NASCAR:TOYOTA GAZOO Racing 2018第2戦アトランタ レースレポート

2018年2月28日(水)16時47分 AUTOSPORT web

モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第2戦アトランタ
2台のトヨタ・カムリがトップ5フィニッシュ


 アトランタでの第2戦は長いグリーンフラッグ下での戦略戦となりましたが、惜しくも作戦及ばずデニー・ハムリンが4位、マーティン・トゥルーエクス・Jr.が5位。
 
 エクスフィニティ・シリーズでは今季からフル参戦のルーキー、クリストファー・ベルがシリーズレギュラー勢最上位の3位フィニッシュ。
 
 トラック・シリーズではファイナルラップの大逆転でブレット・モフィットが初勝利。ノア・グラッグソンが続き、若手によるワン・ツー・フィニッシュを果たしました。


Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第2戦 Folds of Honor QuikTrip 500

開催日:2月25日


2台のトヨタ・カムリがトップ5フィニッシュ


 2月25日(日)、アメリカ南東部ジョージア州ハンプトンのアトランタ・モーター・スピードウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第2戦『Folds of Honor QuikTrip 500』が開催されました。


 アトランタは10年前の2008年、カイル・ブッシュがトヨタに最高峰カップ・シリーズでの初勝利をもたらした記念すべきコース。今大会も予選でカイル・ブッシュがポールポジションを獲得し、決勝へと期待が高まりました。


 前日24日(土)に、翌25日は天候が悪化していくことが予想されたため、当初の予定よりも1時間ほどスタート時間が早められるアナウンスがされましたが、当日は予想よりも早くから降り始めた雨でコースはウエットに。
 
 ようやく雨が止んだところでトヨタ・タンドラに装備された“エア・タイタン”システムで路面を乾燥し、2時間ほど遅れての午後3時32分、1.54マイルオーバルを85周、85周、155周の3ステージ合計325周(500.5マイル:約800km)して競われる決勝レースのスタートが切られました。
 
 ポールポジションのカイル・ブッシュはスタートでライバルの先行を許したものの2位をキープ。これに4番手スタートのダニエル・スアレツが続きました。一方、予選前の車検で失格となり、最後列35番手からのスタートを余儀なくされたマーティン・トゥルーエクス・Jr.は序盤から猛烈な追い上げを見せ、15周目にはトップ10圏内へと浮上。
 
 ステージ中盤のコンペティション・コーション*からの再スタートでポジションを落としたカイル・ブッシュをかわしたトゥルーエクス・Jr.がステージ1は4位、カイル・ブッシュが6位、デニー・ハムリンが9位となりました。
 
 ステージ2でもトゥルーエクス・Jr.がトヨタ勢をリードしましたが、終盤のコーション時、ピット作業で手間取りポジションダウン。ステージ2はカイル・ブッシュが3位、デニー・ハムリンが5位、スアレツが10位、トゥルーエクス・Jr.は13位となりました。

4位、5位フィニッシュを果たしたデニー・ハムリン(11号車カムリ)とマーティン・トゥルーエクス・Jr.(78号車カムリ)
 


 ステージ3は、途中で軽い雨が落ちてきたこともあり、各車ピットインタイミングなどを考慮しながらの戦略戦となりました。
 
 ステージ3の155周という周回数は、燃費やタイヤの摩耗から考えて、通常は間に3回のピットインを入れますが、イエローコーションが出ない展開となったこともあり、燃費戦の得意なハムリンは、ペースを抑えて燃費を伸ばし、2回のピットストップで最後まで走り切る作戦に。
 
 その後降雨はなく、レースは最後まで続行。大半の上位勢が残り40周あたりで3度目のグリーンフラッグピットを終えると、ハムリンは首位に立ちましたが、残り30周を切ったところでエンジンブロー車両によりイエローコーション発生。


 これで全車最後のスティントへ向けピットイン、仕切り直しとなり、ハムリンの燃費作戦は奏功せず。それでもハムリンは再スタート後の激しいバトルの末にトヨタ勢最上位の4位でチェッカー。トゥルーエクス・Jr.も5位に入り、トヨタ・カムリは2台がトップ5フィニッシュ。カイル・ブッシュも7位でチェッカーを受けました。


 次戦第3戦は3月4日(日)、米国西部ネバダ州ラスベガスのラスベガス・モーター・スピードウェイで行われます。


*コンペティション・コーション:レース前の降雨などで路面コンディションが変化した場合、タイヤの摩耗などをチェックするために主催側でスタート後一定周回後に予定して出されるコーション。


ドライバーコメント:デニー・ハムリン


「ロングランでのペースが良かったので、なるべくコース上に残り、ピットストップを減らす作戦を採りました。最後は狙い通りとは行きませんでしたが、我々のチームに取っては良い一日となりました。次戦ではどれだけ改善が進んでいるか楽しみです」



NASCAR XFINITY SERIES
第2戦 Rinnai 250

開催日:2月24日


ルーキーのクリストファー・ベルが3位フィニッシュ


 2月24日(土)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第2戦『Rinnai 250』がアトランタ・モーター・スピードウェイで開催されました。


