豪州SC:2017年はランキング21位と低迷した元王者コートニー、チーム再編で復活なるか

2018年2月23日(金)17時24分 AUTOSPORT web

 VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーで、長年ホールデンのワークス指定チームであるHRT(ホールデン・レーシング・チーム)として戦ってきたウォーキンショー。その元チーム代表であるエイドリアン・バージェスは、エースドライバーのジェームス・コートニーに「今回のチーム再編が、彼をふたたび王座に押し上げる原動力になるはず」とエールを送った。


 今季から北米のビッグネーム、マイケル・アンドレッティ率いるアンドレッティ・オートスポートと、マクラーレンのマネージングディレクターを務めるザック・ブラウンが運営するスポーツカー耐久の強豪ユナイテッド・オートスポーツが参画し、新たに『ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッド』という名のジョイントチームに変貌したウォーキンショー・レーシング。


 そのエースを務め、2010年には当時のディック・ジョンソン・レーシング(現DJRチーム・ペンスキー)でVASCのシリーズチャンピオンにも輝いた実績を持つ2003年全日本F3王者のコートニーは、2017年にキャリア最悪となるランキング21位に終わるなど、チーム再編の混乱に巻きこまれ不遇の時を過ごした。


 そのコートニーと長年の友人関係でもあるバージェスは、コートニーと2010年のVASCタイトル獲得を共にする以前、イギリスF3時代からエンジニアとして戦った経験を持ち、2011年にはDJRを離れ、トリプルエイト・レースエンジニアリングに移籍。


 その後2014年にウォーキンショーへと戻り、昨季までコートニーとシリーズを戦い、今季からはテクノ・オートスポーツへと移籍。2018年はルーキーのジャック・ルブロークを担当する。


 1990年代にはF1のマクラーレンで働き、2005年にはジョーダン・チームでスポーティング・ディレクターを務めた経歴も持つバージェスは、今季から体制一新のチームで戦うコートニーに対し、「明らかにタイトルに値する才能がある」と賛辞を送った。


「もちろん彼が古い友人であるのは確かだが、それだけで言っているわけではない。私はジェイミー(・ウィンカップ)のような才能も間近で見てきたし、それになんら劣るところはない」とバージェス。

昨季までモービル1HSVレーシングとして参戦したスポンサーは継続。引き続き、ブーストモバイルカラーに
VASC参戦2年目の2010年には、当時のディック・ジョンソン・レーシングで王座獲得
新たにホールデン・ワークスに指定されたトリプルエイト開発の、新型『ホールデン・コモドアZB』を投入


「2017年のウォーキンショーはホールデンからのワークス・バックアップを受けるHRTの立ち位置を失い、チームは難しい時期を過ごしていた。彼に正しいエクイプメントと、正しい協力関係を築ける人々が周りで支えれば、必ずタイトルを争える能力がある」


「現時点で彼は間違ったポジションに立たされていて、その才能を充分に発揮できないでいる。これはタフなゲームであり、チームはドライバーにとって快適で整った環境を作り出し、彼らから最大限のパフォーマンスを引き出さなくてはならない」


 同時にバージェスはその豊富なモータースポーツのチームマネジメント経験から、もし彼らドライバーがフラストレーションを抱えたり、失望を覚えたりすれば、すぐにトラック上のポジションを失うことにつながる。またそこから焦ってハードにプッシュしたりすれば、間違いが起こる可能性はさらに高まることになる、と警告する。


「ドライバーがリラックスし快適に過ごせるならば、チームはそれ以上のものを手に入れることになる。トラック上でのコンマ1〜2秒が大きな違いを生み出す。ドライバーを活用することは、チーム全体の仕事なんだ」


 新たに北米の雄とのジョイント・ベンチャーを決めたウォーキンショーだが、新たなパートナーシップのもとにシリーズでの成功を収めるのは「そう簡単な仕事ではない」とも語るバージェス。


「変化が起こるのは楽しみだ。そこには古い友人が大勢働いており、彼らが第一線に戻ってくるのはうれしい。誰もボクシング王者がロープに掴まっているのを見たくはないからね」


「しかし“ローマは1日にしてならず”の言葉どおり、例えばペンスキーがあのポジションに到達するのに数年がかかった。その立役者は(2017年にトリプルエイトから移籍したフランス人エンジニアの)ルード・ラクロワだろう」


「そう、彼は北米から来たんじゃない。アンドレッティがどんなリソースとプランでチームをロールアウトするか。ノウハウを持つ彼らなら成し遂げると思うけどね」


 2018年のVASCシーズンは3月1〜4日に開催されるアデレード500で開幕を迎えるが、コートニーはこのイベントと無類の相性を誇っており、2014、15、そして16年と勝利をマーク。不振を極めた昨季でも、シーズンベストの3位表彰台を記録している。

長らくコートニーとともに過ごしてきたエイドリアン・バージェス(中央)
先日開催された公式プレテストでは総合12番手のタイムをマークした
フォーミュラ・ニッポンや全日本GT選手権、スーパーGTでも活躍したコートニー。タイトル奪還はなるか


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