「型にはまりすぎ」侍戦士、球界きっての理論派・山川穂高が明かす「打撃の極意」とは

2023年2月14日(火)16時0分 ココカラネクスト

(C)Getty Images

 昨季、パ・リーグ本塁打王に輝いた西武の山川穂高内野手(31)。3月に開催されるWBCの日本代表にも選ばれた彼の豪快なスイングと高く舞い上がる打球には、人々を惹きつけるものがある。そんな日本球界を牽引するアーチストの打撃の極意について、現役時代ヤクルトで活躍した上田剛史氏が自身のYouTubeチャンネル『上田剛史』で山川本人に迫った。

 このコラボは、昨年末にフジテレビで放送された『中居正広の珍プレー好プレー大賞2022』の収録現場で、山川がYouTube出演をお願いしたところから実現。上田氏は、自身も高校生に指導している立場から、山川に様々な疑問を投げかけた。

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 ティーバッティングの練習で「引っ張り方向に打球を打ってしまう」選手がいるという悩みを山川に相談すると、山川は上田氏の悩みに共感しつつ、バットを「返そうとしてはいけない」とその練習方法を披露した。

「(スイング時)みんなグリップエンドが下を向いてしまうけど、そうすると身体からバットが離れてしまって3塁方向にしか打球が飛ばない。だから、グリップエンドをボールに向けてスイングする」

 グリップエンドをボールの延長線上に出すという理論を実際にスイングしながら解説。この理論と練習方法は高校時代からずっと気を付けて取り組んできたと明かした。

 高校生たちが陥りがちな点について、「ポール際に飛ばしたいのかな」という高校生の考えにも寄り添いつつも、山川は「確率良く打つなら絶対にセンター(方向)」と持論を展開し、プロ1年目にヤクルト・青木宣親外野手(41)からセンター返しの意識を教わった事を振り返った。さらにこのセンター返しの意識は、落合博満氏や、大谷翔平(28)といった超一流選手に聞いても同じ意識を持っていたという。

 また、100年前のメジャーリーガーたちのフォームから、ヒントを得たと話す山川は、スイング前に『動き』があることに注目。止まっている状態から動き出すのではなく、動いている状態からスイングに移ることにバッティングのコツが隠されているという。

 目線をぶらさないために、頭は動かしたくない。しかし、その意識が強すぎるが故に、体全体がピタッと止まってしまう選手は多いと、上田氏も高校生への指導で悩むという。

 この問題について山川は、構えの段階からずっと動いていなければいけない訳では無く、打つ前にひとつ動作をつけ加えるだけで「動から動」にすることができると説明。この直前に動き始めてスイングに移行するという、最小限の動きで打ち返すフォームが「これがバッティングの究極」と打撃論を披露した。

 そんな自身の打撃論を明確に持つ山川が、最後に動画視聴者に向けて伝えたいことがあると切り出すと、「型にはまりすぎなんですよ。型にはまっちゃだめだし、型にはめる教え自体もダメなんです。はめたくなる気持ちも分かりますけど、短所ばかり直してると、長所がなくなる。キレイなスイングをするのが答えなんじゃなくて、ヒットを打つのが答えなんで。そこをはき違えないでほしいです」「らしくいけ。見様見真似じゃなくて、自分の力が伝わりやすいやり方を自分で考えてやるのがバッティングなので。かまえとか足の上げ方などは自由でいい」と、SNSやYouTubeなどで情報が溢れる時代だからこそ、情報過多で自分を見失ってしまうことは避けてほしいとアドバイスし、指導者たちにも長所を伸ばすことの素晴らしさを語った。

 独自の打撃理論と、野球への考え方は今の時代の選手や指導者たちに大きな意味をもつだろう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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