冬のボーナス、減額が多い業界1位「メーカー」、2位「商社」 減額理由は「業績不振」が9割
エン・ジャパンは12月11日、「2019年の冬季賞与」についての調査結果を発表した。調査は10〜11月にネット上で実施し、同社運営「人事のミカタ」を利用している、従業員300人未満の企業537社から回答を得た。
今年の支給予定額を聞くと、「前年より増額予定」(22%)が「減額予定」(11%)を上回った。2015年以降、5年連続で「増額」が「減額」を上回る状況が続いている。一方、2018年と比べると増額は9ポイントの減少となった。
減額予定企業の1割は「15%以上減額」
冬季賞与を「増額予定」と回答した割合が高い業種上位3つは、「広告・出版・マスコミ関連」(38%)、「金融、コンサル関連」(33%)、「サービス関連」(28%)。以降、「商社」「流通・小売関連」(同22%)、「IT・情報処理・インターネット関連」(20%)と続く。
増額率を聞くと、「1〜3%」(28%)が最多。「15%以上」の回答も6%あった。増額理由には「業績が好調」(73%)、「社員の意欲向上」(64%)が多く挙げられた。ほかには、「離職、退職の予防」も17%いた。
一方、「減額予定」の割合が高かったのは「メーカー」(19%)、「商社」(18%)。メーカーは減額予定(19%)が増額予定(16%)を上回る結果となった。企業の減額率は、「1〜3%」「3〜5%」(同14%)が同率で最多で、「15%以上」も10%いた。
減額理由は「業績不振」(89%)が最も多く、「経営体質強化に向けた人件費圧縮」(18%)、「社員数増加」(9%)が続いた。
「支給額を増やしても、不平不満がなくなるわけではない」
賞与に関する悩みを聞いた。最も多かったのは「社員への評価・賞与の査定基準への悩み」(47%)で、実際の声として、
「どのような基準を用い、誰の評価を信じ、贔屓もない正当な判断はどうすればできるのか。業績だけで総額を決める事はせず、社員のモチベーションも考慮していますが、毎年、悩みます」(メーカー)
「評価に対するフィードバックがなく、社員のモチベーション喚起につながっていない」(IT・情報処理・インターネット関連)
といった声が寄せられた。
2位は「賞与の支給額による社員モチベーションへの影響」(43%)で「支給額を増やしても、不平不満がなくなるわけではない」(サービス関連)、「業績が好調なので、今年の賞与は増額予定だが、社員への業務負担が増えており、賞与がモチベーションになっていない」(運輸業)という声があがっている。
「前年と比較して景気上昇や回復を実感できていない」と回答した企業は合計52%。具体的には、
「原材料費、物流費の相次ぐ値上げ、人件費の負担が増える一方、売価への転嫁が難しい」(メーカー)
「消費税増税に加えて、大型台風直撃、オリンピック需要の終息により、住宅業界の業績が厳しくなってきている」(不動産・建設関連)
といった声が寄せられた。
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