「モンスター級」の安定感 肩甲骨、重心の位置で“低い”スイングの古江彩佳【石井忍のスイングチェック】

2024年3月26日(火)12時30分 ALBA Net

古江彩佳のドライバースイングを解説する(撮影:福田文平)

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2024年の米国女子ツアーに挑戦している日本勢のドライバースイングをツアープロコーチの石井忍が解説。今回は古江彩佳のスイングを深掘りしていく。


古江は2019年に「富士通レディース」でツアー史上7人目のアマチュア優勝を果たしプロ転向を宣言。20年「デサントレディース東海クラシック」でプロ初勝利を挙げた。20-21年シーズンは6勝を挙げて賞金ランキング2位二入り、メルセデス最優秀選手賞を受賞した。同年に米国女子ツアーのQシリーズ(最終予選会)を7位で通過し、米国女子ツアーに主戦場を移している。

以降も安定感抜群の成績でいまやトップ選手の一人として活躍。そんな古江のスイングについて石井は「アドレス時に最初は狭いスタンスをとって両手の場所を決めてからそのままスッとスタンスを広げていく。ここで方向の(アライメントの)ミスが起きない」と出だしの動きから絶賛する。

石井がとくに目を光らせて見るのは、アドレスをとったときの肩甲骨の位置と脱力感だ。

「ずっと肩甲骨の位置が低いですよね。大体、力が入ってくると肩甲骨が上がって、(アドレス時に)腕が内旋してしまいます。力が抜けることで両腕が外旋した状態を維持できるようになる。古江さんの場合、肩甲骨の位置が低くて力が入っていない。なので、いい意味でヒジに脱力感があります。肩甲骨の位置が“カチッ”と、しっかりパッキングされています」

体に力が入ると肩が丸くなり姿勢が悪くなる。これを肩甲骨が上がった状態という。そうするとアドレス時に腕の向きが内側に向きやすくなる。古江の場合は肩甲骨が上がらず、低い位置のままで寄せることができているおかげで力まないスイングにつながっている。

さらに「アドレスもそうですが、スイング中の重心がとても低くていいですよね。だから上下動があまりない」と、古江のスイングは肩甲骨の位置と重心の位置が“低い”ことで安定したスイングが実現されているという。「これがモンスター級の安定するスイング」と話す。

今季米ツアーには6試合出場しており、開幕戦から2戦連続4位タイと好スタートを切っている。アジアシリーズ最終戦の「ブルーベイLPGA」は3位。現在(3月26日時点)、女子世界ランキングでは21位に位置し、年間ポイントレースでも未勝利ながら3位。米ツアー通算2勝目を狙って今シーズンを戦っている。

■石井忍(いしい・しのぶ)1974年生まれ、千葉県出身。東京学館浦安高等学校、日本大学のゴルフ部で腕を磨き、98年プロテスト合格。2010年にツアープロコーチとして活動を始め、多くの男女ツアープロを指導。また「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアへの指導にも力を入れている。


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