フルトン戦で”モンスター”が「警戒すべきポイント」は?井上尚弥の「第二の師匠」が見解「序盤ラウンドでの距離感が大事」

2023年2月19日(日)6時0分 ココカラネクスト

(C)Getty Images

 12月13日にWBO世界バンタム級王者のポール・バトラー(34=英国)に勝利し、アジア人初、史上9人目のWBAスーパー・WBC・IBF・WBO世界バンタム級4団体統一王者となった井上尚弥(29=大橋)。4本のベルトを返上し、階級をスーパーバンタムに上げたモンスターは、次の試合でWBC・WBO世界スーパーパンダム級統一王者スティーブン・フルトンとの対戦が決定的だと言われている。

 この試合について、ロンドン五輪ボクシング・フライ級日本代表で、井上尚弥が「第二の師匠」と慕う須佐勝明氏が、警戒すべきポイントについて語った。

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「一番は、1ラウンド目や2ラウンド目、序盤のラウンドですね。井上選手は、そこでやりづらさを感じないように、しっかりと1ラウンド目から好戦的に自分のボクシングを貫くのが大事だと思います。スーパーバンタムに階級を上げて、いきなり世界戦をするというのは、結構リスキーですし、大きな舞台で多少なりとも緊張もすると思います。その中で、いかに自分の目標を貫き通せるか、ここが大事です。しっかり徹底してやってもらいたいなと思います」

 フルトンはリーチが長く、身体のフレームも大きい。井上がこれまで対戦してきた相手よりもサイズがあり、それでいてアウトボクシングを得意とする曲者だ。そんなフルトンとのとの試合展開について、同氏は「最初は見合うとは思うんですけども、そのあとしっかりいつもの通りの展開に持ち込みたい。相手が遠距離を得意とする選手であれば、ジャブボディーからついてジャブ、ワンツーとか。ジャブジャブワンツーとか、しっかりそういったパンチで相手の懐に入って攻撃を仕掛けたいところです。おそらくフルトン選手はバックステップを多用してくる。上手いんですよ。鋭いジャブを突いて、バックステップしてみたいなことをしてくるので、その距離感にごまかされないようにするのが一番大事かなと思います」と相手の土俵で戦わないことを重要なポイントに挙げた。

 階級を上げた一発目の試合が、2本のベルトを持つチャンピオン相手というのは、確かにリスクもあるだろう。しかし、これまで圧倒的な結果を残して来たモンスターならば、その壁をいとも簡単に超えて行くように思わせる。

 フルトンを相手に井上がどんなボクシングを見せるのか。世紀の一戦が今から楽しみだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

【解説】須佐勝明(すさ・かつあき)

1984年、福島県生まれ。会津工業高校から東洋大学へ。2012年、自衛隊体育学校所属時にロンドン五輪に出場。ロンドン五輪ミドル級金メダリストの村田諒太は東洋大学の1学年後輩にあたる。株式会社AYUA代表取締役。日本ボクシング連盟理事。アジアコーチ委員会委員長。共同通信社ボクシング評論担当。会津若松市観光大使。ほか。

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