日本開催を続ける井上尚弥に米ファンから不満噴出 米識者は真っ向から異論「イノウエはヘビー級以外で最も稼ぐ選手だ」

2024年1月25日(木)17時0分 ココカラネクスト

タパレス戦も有明アリーナを超満員にした井上。彼のカリスマ的な人気をもってすれば、東京ドームもチケット完売は濃厚だが……。(C)Getty Images

 かつてないほどの大舞台での決戦が実現濃厚となった。

 ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者、井上尚弥(大橋)が、元世界王者でWBCスーパーバンタム級1位のルイス・ネリ(メキシコ)と5月6日に東京ドームで対戦することで合意したと、米スポーツ専門局『ESPN』をはじめとする複数の海外メディアが一斉に報じた。

【画像】粘るタパレスを”ガードの上”から粉砕!井上尚弥が圧巻KO勝ちで”モンスター”ぶりを見せつけた4団体統一戦のド迫力シーンをチェック

 まさに大一番にふさわしい舞台となる。井上は昨年12月26日、マーロン・タパレス(フィリピン)に10回KO勝ちを収め、史上2人目の2階級4団体王座統一に成功。かたやネリは、昨年に2戦2勝。11月にはWBC年次総会で指名挑戦者として認められ、「打倒・井上」を公言してもいた。

 東京ドームでのボクシング興行はマイク・タイソン(米国)がジェームス・ダグラス(米国)に10回KOで衝撃の敗戦を喫した一戦以来、実に34年ぶり。文字通り歴史的なマッチメイクとなる。

 当然、敵なしの強さを誇る井上の“大箱”での防衛戦は米国内でも小さくないトピックとなった。そのなかで一部のファンからSNSで「なぜイノウエはアメリカで試合をしないんだ」「わざわざ日本開催とする理由はなに?」「国外で戦うのを恐れているのか?」といった意見が噴出し、話題を呼んだ。

 井上が最後にボクシングの“本場”アメリカで試合を行ったのは、2021年6月のマイケル・ダスマリナス(フィリピン)戦。当時、バンタム級に属していた井上は、新型コロナによる感染拡大を防ぐため、無観客のラスベガスという異例の環境での試合を余儀なくされた。

 そこから井上は5戦続けて日本で試合を行ってきた。当然、“本拠地開催”とあって、批判めいた意見がなかったわけではない。元世界5階級制覇王者のフロイド・メイウェザーJr.(米国)は、昨年7月に実施された井上とスティーブン・フルトンの試合後に「俺がイノウエに求めるのは、アメリカにきて俺たちと同じ土俵で戦うべきだということだな」と断言。「ランダムの尿テストや採血テストを受けたうえで、こっちでやってほしい」と指摘してもいた。

 ただ、日本開催によって、ファイトマネーが高額となり、PPVの売り上げ効果も見込めるため、井上をサポートする米興行大手『Top Rank』にとってもメリットはある。ゆえにSNSで渦巻いた先述のような意見に異論を唱える米識者も少なくない。元『ESPN』のスティーブ・キム記者は、こう論じている。

「実際のところ、イノウエはヘビー級以外の選手で最も稼ぐ選手のうちの一人だ。1試合あたり500万ドル(約7億2500万円)を遥かに超えるとされている。アメリカにいるボクサーの大半は、高校の体育館ほどのキャパシティーでも(チケットを)完売させることができないのに、大きな会場を満員にできる外国人ファイターがこっちにやってくると期待している」

 今回のネリ戦で東京ドーム開催を実現できれば、世界的にも異例な大興行となるのは必至だ。ここで5万人を超える観客を動員できれば、アメリカ国内で上がった批判に対する明確な答えとなりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

ココカラネクスト

「井上尚弥」をもっと詳しく

「井上尚弥」のニュース

「井上尚弥」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