開幕2連勝を狙うオジエ「チームメイトとの接戦が予想される」/2021WRC第2戦アークティック 事前コメント

2021年2月24日(水)12時15分 AUTOSPORT web

 WRC世界ラリー選手権において初開催となる北極圏でのイベント、第2戦『アークティック・ラリー・フィンランド』が2月26〜28日に行われるのを前に、Mスポーツ・フォード、ヒュンダイ、トヨタの3陣営から今戦に出場するドライバーたちの事前コメントが発表された。


 新型コロナウイルスの影響で開催中止となった第2戦スウェーデンの代替イベントとして開催されるWRCアークティック。フィンランド北部のロバニエミを拠点に3日間、計10本のSSで争われる今戦は、その名が示すとおり、一部ステージにおいて北緯66度33分以北の“北極圏”で実施される。


 ラリーは豊富な積雪の下、フルスノーコンディションで行われ、全車が2021年から最高峰クラスにコントロールタイヤを供給している、ピレリのスタッド付きタイヤを常時装着することになる。


 各チームはこの新しいタイヤでのデータ収集のため、ラリー・モンテカルロ終了後に事前テストを実施。昨年まで使用されていたミシュランとの特性の違いなどを確認済みだ。


 また、この第2戦では参戦ドライバーの変更が発表されており、ヒュンダイは3台目のワークスカーをクレイグ・ブリーンがドライブすることを発表した。さらに、オリバー・ソルベルグがヒュンダイ・2C・コンペティションが走らせる2台目のヒュンダイ20クーペWRCに搭乗し、最高峰クラスに初参戦することが明らかにされた。
 
 その一方、トヨタとMスポーツ・フォードのラインアップは開幕戦から継続され、今季テーム・スニネンとマシンを共有するMスポーツのエイドアリアン・フルモーは第2戦でも引き続きWRC2クラスを戦うことになる。


 全10本のSSの合計距離は251.08km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は856.05kmに上るアークティック・ラリー・フィンラドは、2月26日(金)にラリー初日・デイ1を迎える。


■Mスポーツ・フォードWRT


●ガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC)


「誰もが今週のイベントである究極のウインターラリー会場を楽しみにしていると思うよ。僕はそれほど多くのスノーラリーの経験がないけれど、それでも出場した時は楽しんでいた。北極圏にいることは、完全に違うレベルのことだね」


「過去数年のチャンピオンシップでは、それほど多くの雪がなかった。でもロバニエミで雪が不足することはない。この経験をとても楽しみにしている。あのような大きな雪だまり(雪壁)をどう使うか、また、雪と氷の上でスタッドタイヤからどうやって最大の性能を引き出すのかを学びたいと思う」


「先週末は丸1日のテストがあり、コンディションをしっかりと把握してウィンターラリーについてできるだけ多くのことを学んだ。でも今週は自分に大きすぎるプレッシャーをかけるつもりはない。このラリーで重要なのは自分たちのラリーに集中することだ。週末の間にペースを改善して、そうすることを楽しむんだ」

ガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC) 2020WRC第2戦スウェーデン


●テーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)


「僕は冬のラリーが本当に好きだけど、北極圏での経験はあまりないんだ。2014年にフィエスタR2で出場したことはあるけれどね。でも幸運なことにミッコ(・マルックラ/コドライバー)は何度もそこへ行ったことがあるから、彼の経験が役に立つことに期待している。先週末はテストもしたので、コンディションと、雪と氷のなかで新タイヤがどう挙動するかということをより理解することができた」


「ほとんどのドライバーにとってこのラリーは初めてのものだ。ステージはスウェーデンよりも幅が狭く、トリッキーな道路なのに、速いラリーになるようだ。路面が凍結すると、溝やバンプがかなり多くなるだろう。これはドライバーとチームにとって、最高のセットアップを見つけるという点では大きな課題になる」


「僕の出走順はかなり有利だが、雪がほこりのように舞うことがあるから、そうなると僕たちにとってはやっかいだ。雪はとても柔らかく、空中に舞うことがある。それがまるでグラベルラリーのように、視界の邪魔になるんだ!」


「しかし、すべてうまくいくことを期待している。僕の目標はできる限り最高の結果を出すことだ。金曜日のステージがもっとも難しいが、そこでは僕たちのスピードを示すことができると思う。特に暗闇のなか、難度が高くトリッキーな場所ではね」


■ヒュンダイ・シェル・モビスWRT


●ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)


