東大生直伝!英語の「リスニング」完全攻略法とは
リセマム2023年12月25日(月)12時15分
東大生が書いた 英語試験の攻略本~TOEIC・TOEFL・英検を最短で突破する勉強法
英語の資格試験の重要度は年々増加傾向にある。大学入試では個別試験の代わりに英語資格の取得を義務付けていたり、選抜入試においても英検の取得の有無が合否を左右したりする場合も多い。
そんな中で、著者は『東大生が書いた 英語試験の攻略本~TOEIC・TOEFL・英検を最短で突破する勉強法』を上梓した。これは、東大生がいかに効率的に英語資格試験をハックしていたのかについて調査し、その結果をまとめた、試験テクニックについての本である。今日はその中から、多くの学生を悩ませている「リスニング」のテクニックを解説したい。
リスニングの問題のほとんどは、音声が流れて、その音声を聞いて選択肢を選ぶ問題だ。例外は、ディクテーションといって英語の音声を聞いて一語一句書き取る問題や、英作文と紐付いた「これから流れる英語の音声を聞いてあなたの意見を書きなさい」といった問題だが、こうしたタイプの問題はほとんど出題されず、基本的には「選択肢を選ぶ問題」の対策をしていれば対策可能である。
そんなリスニング問題において重要なのは、「どの部分を重点的に聞くのか」である。
たとえば、今回の本を制作するにあたってわかったことの1つは、「東大生は、リスニングの音声のすべてを聞こうとしない」ということだった。
日本人は完璧主義で、「漏らさず話を聞いて、内容を理解しなければならない」「ちょっとした単語が正解につながるかもしれない」と考えがちだ。しかし、その心構えでリスニング問題を聞いていると、聞き漏らした部分があるとそこに気を取られてしまったり、一部分に拘泥して大筋でどんなことを言っていたのかがわからなくなったりして、点数に繋がらない場合が多い。
実はリスニングにおいて必要なのは、聞く必要のないところを聞かず、聞く必要のある部分を推測して聞くことだ。一部分を聞くだけで、点数にはつながるのだ。
日本語で考えてみてほしい。誰かの話を1単語も漏らさずに聞いている人はほとんどいないだろう。いらないと思ったところは聞かず、重要なポイントだけを聞いて、「大体こういう話なんだな」というのを理解しているのではないだろうか。これと同じで、リスニングも重要なポイントだけを聞けばいいのである。
そのためには、与えられた選択肢を先に確認する必要がある。問題文と選択肢を読んで、これから流れる音声がどういうものなのかを考える。こうすることで、聞くべきポイントが理解できるようになるわけだ。
リスニング問題が流れ始める前には、ちょっとした時間がある場合が多い。たとえば問題形式の説明をしているときや、前の問題を解き終わった後のちょっとした時間などが当てはまる。この時間で、問題文と選択肢を読み、「どんな音声が流れるのか」について、リスニングの音声を予測してみるのである。
さて、その際に選択肢で注目するべきポイントは、「動詞」である。与えられた選択肢の、動詞の部分を確認する。こうすると、正解にたどり着ける割合が非常に高くなる。なぜなら、動詞は全体の意味の中核になる部分だからだ。
日本語で考えてみよう。
たとえば、「私は昨日彼女に話した」と言われたとして、「昨日彼女に話した」「私は昨日話した」なら、なんとなく意味がわかる人も多いだろう。だが、「私は昨日、彼女」で話が終わってしまったら、途端に何を言っているかわからなくなってしまうだろう。「会った」のかもしれないし、「喧嘩した」のかもしれない。何が起こったのかがまったく想像できなくなってしまう。このことからわかるのは、「話した」という動詞が、この文全体の文脈を決めてしまっているということだ。
これは英語でも当てはまる。
たとえば、「I studied English yesterday」という文がリスニングの問題で読まれたと仮定しよう。この中で、主語の「I=私」は聞き逃しても問題ない。前後の文脈で大体誰が言っているのかわかる場合が多いからだ。
次に目的語の「English=英語」。これも「study=勉強する」が聞き取れていたらなんとなく類推できるだろう。「勉強するもの」が来るのは想像できるから、英語とか数学とか、まあそういう科目だということはわかるはずだ。「yesterday=昨日」というのも、聞き取れなくてもstudiedが過去形なので、「いつかはわからないが、ともかく過去の話をしているんだろうな」というのは推測できる。
