BMW陣営に移ったチームWRTが鮮烈な“デビュー”ウイン。バレンティーノ・ロッシ組も3位に/ドバイ24時間

2023年1月16日(月)18時52分 AUTOSPORT web

 1月14〜15日、『24Hシリーズ』の一戦に数えられる『ハンコック・24H・ドバイ(ドバイ24時間レース)』がアラブ首長国連邦・ドバイに位置するドバイ・オートドロームで行われ、チームWRTの7号車BMW M4 GT3が優勝。モハメド・アル・サウド/ディエゴ・メンチャカ/ジャン・バティスト・シメナウアー/イェンス・クリングマン/ドリス・ファントール組が、今季よりアウディからBMW陣営へと移ったチームWRTの“デビュー戦”に、勝利をもたらした。


 出走52台中7番手からレースをスタートした7号車は、ファントールのチャージにより、開始1時間でまずトップに立った。その後、2度にわたって導入された『コード60』(いわゆるフルコース・イエロー)の序盤で集団が入れ替わったことで、7号車は21号車HAAS RTアウディR8 LMS GT3 Evoの背後にドロップする。


 そして4時間目に入ると、クリングマンが21号車をオーバーテイクし、総合首位を奪還した。


 序盤のトップランナーだったハウプト・レーシング・チームが2台ともにトラブルに見舞われたことで、WRTはハーバース・モータースポーツの91号車ポルシェ911 GT3 Rと優勝を争うこととなった。


 91号車が夜間にやや差を詰めた後、残り6時間のところでWRTがルーティンのピットストップを行うと、91号車がまずはトップに躍り出た。これをきっかけに、ピットストップのたびに2台の順位が入れ替わるという局面が始まった。

チームWRTの7号車BMW M4 GT3 2023年ドバイ24時間レース


 当初はハーバースが1分以上のリードを築いて優勢に見えたが、7号車はファントールのスティントで急速にギャップを詰めることに成功する。


 残り4時間、ハーバースはコード60下での給油タイミングを誤ったようで、戦略面でのバトルはWRTに軍配が上がった。91号車ポルシェが給油ステーションに残されたままレースが再開されたとき、7号車ファントールはすでにコースへと戻っていた。これでWRTのリードは約25秒となり、勝利には充分かと思われた。


 最後の1時間、ハーバースは短い最終ピットストップを行うという賭けに出てトラックポジションを上げると、ロバート・レナウアーがファンストールに13秒ほどの差をつけてコースに戻った。コーションなど『何か』が起こることに期待し、搭載した燃料で最後まで走り切る戦略だった。


 しかし、結局残り20分のところでレナウアーがコード60の下で給油を行ったため、ファントールは優勝を確実なものとした。フィニッシュラインでは、2台の差は31秒だった。


 この勝利により、チームWRTはドバイ24時間で2連勝。BMWとしては2011年以来の優勝となった。また、2022年にデビューしたM4 GT3にとっては24時間レースにおける初優勝となった。


 さらに、WRTの姉妹車でバレンティーノ・ロッシらが乗り込んだ46号車BMW M4 GT3も2周おくれの3位で続き、WRTは2台で総合表彰台に立つこととなった。

総合表彰台の様子。向かって右側、3位にはバレンティーノ・ロッシの姿も


「2023年シーズン、そしてBMWとのパートナーシップを、優勝とダブル表彰台でスタートできるのはとても嬉しい」とチーム代表のヴァンサン・ボッセは述べている。


「BMW M4に24時間レースでの初勝利をもたらすことができ、大きな達成感を得ている。これ以上のことは望めない」


「このレースは準備の一環として見なしていたが、競争心を家に置いておくわけにはいかないからね。接戦でチャレンジングなレースだったが、チーム全体と全ドライバーが完璧なパフォーマンスを発揮してくれたことは素晴らしい」


「レース戦略も良かったし、大きな技術的な問題がなかったのも心強かった。この3カ月間、マシンを習得するために絶え間ない努力を続け、素晴らしい仕事をしてくれたクルーたちに、特別な祝福を贈りたい。さぁ、次の戦いへ向かおう!」


 チームは2月4〜5日にオーストラリアのバサーストで行われるリキモリ・バサースト12時間レースにおいて、『BMW Mチーム WRT』として公式デビューを迎える予定となっている。

バレンティーノ・ロッシが、マキシム・マルタン、ショーン・ゲラエルらとシートをシェアしたチームWRTの46号車BMW M4 GT3

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