「こんなにいい環境はない」 渋野日向子が辻村明志コーチのもと雪辱のシーズンを始動

2024年2月21日(水)13時35分 ALBA Net

渋野日向子はタイで2024年シーズンをスタートさせる(撮影:福田文平)

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<ホンダLPGAタイランド 事前情報◇21日◇サイアムCCパタヤオールドC(タイ)◇6576ヤード・パー72>

「4日間戦えるのは自分のなかで大きい。自力で出られなかったのは残念だけど、この試合は自分のなかでもすごくいい位置付け。出られて良かった」


今季も初戦をタイで迎える渋野日向子。昨年はシード選手として出場したが、今年は主催者推薦での出場となる。予選落ちもない大会のため、推薦で出る選手はツアーのポイントランキングに反映はされないが、大粒の汗を流しながらプレーできることには感謝の思いが強い。

昨季は「落ちるところまで落ちた」と振り返るほどの、苦しい一年を過ごした。トップ10はわずかに1度で、ポイントランキングは83位。そこからの浮上のため、このオフはまさに“心機一転”の気持ちで臨んだ。「新しいことは取り入れたつもりだけど、それを完成するには時間がかかる。試合でこなさないといけないし、やりながら上達しないと。結果を求めることも大事だけど、どれだけガマン強くやれるか」。こんな言葉からも、その決意が感じ取れる。

新たなコーチのもとで学ぶ、というのも“大きな変化”のひとつ。昨年末から上田桃子や吉田優利らを指導する辻村明志(はるゆき)コーチのもとで練習をしている。「ひとりでやっていくのは厳しかった。新しいものを取り入れるのは今の自分だけでは無理。ここから上がっていくのも年齢的に難しいと思ってやるしかない。そう思ったからこそできた行動かな」。“つかまったドロー”を打ちたいという思いがあり、それを自分の武器にしている選手が多いということなどが、門を叩く理由になった。

素振り前のルーティンなどにも、すでに変化は見てとれる。バックスイング時に、これまでよりも体の近くで腕を上げるような動きをじっくりと繰り返す。「気にしたい動き。トップまでの動きは自分のなかでも大事だし、やっています。高さを気にすると手ばかりに力が入るので、動きを大事にしたい」。こういう動きを繰り返し、あとはガマン強く続けていくことが大事になる。

「こんなにいい環境はない」と、新たな場所について表現する。「空気感は今までにないもの。(他の選手と)同じものを取り入れようではない。100人いれば100通りのやり方がある。どれだけいろんなものを盗めるかが大事。学べるものがたくさんある」。技術面はもちろんだが、チームの精神的支柱ともいえる上田の存在も大きい。「経験している量がまったく違う。それだけ自分のことも分かっている。話を聞く機会がこれからあるのは自分にとっては重要ですね」。刺激に満ちた時間を過ごしている。

辻村氏との話のなかで、クラブ面にも変化があらわれている。シャフトを昨年から刷新。例えば、1、3、5番ウッドのものはグラファイトデザイン製で統一されている。また、これまで契約するピンのクラブで統一されていたバッグには、3本、キャロウェイのユーティリティも。これを試合で試しながら、上昇への手助けにする。

「ドローは打つけど、これまでとはまた違う感覚。それを説明するのは難しい(笑)」。こう言って笑顔もこぼれるが、新たな取り組みを試合で表現する4日間は間もなく始まる。

「不安もいっぱいですけど、試合でやっていかないとできないから4日間あるのはすごく大事。結果も求めたいけど、そこに執着してしまうと去年みたいにボロボロいっちゃう。やるべきことをちゃんとやろう」。タイから始まる新たな船出。それを大きな実りに結びつけたい。(文・間宮輝憲)

【渋野日向子の2024年クラブセッティング】
1W:ピン G430 LST(10.5°)
(ツアーAD CQ5S、44.75インチ)
3W:ピン G430 LST(15°)
(ツアーAD CQ5S)
5W:ピン G430 MAX(18°)
(ツアーAD CQ6S)
4、5、6U:キャロウェイ ローグST MAXファスト
(スチールファイバー i70CW R)
6〜W:ピン i230
(スチールファイバー i95CW R)
50°、54°、58°:ピン グライド3.0
(ダイナミックゴールド 95 S200)
PT:ピン アンサー 2D
BALL:タイトリスト プロV1X
※練習ラウンド、プロアマで使用した15本を記載


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