新ドライバー、新ファクトリー、新体制。飛躍を誓うアストンマーティンF1が2023年に期待する理由

　いよいよ年も明けF1開幕に向けたムードが高まりつつあるなか、新シーズンのスタートに胸を膨らませているのはチームも同じだ。アストンマーティンF1は公式サイトに公開した記事で、彼らが2023年シーズンに期待を寄せる理由を説明している。

　アストンマーティンとしての3シーズン目を迎える2023年、イギリス・シルバーストンに拠点を置くこのチームにとって最大のトピックスは、やはり元世界王者フェルナンド・アロンソの加入だろう。

「同世代のドライバーのなかでも傑出した存在」とチームも絶賛するアロンソの加入は、セバスチャン・ベッテルの抜けた穴を埋めるのに十分だろう。F1参戦20シーズン目を迎えるベテランが新天地でどんな活躍をみせるのかは今シーズンの見どころのひとつだ。

　弱冠24歳ながらF1ドライバーとして7年目のシーズンを迎えるランス・ストロールを始め、アロンソの脇を固める顔ぶれも豪華だ。FIA F2チャンピオンのフェリペ・ドルゴヴィッチがチームにとって初の育成ドライバーとなり、元F1ドライバーで昨年のABB FIAフォーミュラE世界選手権王者であるストフェル・バンドーンとともにリザーブを務める。また、かつてマクラーレンのテストドライバーとしてアロンソを支えたペドロ・デ・ラ・ロサのチームアンバサダー就任も心強い。

「チャンピオンシップの常連になるという長期的な野心の一環」と彼らが語る新ファクトリーの完成もまた、アストンマーティンが今シーズンに期待をかける理由のひとつだ。これまでチームの源流であるジョーダン・グランプリから引き継いだ設備を使用してきたアストンマーティンだが、ついに春には新たなファクトリーへの移転を開始する。

「3つのユニットを持つこのファクトリーには、まったく新しいシミュレーターや風洞など、最先端のテクノロジーが導入される予定」で、「F1初の『スマートファクトリー』となる」という。

　チームは設備投資のみならず、人材面でも2021年にはメルセデスからエリック・ブランディンを引き抜き、2022年には元レッドブルのダン・ファローズをテクニカルディレクターに起用するなどの強化も積極的に行ってきた。2023年型『AMR23』は現体制で開発された初のマシンであり、「チームは数カ月にわたってマシンに取り組み、昨シーズンのAMR22から学んだことを応用してきた」ということで期待が高まる。

　チームの発足以来、2年連続でコンストラクターズランキング7位という位置に甘んじてきたアストンマーティン。新ドライバー、新ファクトリー、新体制のもとで巻き返しを図るチームは、2月13日に2023年型マシン『AMR23』を発表する予定だ。