WRC:第2戦スウェーデンで苦戦したMスポーツ、ポイント獲得のため遅刻の“奇策”講じる

2018年2月23日(金)12時16分 AUTOSPORT web

 2月15〜18日に行われたWRC世界ラリー選手権第2戦スウェーデン。2017年王者のMスポーツ・フォードは苦戦を強いられ2017年から続いた連続表彰台記録が途絶えたが、セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)のステージ到着時間を遅らせる“奇策”でボーナスポイントを手中に収めた。


 1月に行われた第1戦モンテカルロでエースのセバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)が優勝を飾り、シリーズ2連覇へ好スタートを切ったMスポーツだったが、ラリー・スウェーデンでは悔しい結果に終わった。


 ランキングトップで臨んだオジエは、レギュレーションにより現地金曜日の競技2日目まではステージへの先頭走者を務めることになり、コースの“雪かき役”を強いられ、本来のパフォーマンスを発揮できず。競技2日目を終えた時点でトップと2分48秒3遅れの総合12番手につけた。


 現地土曜日からは暫定順位の低い方からコースへ出走するが、総合12番手と出遅れていたオジエは、ここでも早めにコースイン。そのため、またも雪かき役を強いられ順位を上げられない悪循環に陥った。


 そこでボーナスポイントが獲得できる最終SS19では、わざとステージへの到着時間を遅らせ、ペナルティを受ける代わりにスタート順を遅らせる“奇策”を取りステージ2位を確保。ドライバーズポイント4点を持ち帰っている。

エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)は序盤のパンクが響き、上位争いから脱落


 また、チームメイトのエルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)は序盤のタイヤバーストが響き、オジエと同じく雪かき役を強いられ、総合10位だった。


 レギュラードライバーではないものの、Mスポーツからシリーズ数戦にスポット参戦するテーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)は、6カ月ぶりにドライブするフィエスタWRCと格闘しながらも、総合8位に入り、チームに貢献。約2週間後の第3戦メキシコに向けたデータも収集している。


■「予想以上の困難に直面」とMスポーツ代表。WRC2ウイナーの勝田貴元へ賛辞も


 ラリー・スウェーデンは厳しい結果に終わったMスポーツだが、チーム代表のマルコム・ウィルソンは「難しい状況になると予想していた」と語る。


「特に(競技2日目の)金曜日に、あれだけ新雪が積もっているとなおさらね。ただ、今回は我々が予想していた以上の困難に直面してしまった」


「(第1戦)モンテカルロでの好調ぶりと比較すれば、この週末どれだけコンディションに苦しめられ、我々がマシンに為す術がなかったことは明白だ」


「我々にできることはなかったが、オーガナイザーは見ごたえある優勝争いを演出し、ラリー・スウェーデンを素晴らしいイベントにした。ただ、我々には上位で戦いインパクトを残すチャンスがなかったんだ」

オジエはパワーステージで2位を獲得し、ランキング2位につけた


「そこで我々はチームとして策を練り、セバスチャン・オジエがSS19をスタートする時間を遅らせた。パワーステージでポイントを獲得するチャンスを手にするためにね。その結果、彼はステージ2位を手にした」


 また、ウィルソン代表は同社が販売するフォード・フィエスタR5でラリー・スウェーデンのWRC2クラスを制した勝田貴元と、フィエスタR2でジュニアWRCを制したデニス・ラドストロームにも賛辞を送っている。


「タカモトとデニスも祝福したい。我々のワークスチームにはチャンスがなかったが、ふたりの若者が勝利の美酒に酔うことができたんだ」


「この勝利はデニスにとっては意義深いものだし、タカモトはWRC2を制した初の日本人ドライバーになった。その勝利にフィエスタが貢献したことを素晴らしく思うよ」


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