大谷翔平は適応できるか 大投手カーショウも指摘したスキャンダルが生んだ“異様な環境”「あれは狂ってる。彼に罪はない」

2024年4月5日(金)18時0分 ココカラネクスト

ドジャース移籍後、注目を浴びない日はない大谷。(C)Getty Images

 球界屈指の人気球団に、「史上最高額」で迎え入れられた影響はもはや計り知れない。昨年12月にドジャースと10年総額7億ドル(約1015億円)の超巨額契約を締結した大谷翔平だ。

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 プロスポーツ史上でも最高額となった契約により、大谷は春先のキャンプイン前からファンやメディアから特大の期待を集めてきた。一方で彼に対する人々の関心は沸騰。一挙手一投足があらぬ喧騒や論争を生んでいる傾向も強まっている。

 スーパースターだからこその難しい立場が顕著に浮かび上がったのが、2018年から専属通訳を務めてきた水原一平氏が違法賭博に関与していたという一大スキャンダルだ。

 文字通り世界を騒然とさせた。同問題は、かねてからギャンブルにのめりこんでいたという水原氏が大谷翔平名義の口座から違法賭博の胴元に、少なくとも450万ドル(約6億8000万円)もの巨額資金を送金。これについて水原氏が、大谷自身が口座にアクセスし、借金を肩代わりしたと米スポーツ専門局『ESPN』のインタビューで告白し、二刀流スターも“渦中の身”となった。

 水原氏の証言について大谷は先月25日に開いた声明発表会見で「彼(水原氏)の借金返済に同意していませんし、ブックメーカーに対して送金をしてくれと頼んだことも、許可したことももちろんない」と釈明。さらに「彼に嘘をつかれていたと初めて知り、ドジャースの皆さんと、弁護士に連絡した」と赤裸々に明かした。

 同会見は異例だった。大谷は「話せないこともある」と説明したが、やや動揺した素振りを見せながら、彼が語った言葉の数々は明らかに一介の野球選手がするべき範疇を超えているようにも見えた。

 事態が事態だけに必然ではあった。ただ、常に「野球に集中したい」とプレーにフォーカスできる環境を求めてきた彼にとって、現状が芳しいものではないのは間違いない。

 スター軍団を長年牽引してきたドジャースの重鎮投手も、大谷の立場を慮る。MLB通算210勝のレジェンド左腕であるクレイトン・カーショウは、現地時間4月1日のカージナルス戦を中継した米スポーツ専門局『Sports Net LA』のインタビューで「ショウヘイの件で、チームや彼を取り巻く環境について聞かせてほしい。報道のせいで環境は変わったかい?」と問われ、こう言葉を紡いでいる。

「開幕戦の日は凄まじかった。こっそり抜け出そうとしたんだけど、冗談なんかじゃなくロッカールームから廊下の端までメディアの人間で一杯だった。正直に言って、『こんなの見たことない。狂ってるよ』って思ったよ(笑)。僕はこれがショウヘイがいかにスター選手であるかの証明だと思うんだ。たしかにあの問題や報道の喧騒で環境は変わった。でも、ショウヘイは上手く適応しようとしているし、彼自身に罪はない」

 おそらく今後もあらゆる喧騒は続く。そうしたなかで「メンタルを言い訳にはしたくはない。そこも技術だと思ってます」と語る偉才に求められるのは、いち早い適応か。

 とはいえ、日々味方のサポートを受けながら、淡々と試行錯誤を重ねながら徐々に結果も残し始めている。そんな大谷が完全にドジャースに馴染んだ時にどのように真価を発揮するかは実に興味深い。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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