「荒れた路面は予想どおり」と平川亮。トヨタ「タイムを追い求めずに」テスト完了/WECプロローグ

2022年3月14日(月)13時57分 AUTOSPORT web

 アメリカ・フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで3月12・13日の2日間にわたって行われたWEC世界耐久選手権の公式テスト“プロローグ”において、トヨタGAZOO Racing(TGR)は、来る2022年開幕戦に向けた準備を進めた。開幕戦セブリング1000マイルレースは3月18日に決勝が行われる。


 2日間のプロローグテストでTGRは、ハイブリッド・モーターの駆動が可能になる車速が高められるなど、新たに設定されたBoP(性能調整)に合わせるべく、ラップタイムを追い求めずに、セブリング初走行となるGR010ハイブリッドのセットアップとデータ収集に専念した。


 1940年代の米軍飛行場跡地に造られたセブリングは、コンクリート舗装の荒れた路面で知られている。チームはこの独特なコースの攻略に向け、すぐにGR010ハイブリッドのサスペンションと空力のセッティングの最適化作業に取りかかった。


 走行初日は激しい嵐もあり、午前中のセッションは赤旗終了となったが、午後にはドライコンディションとなり、チームはセットアップとタイヤ評価の作業を行った。2日目は気温10度という寒さでセッションがスタートしたが、タイヤコンパウンドやメカニカルおよび空力セッティングの評価など、さまざまな作業を行った。


 セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮の駆る8号車GR010ハイブリッドは2日間のセッション合計で281周を走破。最速タイムは1分49秒101で、総合9番手につけた。


 ディフェンディングチャンピオンとして今季に臨むマイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペスの7号車は269周を走破し、1分49秒465で15番手となっている。


 2日間のテストにおいて、GR010ハイブリッドがセブリングでどのような挙動を示すのか理解するために必要なデータを収集できたTGRは、開幕戦に向け有意義な準備を行うことができた。

荒れた路面のセブリングを走るトヨタGR010ハイブリッド


 セブリングでの2日間のプロローグテストを終えた6人のTGRドライバーのコメントは、以下のとおり。


■「ライバルのペースの速さにちょっと驚いている」


■小林可夢偉(チーム代表兼7号車ドライバー)


「このプロローグは我々にとって重要なテストです。正しいバランスを見出すための作業を進めており、やるべきことはまだ沢山ありますが、まだ更なるセットアップ調整のための時間はあります」


「たとえ路面のバンプが激しかろうと、セブリングに戻れるのは最高です。シーズンの開幕はいつでもワクワクします。もちろん我々はディフェンディングチャンピオン、それも2年連続王者であり、今年も連覇を目指しベストを尽くします」


「我々7号車はドライバーラインナップこそ変わっていませんが、エンジニアや、その他チーム内でいくつかの変更があり、2022年シーズンを通して強化していく必要がありますが、なんとしてもやり遂げます」


■マイク・コンウェイ(7号車)


「クルマのスイートスポットを探り、ショートランとロングランでタイヤがどう働くのかを理解するための作業をハードにこなした。この2日間で多くのことを学び、有意義なテストになったと思う」


「現時点で我々は競争力の面で若干の遅れを取っているように見えるが、今のところは予定してきたプログラムをこなしているだけだ」


「セブリングに戻れるのはいつでもとても良い気分だし、ずっと楽しみにしてきた。我々の目標はチャンピオンの防衛であり、そのためにも良いスタートが切れることを期待している」


■ホセ・マリア・ロペス(7号車)


「新たな挑戦と新たな期待に満ちたシーズンのスタートを迎えることができ、とても良い気分だ。また、久しぶりにセブリングに来られたことも嬉しい。ここでのシーズン開幕は常に特別で、本当に楽しむことができる」


「ライバル勢のペースの速さにちょっと驚いているが、それもレースの一部だ。我々はただGR010ハイブリッドから最大のパフォーマンスを引き出すべくトライし、結果を待つだけだ。まだ始まったばかりだが、とても接近した戦いになりそうだ」

今季からチーム代表も兼ねている7号車の小林可夢偉


■セバスチャン・ブエミ(8号車)


「信頼性の確認という意味で、とても有意義な2日間だった。荒れた路面のサーキットなので、GR010ハイブリッドが対応できたことは良かった」


「ここではLMP2クラスの車両がとても速いので、優勝争いはとても厳しいものになるだろう。これからデータを分析して、可能な限り車両の改良を続けていく」


「正直なところ、ここまでの経過にはとても満足しており、あとは最適化など、レースウイークへの準備を進める。とにかく、またレースを戦うのがとても楽しみだ」


■ブレンドン・ハートレー(8号車)


「とても楽しい2日間だった。セブリングは昔ながらの個性を持つ素晴らしいコースだが、リスクも高いのでミスのないように走る必要がある」


「ここでGR010ハイブリッドを走らせると、生きていることを実感できる。ここまでのところ大きな問題は起きておらず、メカニカルなトラブルもなかった。とても順調に進んでいる」


「このまま戦略、メカニック、ピットストップ、そしてドライバーも全てが完璧にレースを戦って勝利を目指す。困難な挑戦になるだろうが、ベストを尽くす」


■平川亮(8号車)


「GR010ハイブリッドでのセブリング初走行ができて嬉しく思います。みんなから路面が荒れていると聞いていましたが、予想どおりでしたし、良い準備ができました」


「2日間のテストは順調で、ときどき天候に悩まされることもありましたが、GR010ハイブリッドについて多くの情報を得ることができました」


「TGR WECチームの一員としてのセブ、ブレンドンとともに戦う初のレースウイークが本当に楽しみです」

セブリングのコース下見を行う平川亮とブレンドン・ハートレー。中嶋一貴TGR-E副会長の姿も

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