思わぬ事態に発展した大谷翔平の「コメント」 1号球騒動で再び浮き彫りになった水原氏の裏切りが生んだ“代償”

2024年4月5日(金)17時0分 ココカラネクスト

右中間スタンドに叩き込んだ大谷の一発が波紋を広げている。(C)Getty Images

 ロサンゼルスに歓喜をもたらした一発が、思わぬ騒動に発展した。

 キッカケとなったのは、現地時間4月3日に行われたジャイアンツ戦で、大谷翔平が放ったドジャース移籍後第1号だ。

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 打った瞬間にそれと分かる一発に、球場全体が熱狂の坩堝と化した。大谷が40打席ノーアーチと苦しみ抜いた末に放ったそれは日本でも大きなトピックとなったわけだが、記念すべきホームランボールを巡って“トラブル”が生じた。

 というのも、1号球をキャッチしていたアンバー・ローマンさんは、米メディア『The Athletic』の取材でドジャースの球団職員から「少し圧力を感じた」と主張。「オオタニや球団からもう少し温かく接してもらえると思っていた」とも論じ、半ば強引にボールを回収されてしまったという。

 もっとも、「ボールを持ち帰るつもりだった」というローマンさんも大谷から提供された全てサイン入りのバット1本、キャップ2個、ボール1個の道具を獲得。X(旧Twitter)では「思ってもいませんでした」と喜ぶ本人の様子が確認されている。

 にもかかわらず、彼女とドジャースの交渉が「大騒動」へと発展した一因は、少なからずだが、大谷のコメントにもあった。

 日米をはじめとした各国メディアが集った試合後の囲み取材の場で大谷は記念球について「戻ってファンの人と話して、頂けるということだったので」と日本語で回答。これを通訳のウィル・アイアトンさんは「I was able to talk to the fan(ファンと話すことができた). And I was able to get it back(ボールを取り戻すことができた).」と英訳した。

 この時に大谷は、誰とどういう会話をしたのかなどの詳細な状況説明をしなかった。ゆえにアイアトン通訳のわずかにニュアンスの異なった英訳を、『The Athletic』のサム・ブラム記者はローマンさんにそのままぶつけ、「オオタニとは会わせてもらってもいない」という回答を得るに至り、ハレーションが広がった。

 一連の騒動は異なる言語を訳す作業の難しさを物語っていると言えるかもしれない。大谷とアイアトン通訳の間で生じたニュアンスの違いについては、米メディアでも指摘されている。

 米スポーツ専門局『CBS Sports』は「ほとんど違いのないような違いだが、言葉を訳す過程で生じた問題だと考えると興味深い」と指摘。違法賭博に関与し、大谷の資金を盗用した疑いで3月20日にドジャースから解雇となっていた水原一平氏の存在を引き合いに出し、こう論じている。

「アイアトン氏がオオタニの言葉を訳すのは今シーズンが初めてだ。なぜならオオタニは自身も巻き込こまれたイッペイ・ミズハラの賭博スキャンダルの渦中にいるからだ。もはやこうした現状はオオタニがフィールドで何をするかということ以上に、彼を語るうえで必要な背景である」

 世界的な知名度を誇るドジャースでの大谷への関心度はエンゼルス時代とは大きく異なる。今回のような何気ない振る舞いですらも現地を騒がせるニュースとなる。そうした余計な喧騒を避けるという意味でも、やはり“盟友”と称されるほどの関係性を築いていた水原氏が犯した“裏切り行為”の代償は、まだ影響を及ぼしそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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