半は、バブル崩壊後の不景気の中で就活を迫られた氷河期世代だ。この世代は、有効求人倍率が毎年1倍を下回り続け、新卒で職に就くチャンスが他世代より著しく低かった。更に、企業の新卒一括採用の風潮が今より強かったため、既卒者は卒業後、企業に門前払いされてきた。非正規やアルバイト等でなんとか食いつなぐ人も多かったため、キャリア採用で求められるような経験を積めていない人もいる。
こうした背景を踏まえ、小堀氏の一連の発言は無責任だと批判する声が多い。氷河期世代に採用を渋ったのに、今更人手不足と嘆くのは虫が良すぎる、という訳だ。ネットでは
「いまさら足りないと嘆いてもロスジェネの時間と経験を積む機会は戻ってこないんだよ。中途採用を頑張ったところでゼロサムだしさ」
「採用絞るだけ絞っておいて20年後に『この層が薄くて困ってます』とか言い出すのホントウケる」
「自分たちが『人手不足』にしてしまったことは棚に上げておいて、なにこの被害者ぶったもの言いは」
などの不満や批判が噴出。2ちゃんねるでもスレッドが立ち、「そもそも氷河期世代をしっかり採用し、そして使い捨てにするんじゃなく20年間育てていれば今慌てる必要はないよね」「少し前まで非正規雇用で派遣奴隷が大量に増え使いたい放題だと喜んでいたくせに 」等、900を超えるコメントがついている。
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