【J1リーグ2023】湘南の鍵となるのは、町野へのサポートと攻撃の駆け引き

2023年3月14日(火)18時0分 FOOTBALL TRIBE

湘南ベルマーレ FW町野修斗 写真:Getty Images

2023明治安田生命J1リーグ第4節の全9試合が3月11〜12日に各地で行われ、湘南ベルマーレは12日、ホームのレモンガススタジアム平塚で京都サンガと対戦。最終スコア0-2で敗れた。


これにてここまで1勝2分1敗で、現在10位に位置する湘南。今季の目標として掲げている、J1リーグ5位以内でのフィニッシュを達成するために突き詰めるべきこととは何か。同試合を振り返り、この点について解説する。




湘南ベルマーレvs京都サンガ、先発メンバー

湘南VS京都:試合展開


試合は後半10分、京都のFW木下康介がDF白井康介の右サイドからのクロスに右足で合わせ、先制ゴールをゲット。同29分にはMF山田楓喜が自陣からの速攻を結実させ、京都に追加点をもたらした。後半に2失点を喫した湘南が、0-2で敗れている。


両軍とも相手のハイプレスを封じるべく、最終ラインやGKからのロングパスを多用する試合展開に。湘南はFW町野修斗にボールを集め、いくつかチャンスを作ったが、得点を奪うには至らなかった。




湘南ベルマーレ FW町野修斗 写真:Getty Images

FW町野が前線で孤立


京都がパトリックと木下の両長身FWへのロングパスを多用したため、湘南はかねてより得意とするハイプレスからの速攻を繰り出せず。必然的にセンターサークル付近や自陣で守備ブロックを敷く時間が長くなり、攻撃の開始地点も自陣後方となるケースが多かった。


湘南にとって痛手だったのは、第3節の川崎フロンターレ戦でFW大橋祐紀が負傷し、今節も欠場したこと。町野にロングパスが送られる度に同選手を追い越し、ヘディングパスの受け取りやこぼれ球の回収を狙っていた大橋を欠いたことで、湘南の町野を中心とする攻撃が機能不全に。平岡大陽と小野瀬康介の両MFのサポートもやや遅く、町野が最前線で孤立気味だった。


ロングパスからの攻撃ではないが、前半19分にはMF永木亮太からのパスを受けた町野が、すかさず敵陣ペナルティエリアへヒールパスを送る。町野を追い越し、ラストパスを受けたFWタリクが決定機を迎えている。これ以外にも、町野が前線でボールを収めていた場面はあっただけに、湘南としては同選手へのサポートをより手厚くしたいところだ。


湘南ベルマーレ MF永木亮太 写真:Getty Images

自陣後方からのパス回しにチャンス


開幕節より3センターバックの右を務め、パスワークの起点にもなっていたDF舘幸希の欠場も、湘南にとっては尾を引く形に。正確無比な縦パスのみならず、独力でボールを運べる同選手を欠いたことで、湘南の攻め手が最終ラインやGKソン・ボムグンからのロングパスに偏ってしまった。


湘南が次節以降も織り交ぜるべきは、今節の前半40分に見せた自陣後方からのパス回しだろう。ここでは基本布陣[5-3-2]の中盤の底を務めた永木が、自陣ペナルティアーク付近へ降りて自軍のパスワークを手助け。同選手が少ないタッチ数でボールを叩いたことで、基本布陣[4-1-2-3]の京都の3トップを釣り出すことに成功。これにより開いた京都の3トップと中盤の間で永木が再度ボールを受け、その後パスが平岡、小野瀬の順で繋がったことで湘南がチャンスを迎えている。湘南の攻撃がロングパス一辺倒になりかけていたなかで、京都としては意表を突かれる形となった。


湘南ベルマーレ MF小野瀬康介 写真:Getty Images

ハイプレスからの速攻という形を多く作れなかったのは湘南も京都も同じであり、互いにロングパスを蹴り合う膠着した試合展開であったことは確か。木下やパトリックへのロングパスを多用してきた京都に、自陣への撤退守備で対抗した湘南の選択も妥当なものであり、これは相手チームの出方に即して臨機応変に振る舞えるだけの力が、今の湘南の選手たちに身についていることの証と言える。


チーム全体としての成熟は感じられるだけに、今後は攻撃面での駆け引きに磨きをかけるべきだろう。町野へのロングパスと、自陣後方からのパス回しをバランス良く、相手の出方に即して織り交ぜられるか。この点が湘南の浮沈の鍵を握りそうだ。

FOOTBALL TRIBE

「湘南」をもっと詳しく

「湘南」のニュース

「湘南」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