「最近のイベント前テストを除けば、僕が以前ロバニエミに来たのは、チームとテストをした何年も前の1回だけだ」


「ここ特有の冬のコンディションだ。ステージには雪が多く降り積もっているし、大きな雪だまりがあり、ところどころかなり狭くなっているところがある。難しい舞台だが、僕たちはとても楽しみにしているよ」


「僕たちはモンテカルロで(3位)表彰台を獲得できた。僕たちが組んだ初めてのラリーでね。だからマルティン(・ウィダグ/コドライバー)と僕の目標は、この勢いを維持して、チームのためにまた確実な結果をもたらすことだ」


●オット・タナク(ヒュンダイi20クーペWRC)


「アークティック・ラリー・フィンランドは、とても興味深いイベントになるだろう。ロバニエミはフィンランドのはるか北の方にあるから、寒くて雪が降るのは間違いない」


「僕は10年前にそこで競技に出たことがあるから、何カ所かのステージではある程度経験がある。完全にフルスノーイベントで、WRCカレンダーの適切な時期に設定されたと確信しているよ」


「期待外れで課題の多かったモンテの後だから、チャンピオンシップの適切なスタートを切ることを目指している。実力を反映した結果を、自分たちとチームのために出すつもりだ」

オット・タナク(ヒュンダイi20クーペWRC) 2020WRC第2戦スウェーデン


●クレイグ・ブリーン(ヒュンダイi20クーペWRC)


「ポール(・ネイグル/コドライバー)と僕が2021年のWRCチャンピオンシップにおける新しいイベントをスタートできることに興奮している。僕たち全員にとって、このラリーは素晴らしい冒険になるだろう」


「アークティック・ラリー・フィンランドでは、寒い気候と大きな雪だまりに見舞われることは間違いない。ポールと僕にとって、僕たちのシーズンを正しい方法で始めることが重要だ。以前の調子をまた取り戻すのに少し時間がかかるだろうけど、それでも待ち切れないよ」


■TOYOTA GAZOO Racing WRT


●セバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)


「アークティック・ラリー・フィンランドの典型的なウインターコンディションは、我々がここ数年WRCで経験してきたものとは対照的なものになるだろう。先週、ロバニエミの周辺でテストをした時はとても楽しく走ることができた。クルマには満足していますし、準備は整っているよ」


「ただし、このようなスノーラリーでは、初日1番手スタートとなる我々は路面コンディションに大きく左右されるため、それがどうなるのかを見守る必要がある。昨年の経験から、このようなコンディションではチームメイトとの接戦が予想される」


「エルフィン(・エバンス)は非常にモチベーションが高く、ホームイベントとして臨むカッレ(・ロバンペラ)はそれ以上に気合いが入っているはずだ。また、彼らだけでなく他のチームのライバルもそうに違いないでしょう。決して簡単ではないと思うが、勝利に挑みたいと思う」


●エルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)


「ほとんどのドライバーは、このラリーへの出場経験がないはずだ。もちろん、昨年のラリー・スウェーデンと同じような結果(優勝)を目指すが、状況次第だと思う。ここ数年、路面に氷や雪が少なかったスウェーデンとはコンディションがかなり違うからね」


「非常に寒い時に行なわれたテストでは、その点を考慮して作業を進めた。また、新しいピレリのタイヤにクルマのセットアップを最適化する必要もあった」


「ラリー・モンテカルロの時と同じように、この新しいタイヤに関する経験はないが、今回は選択肢がひとつしかないため、よりシンプルで集中して作業に取り組むことができたよ。全体的にフィーリングは良く、ラリーがとても楽しみだ」

ラップランドにあるサンタクロースの村を訪れたTOYOTA GAZOO Racing WRTのドライバーたち


●カッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)


「ラップランドでのラリーにふたたび参戦できるのがうれしいよ。昨年、初めて出場した時はヤリスWRCでの初ラリーだった。もちろん、その経験が少しは役に立つと思うけど、未経験のステージや、反対方向に走るステージもあるので、大きなアドバンテージにはならないだろうね」


「テストでは、タイヤの特性が今まで使ってきたものとは違うため、新しいタイヤに合ったセットアップを見つけることが最大の課題だったが、フィーリングは良かった」


「(母国ラリーとなるため)普段よりも少しプレッシャーを感じるけど、特にフィンランドの人々が他のラリーの時以上に僕をフォローしてくれているので、ワクワクする気持ちがプレッシャーに勝っているんだ」

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