 今大会は、24日(土)の一日に、エクスフィニティ・シリーズとトラック・シリーズの両レースがダブルヘッダーで行われるという変則的な開催で、ほかのチームがカップ・シリーズのトップドライバーがエクスフィニティと掛け持ち参戦するなか、トヨタ勢はシリーズ6戦目の20歳、カイル・ベンジャミンと昨年のトラック・シリーズチャンピオンで今季はエクスフィニティ・シリーズへステップアップしてフル参戦する23歳、クリストファー・ベル、そして今季よりトヨタへ移籍した21歳のブランドン・ジョーンズという若手主体の体制で臨みました。


 午後2時19分、1.54マイルオーバルを40周、40周、83周の3ステージ合計163周(251.02マイル:約400km)して競われる決勝レースがスタート。ポールポジションを獲得したベルは、スタートでかわされたものの4周目に首位奪還。その後も首位争いを繰り広げ、ステージ1を2位で終えました。ベンジャミンが6位。
 
 ステージ1を11位で終えたブランドン・ジョーンズは、ステージ2の55周目に壁にヒット。周回遅れとなってしまいました。その後、レースはイエローコーションが出ないまま続き、ステージ2もベルは2位で終えました。
 
 ベルはステージ3もカップ・シリーズのトップドライバー2人と首位争いを繰り広げ、エクスフィニティ・シリーズのレギュラードライバーでは最上位となる3位でフィニッシュ。
 
 ベンジャミンも8位に入り、初めてレースを戦った難コースでトップ10フィニッシュを果たしました。次戦第3戦は3月3日(土)、ラスベガス・モーター・スピードウェイで行われます。

ルーキーながらシリーズレギュラードライバートップの3位でフィニッシュしたクリストファー・ベル


ドライバーコメント:クリストファー・ベル


「我々のトヨタ・カムリは速かったのですが、98号車フォードを駆るケヴィン・ハーヴィックフォードについて行くには充分ではありませんでした。終盤22号車フォードのジョーイ・ロガーノにかわされてしまいましたが、グリーンフラッグ下でのピットストップタイミングが早すぎたのかも知れません」


「どこにミスがあったのかはわかりませんが、チームは本当に素晴らしいトヨタ・カムリを用意してくれました。次週のラスベガスでは彼らを捕らえるべく挑戦します」



NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第2戦 Active Pest Control 200

開催日:2月24日


ブレット・モフィットが初勝利!
最終周の大逆転でトヨタ・タンドラワン・ツー・フィニッシュ


今季初勝利を飾ったブレット・モフィット

 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第2戦『Active Pest Control 200』が2月24日(土)にアトランタ・モーター・スピードウェイで開催されました。


 今大会は、エクスフィニティ・シリーズのレース直後にトラック・シリーズが行われるダブルヘッダー開催。エクスフィニティ・シリーズのチェッカーが振られてから僅か45分後の午後5時ちょうどに1.54マイルオーバルを40周、40周、50周の3ステージ合計130周(200.2マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタートしました。
 
 今大会は、まだ17歳のため規定により一周1.25マイル以上のレースに出場できないトッド・ギリランドに変わり、チームオーナーのカイル・ブッシュが出場。トラック・シリーズで通算49勝を挙げているカイル・ブッシュにとっては、記念すべき50勝目を目指しての参戦となりました。
 
 そのカイル・ブッシュがポールポジションを獲得しましたが、スタートで19歳のノア・グラッグソンがチームオーナーのカイル・ブッシュをかわして首位に浮上。そのまま一度も首位の座を譲らずステージ1を制しました。
 
 カイル・ブッシュは3位、10番手スタートから順調にポジションを上げたブレット・モフィットが4位、今季トラック・シリーズにデビューし2戦目の出場となる19歳のスペンサー・デイヴィスが10位に入りました。
 
 ステージ2は、スタートしてまもなく首位を奪還したカイル・ブッシュが逃げ切りトップチェッカー。モフィットが3位。グラッグソンは中盤のピット作業でタイヤが外れずタイムをロスし、5位。デイヴィスが7位となりました。
 
 ステージ3もスタートしてすぐに首位を奪ったカイル・ブッシュが支配しましたが、レースは残り6周でイエローコーション発生。全車ピットへ向かい、仕切り直しとなりましたが、ここでピットアウト直後にカイル・ブッシュの左後タイヤが脱落するアクシデント。カイル・ブッシュは勝利を目前にして大きく順位を落としてしまいました。
 
 レースは延長され、残り2周の“オーバータイム”で再スタートが切られると、2列目3番手のモフィットが絶好のダッシュでインをつき、首位に浮上。
 
 そのまま逃げ切って今季初勝利を飾りました。25歳と若手ながらカップ・シリーズでの参戦経験も持つモフィットにとってはトラック・シリーズ2勝目、そして今季より移籍した、元インディカードライバーの服部茂章氏がオーナーを務めるチームに初勝利をもたらすこととなりました。
 
 グラッグソンは9番手の再スタートから一気にジャンプアップを決め2位でフィニッシュ。トヨタ・タンドラの若手ドライバーがワン・ツー・フィニッシュを果たしました。


 次戦第3戦は3月2日(金)にラスベガス・モーター・スピードウェイで開催されます。

トップチェッカーを受けたブレット・モフィットの18号車トヨタ・タンドラ


ドライバーコメント:ブレット・モフィット


「クレイジーなフィニッシュでした。最後は完璧なタイミングで、完璧なポジションにつけられました」


「チームが本当に素晴らしいクルマを用意してくれたおかげで、勝機をつかむことができました。このチャンスを与えてくれたチームクルーとすべてのパートナーに感謝しています」



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