【インタビュー】後藤啓介の強い“海外志向” きっかけは4歳で見た南アW杯「日本が世界を相手に戦う姿を初めて見て…」

2024年2月14日(水)12時10分 サッカーキング

[写真]=RSC Anderlecht

写真を拡大

 高校生ながらトップチーム昇格を果たし、Jリーグ初出場でいきなりの2得点。後藤啓介はジュビロ磐田のクラブ史上最年少得点記録を25年ぶりに更新し、昨季のJ2で大きなインパクトを残した。

「J2でもある程度の成績を残せば、J1を経由しなくても海外に行きたいと思っていました。海外に挑戦することが、自分の成長につながる」と、今冬ベルギーの強豪・アンデルレヒトへの移籍を決断。「目標は日本代表としてワールドカップで優勝する」と豪語するストライカーの、今に迫った。

取材・文=三島大輔(サッカーキング編集部)

——今冬からアンデルレヒトの一員になりました。オファーが届いた時の心境や決断に至った理由からお聞かせください。
後藤 昨年の夏にもいくつかオファーが届いていたのですが、補強禁止処分中というチームの状況を踏まえ、このタイミングで移籍するのは難しいと判断しました。ただ、自分としては「冬に行けるチャンスがあるなら行きたい」と思っていましたし、アンデルレヒトは「冬まで待つ」と言ってくれていました。自分のことを待ってくれているのは、すごく嬉しいしありがたいことでしたね。海外移籍は自分の夢の一つだったので、それが実現してすごく嬉しかったです。

——飛び級昇格をした昨季は、J2で33試合出場7得点でした。チームは昇格を果たし、今季はJ1でプレーするチャンスもあったと思いますが、それでも海外挑戦を選んだのですね。
後藤 補強禁止処分の影響で必ずチャンスは来ると思っていました。正直、自分的にはラッキーな年でしたね。J2でもある程度の成績を残せば、J1を経由しなくても海外に行きたいと思っていました。海外に挑戦することが、自分の成長につながると思い決断しました。

——すごく海外志向が強いように感じるのですが、何かきっかけはあったのでしょうか?
後藤 2010年の南アフリカワールドカップがきっかけです。特にデンマーク戦のフリーキックでの2得点がすごく印象に残っています。当時はまだ4歳でサッカーを始めたばかりだったのですが、「自分もこの舞台に立ちたい」と思いました。日本が世界を相手に戦う姿を初めて見た大会だったので、今でもすごく覚えています。

——改めて海外で練習や試合を経験して、率直に感じたことはどんなことですか?
後藤 まずは練習から強度が高い。日本と違うと感じたのは、守備も攻撃もマンツーマン気味です。自分のマークがはっきりしているので、相手選手を捕まえられないと個人の責任になります。「止まらずに、まずはボールに行け!」と練習から強く言われています。

——現在プレーしているアンデルレヒト・フューチャーズ(ベルギー2部・アンデルレヒトのセカンドチーム)は、平均年齢が19歳、監督も31歳と非常に若いチームです。チームの特色やトップチームとの関係性について教えてください。
後藤 監督も含めて「トップチームに行きたい」という人たちが集まったチームです。常に数名のフューチャーズの選手がトップチームの練習に参加しています。トップチームの監督がフューチャーズのミーティングに来て「チャンスを与えたいと思っているし、いいプレーをすればトップチームに上げる」という言葉をかけてくれるので、すごくモチベーションになっています。

——直近の目標としては、トップチームでの試合出場ということになりますか?
後藤 一日でも早くトップチームの練習に参加したいです。トップチームの試合に出てゴールに関わるプレーができれば、ファン・サポーターやチームメイト、クラブも認めてくれると思います。そのためにも、今は毎試合得点を取りたいと思っています。

——フューチャーズの初陣では、PKでいきなり得点を決めましたね。
後藤 PKはFWかトップ下の選手が蹴るという決まりになっています。チームメイトも自分がデビュー戦ということを分かっていたので、譲ってくれました。

——緊張はしなかったですか?
後藤 緊張はしないですね。これまで経験したことがない舞台では、特に楽しむことを意識しています。PKも「ラッキーだな」と思って、いつも通り蹴りました。

——言葉も含め、ベルギーでの生活にも慣れましたか?
後藤 メインは英語なのでもう少し勉強したいなと思いますが、コミュニケーションは取れているので特に困ったことはないです。週末は(松原)后くんが紹介してくれた日本人のコミュニティに行ったり、この前はヘントのシュミット・ダニエル選手、横田大祐選手と一緒にご飯に行きました。

——松原選手の存在は大きかったですか?
後藤 ベルギーでプレーしていたので、サッカーのことや生活について相談をしました。后くんのおかげで交友関係も広がりましたし、后くんがチームメイトじゃなかったら、この移籍を決めていないかもしれません。本当に感謝しています。

——移動や食事についてはいかがでしょうか?
後藤 まだ免許を持っていないので、移動は自転車か電車です。練習はチームバスで行き帰りをしています。食事はクラブでも出るのですが、外食と自炊でバランスを取るようにしています。

——では、今後の目標を教えてください。
後藤 まずは一試合でも多く、トップチームの試合に出ることです。今年のパリ五輪、2026年の北中米ワールドカップを狙っています。結果を残せば自然と道は見えてくると思うので頑張ります。まずはA代表に選ばれるため、トップチームで試合に出続けたいです。

——プロサッカー選手としてのキャリアで成し遂げたい目標はありますか?
後藤 目標は日本代表としてワールドカップで優勝することです。ビッグクラブで活躍することが、日本のためになると思っているので、まずは目の前の目標を一つずつ達成していきたいです。

——まもなくJリーグが開幕します。J1に返り咲いたジュビロに対する期待感はいかがでしょうか?
後藤 メンバーはかなり入れ替わりましたけど、ヨコさん(横内昭展監督)ならやってくれると思います! J1王者のヴィッセル神戸、天皇杯王者の川崎フロンターレのようなチームに勝つことを期待しています。

——最後にこの記事を通して、後藤選手を応援してくれる皆さんに伝えたいことはありますか?
後藤 ジュビロの飛躍を期待しています! 僕は元気にやっているので、心配しないでください!

サッカーキング

「海外」をもっと詳しく

「海外」のニュース

「海外」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