しかし、この文の中で動詞の「studied」だけは、聞き逃したらまったく話が見えなくなってしまう。studiedを聞きそびれてしまうと、「え、私が何をしたの?」「昨日何かしたのはわかったけど、何をしたんだ?」と、話の本筋が見えなくなってしまう。動詞が聞き取れるか聞き取れないかによって、全体の大まかな流れが理解できるかできないかが変わってくるわけである。
そして、選択肢の動詞を確認していれば、その選択肢の大枠の意味も理解できる。①「勉強していた」②「遊んでいた」③「歩いていた」④「(どこかに)行った」というように、選択肢の動詞を理解したうえで、「では、主人公は勉強していたのか、遊んでいたのか、歩いていたのか、どこかに行ったのか、どれだろう」と考えながらリスニング音声と向き合うことで、ポイントを抑えたリスニングができるわけだ。
ここで注意が必要なのだが、大抵の場合、選択肢の動詞というのは、そのままリスニングで話されることはない。リーディングと同じで、表現が別になっていることがほとんどだからだ。
「study」が選択肢なら、「勉強する」という意味の別の単語、たとえば「learn」という動詞に変換されている場合が多い。「teach」が選択肢なら「教える」という意味の別の単語、「instruct」「inform」という動詞に変換されている場合が多いだろう。「help」という選択肢なら「助ける」という意味の別の単語の「aid」や「assist」という動詞に変換されているといった具合だ。つまり、意味は同じだが、別の表現の動詞に変換されていることがほとんどだといえる。だからこそ、選択肢の動詞を確認したうえで、「どんな動詞に言い換えられているか」を考えながらリスニング音声を聞くというテクニックが有用だといえる。
このように、英語の資格試験で使えるテクニックはたくさん存在する。そのうえで、これらは日常生活でも活用できる場面も多い。外国人と話をしているときにも、「動詞を聞き取ろう」と考えることで、相手の話は入って来やすくなる。ぜひ試してみて欲しい。
そんな中で、著者は『東大生が書いた 英語試験の攻略本~TOEIC・TOEFL・英検を最短で突破する勉強法』を上梓した。これは、東大生がいかに効率的に英語資格試験をハックしていたのかについて調査し、その結果をまとめた、試験テクニックについての本である。今日はその中から、多くの学生を悩ませている「リスニング」のテクニックを解説したい。
リスニングの問題のほとんどは、音声が流れて、その音声を聞いて選択肢を選ぶ問題だ。例外は、ディクテーションといって英語の音声を聞いて一語一句書き取る問題や、英作文と紐付いた「これから流れる英語の音声を聞いてあなたの意見を書きなさい」といった問題だが、こうしたタイプの問題はほとんど出題されず、基本的には「選択肢を選ぶ問題」の対策をしていれば対策可能である。
そんなリスニング問題において重要なのは、「どの部分を重点的に聞くのか」である。
たとえば、今回の本を制作するにあたってわかったことの1つは、「東大生は、リスニングの音声のすべてを聞こうとしない」ということだった。
日本人は完璧主義で、「漏らさず話を聞いて、内容を理解しなければならない」「ちょっとした単語が正解につながるかもしれない」と考えがちだ。しかし、その心構えでリスニング問題を聞いていると、聞き漏らした部分があるとそこに気を取られてしまったり、一部分に拘泥して大筋でどんなことを言っていたのかがわからなくなったりして、点数に繋がらない場合が多い。
実はリスニングにおいて必要なのは、聞く必要のないところを聞かず、聞く必要のある部分を推測して聞くことだ。一部分を聞くだけで、点数にはつながるのだ。
日本語で考えてみてほしい。誰かの話を1単語も漏らさずに聞いている人はほとんどいないだろう。いらないと思ったところは聞かず、重要なポイントだけを聞いて、「大体こういう話なんだな」というのを理解しているのではないだろうか。これと同じで、リスニングも重要なポイントだけを聞けばいいのである。
