【J1リーグ2023】湘南スタイルを体現する汗血馬。DF石原の疾走に注目

2023年2月27日(月)14時0分 FOOTBALL TRIBE

湘南ベルマーレ DF石原広教 写真:Getty Images

2023明治安田生命J1リーグの第2節が2月24日に行われ、湘南ベルマーレと横浜FCが対戦。湘南の本拠地、レモンガススタジアム平塚にて行われたこの試合は、両軍とも22本のシュートを放つ乱打戦に。2-2のドローで幕引きとなった。


ここでは同試合における湘南の守備戦術(ハイプレス)に注目し、特に目覚ましい走力でチームに貢献したDF石原広教の働きについて解説したい。




湘南ベルマーレvs横浜FC 先発メンバー

湘南のハイプレスを牽引した選手たち


キックオフから僅か12秒後に失点を喫したものの、これ以降は就任3シーズン目の山口智監督のもとで磨き上げてきたハイプレスが機能した湘南。今節も町野修斗と大橋祐紀の両FWが、基本布陣[4-2-3-1]の横浜FCの2センターバック(DFガブリエウとDFンドカ・ボニフェイス)と2ボランチ(MFユーリ・ララとMF三田啓貴)の間に立ちはだかる。これにより、特に前半は横浜FCのパス回しをサイドに追いやることができていた。


湘南の[5-2-3]の隊形による守備(小野瀬が前線へ飛び出すパターン)

横浜FCにとっての右サイドにボールが渡った際には湘南のMF平岡大陽が、左サイドにパスが出された場合はMF小野瀬康介が飛び出し、敵陣での守備に参加。今や湘南の十八番となっている、基本布陣[5-3-2]の3人の中盤のうち1人が前線に加わる[5-2-3]への隊形変化で、何度もボールを回収した。


平岡や小野瀬とともに湘南のハイプレスを牽引したのが、右ウイングバックとして先発したDF石原広教だ。この試合で両軍の選手中2位タイのスプリント回数(25回、Jリーグ公式サイトより)を叩き出した同選手は、横浜FCのDF和田拓也とMF坂本亘基のみならず、トップ下のポジションからサイドへ流れボールを受けようとしたMF井上潮音も徹底的にマーク。ボールの回収役として存在感を放った。


湘南ベルマーレ DF石原広教 写真:Getty Images

アグレッシブで痛快なDF石原の貢献


この石原の働きが際立ったのが、前半11分の湘南の攻撃シーン。ここでも町野、大橋、小野瀬が中央を封鎖し、横浜FCのパス回しをサイドに誘導すると、ガブリエウから和田へのパスを石原がカット。ここから湘南の速攻が始まり、石原が奪ったボールを引き継いだ小野瀬が右サイドを駆け上がると、ペナルティエリアへクロスを供給。小野瀬のラストパスを受けた町野が決定機を迎えた。


前半17分の町野の同点ゴールも、もとを辿れば石原の良い守備から生まれたもの。石原のプレスを浴びた和田のパスがずれ、湘南陣営がボールを回収すると、小野瀬、大橋の順でパスが繋がる。大橋のヘディングパスを受けた町野がペナルティエリア内で左足を振り抜き、ゴールネットを揺らした。


湘南ベルマーレ FW町野修斗 写真:Getty Images

「攻撃的で、走る意欲に満ち溢れた、アグレッシブで痛快な“湘南スタイル”」をクラブの哲学として掲げている湘南。直近のリーグ戦2試合ではこれを緻密な戦術で表現できており、石原も持ち前の走力を遺憾なく発揮し、チームに貢献している。


湘南ジュニアユースをはじめとする同クラブの育成組織でプレーし続け、2017年にトップチームに昇格。アビスパ福岡に期限付き移籍していた2019年を除き、幼い頃から緑と青のユニフォームに袖を通し続けてきた石原が、湘南の上位進出の立役者となるかもしれない。2023シーズンは右サイドを疾走する湘南の汗血馬に注目だ。

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