沢村 ロッテ入り!獲得に「古巣」が動かなかった「理由」
2023年1月28日(土)11時53分 ココカラネクスト
(C)Getty Images
あの剛腕が日本球界に帰ってくる。
今オフ、FAで注目の存在となっていた沢村拓一投手(前レッドソックス=34)をロッテが獲得すると28日の「日刊スポーツ」が報じた。
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ロッテから海外FA権を行使してレッドソックスと2020年オフに2年契約を結んだ。1年目の21年は55試合に登板して5勝1敗、防御率3・06。22年シーズンは49試合に登板し1勝1敗3ホールド、防御率3・73の成績だった。
30代半ばとなった今も平均50試合登板をこなすなど、タフネスぶりは変わらず。最速158キロの直球とスプリット、スライダーを武器にメジャーで戦っていたとあって、仮に日本球界復帰となれば手を差し伸べる球団はあると見られていた。
渡米前、最後の所属先となったロッテとは関係性も良好。新指揮官となった吉井監督とは投手コーチと選手として信頼関係もあり、復帰に前向きに働いた模様だ。
一方で沢村の去就に関してはかつての古巣、巨人の動きも注目されていた。巨人は昨季、チーム防御率がリーグワーストの3・69と低迷。若手投手陣は伸びてきたものの、先発、救援陣ともに層の薄さが指摘されたとあって、先発、リリーフともに務められる沢村の復帰の可能性も指摘されていた。
今オフは助っ人外国人を中心に精力的に補強を行った。一方でチーム課題として「大勢につなぐ7、8回の男を誰が務めるかも注目を集めています。デラロサ、ビエイラが去り、球威があり1回をしっかり抑えられる沢村は正に適任と見られていました」(放送関係者)
しかし沢村が選択したのはロッテだった。背景には沢村と巨人との関係性も影響したとささやかれている。
沢村は2010年にドラフト1位選手として巨人に入団。ルーキーイヤーから先発として11勝をマーク、新人王にも輝いた。その後も順調にキャリアを重ねる中、注目を集めたのは2012年の日本シリーズのワンシーンにもあった。
2012年に行われた日本ハムとの第2戦。先発マウンドに上がった沢村は立ち上がりにいきなり2つの死球を与えるなど、制球を乱した。大舞台において自身を見失った沢村を見かねて、バッテリーを組んだ阿部(現ヘッド兼バッテリーコーチ)がマウンドに駆け上がると、頭をポカリ。「公開説教」を敢行すると、東京ドームに詰めかけた多くのファンからもどよめきが起きた。結局、この試合、8回無失点の快投を見せた。
「沢村に関しては中央大の直系の先輩である阿部ですら、生かしきれなかった。繊細な性格も知られており、すぐに結果を求められ、何かと注目を集める巨人よりも他球団のほうが向いているかもしれない」(球界関係者)と当初から日本球界復帰に関しては「巨人以外」の選択肢を勧める声もあった。
一方、沢村を獲得したロッテでは守護神・オスナがソフトバンクに移籍。ブルペンを支える投手陣の充実が求められており、正に優勝に欠かせないピースとなりそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]