そのためには、与えられた選択肢を先に確認する必要がある。問題文と選択肢を読んで、これから流れる音声がどういうものなのかを考える。こうすることで、聞くべきポイントが理解できるようになるわけだ。
リスニング問題が流れ始める前には、ちょっとした時間がある場合が多い。たとえば問題形式の説明をしているときや、前の問題を解き終わった後のちょっとした時間などが当てはまる。この時間で、問題文と選択肢を読み、「どんな音声が流れるのか」について、リスニングの音声を予測してみるのである。
さて、その際に選択肢で注目するべきポイントは、「動詞」である。与えられた選択肢の、動詞の部分を確認する。こうすると、正解にたどり着ける割合が非常に高くなる。なぜなら、動詞は全体の意味の中核になる部分だからだ。
日本語で考えてみよう。
たとえば、「私は昨日彼女に話した」と言われたとして、「昨日彼女に話した」「私は昨日話した」なら、なんとなく意味がわかる人も多いだろう。だが、「私は昨日、彼女」で話が終わってしまったら、途端に何を言っているかわからなくなってしまうだろう。「会った」のかもしれないし、「喧嘩した」のかもしれない。何が起こったのかがまったく想像できなくなってしまう。このことからわかるのは、「話した」という動詞が、この文全体の文脈を決めてしまっているということだ。
これは英語でも当てはまる。
たとえば、「I studied English yesterday」という文がリスニングの問題で読まれたと仮定しよう。この中で、主語の「I=私」は聞き逃しても問題ない。前後の文脈で大体誰が言っているのかわかる場合が多いからだ。
次に目的語の「English=英語」。これも「study=勉強する」が聞き取れていたらなんとなく類推できるだろう。「勉強するもの」が来るのは想像できるから、英語とか数学とか、まあそういう科目だということはわかるはずだ。「yesterday=昨日」というのも、聞き取れなくてもstudiedが過去形なので、「いつかはわからないが、ともかく過去の話をしているんだろうな」というのは推測できる。
しかし、この文の中で動詞の「studied」だけは、聞き逃したらまったく話が見えなくなってしまう。studiedを聞きそびれてしまうと、「え、私が何をしたの?」「昨日何かしたのはわかったけど、何をしたんだ?」と、話の本筋が見えなくなってしまう。動詞が聞き取れるか聞き取れないかによって、全体の大まかな流れが理解できるかできないかが変わってくるわけである。
そして、選択肢の動詞を確認していれば、その選択肢の大枠の意味も理解できる。①「勉強していた」②「遊んでいた」③「歩いていた」④「(どこかに)行った」というように、選択肢の動詞を理解したうえで、「では、主人公は勉強していたのか、遊んでいたのか、歩いていたのか、どこかに行ったのか、どれだろう」と考えながらリスニング音声と向き合うことで、ポイントを抑えたリスニングができるわけだ。
ここで注意が必要なのだが、大抵の場合、選択肢の動詞というのは、そのままリスニングで話されることはない。リーディングと同じで、表現が別になっていることがほとんどだからだ。
「study」が選択肢なら、「勉強する」という意味の別の単語、たとえば「learn」という動詞に変換されている場合が多い。「teach」が選択肢なら「教える」という意味の別の単語、「instruct」「inform」という動詞に変換されている場合が多いだろう。「help」という選択肢なら「助ける」という意味の別の単語の「aid」や「assist」という動詞に変換されているといった具合だ。つまり、意味は同じだが、別の表現の動詞に変換されていることがほとんどだといえる。だからこそ、選択肢の動詞を確認したうえで、「どんな動詞に言い換えられているか」を考えながらリスニング音声を聞くというテクニックが有用だといえる。
このように、英語の資格試験で使えるテクニックはたくさん存在する。そのうえで、これらは日常生活でも活用できる場面も多い。外国人と話をしているときにも、「動詞を聞き取ろう」と考えることで、相手の話は入って来やすくなる。ぜひ試してみて欲しい。
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