プレミア勢対決はCL史上12度目 最多直接対決カードは?歴史に残る名場面も

4月8日(月)18時2分 サッカーキング

皆さんの記憶に残る試合は? [写真]=Getty Images

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 今シーズンのチャンピオンズリーグは、トッテナム、マンチェスター・C、リヴァプール、マンチェスター・Uと、イングランドから出場している4クラブがすべてベスト8に進出し、準々決勝ではトッテナム対シティの同国対決が組まれている。8強のうち4枠がプレミア勢で占められるのは、08−09シーズン以来、実に10年ぶりのこと。そして、イングランド勢が欧州の舞台を席巻していた00年代はイングランド勢同士の対決カードも頻繁に実現していた。ここでは、その歴史を振り返ってみよう。

■リヴァプールvsチェルシーは5年連続で激突

 2次リーグ制が廃止され、ノックアウトステージがベスト16からの現行体制になった03−04シーズン以降で、イングランド勢対決が決勝トーナメントで実現したケースは『11回』ある。まずは03−04に、準々決勝でチェルシーとアーセナルが激突している。ティエリ・アンリやパトリック・ヴィエラ、デニス・ベルカンプらを擁したこのシーズンのアーセナルは、プレミアリーグで無敗優勝を成し遂げた伝説のチームだったが、CLでの対決を制したのはリーグ2位のチェルシーだった。第1戦を1−1のドローで迎えた旧ハイバリー・スタジアムでのセカンドレグ、ホセ・アントニオ・レジェスのゴールでアーセナルが先制したものの、チェルシーがフランク・ランパード、ウェイン・ブリッジのゴールで逆転勝ちを収めた。

 続く04−05は、リヴァプールがミランとの決勝で「イスタンブールの奇跡」を成し遂げた、後世に語り継がれるシーズンだった。この年は16強にアーセナル、リヴァプール、チェルシー、ユナイテッドのプレミア全4チームが進出しており、リヴァプールは準決勝でチェルシーと対戦。リヴァプールが2試合トータル1−0で勝利するが、アンフィールドでの第2戦でルイス・ガルシアが決めた決勝点が物議を醸した。当時リヴァプールの10番を背負ったL・ガルシアのシュートはゴールライン上でチェルシーのDFウィリアム・ギャラスがクリアしたかに見えたが、主審の判定はゴールだった。これに当時チェルシーを率いていたジョゼ・モウリーニョ監督は「ゴーストゴールだ」と激怒。まだゴールライン・テクノロジーやVARがない時代だったからこそ大きな話題を呼んだシーンだった。

 リヴァプールとチェルシーは、その04−05から、なんと5シーズン連続でCLの舞台で激突することに(05-06はグループステージで対戦)。中でも名勝負として語り草になっているのは、07−08シーズンの準決勝だろう。第1戦はアンフィールドで1−1のドローに終わり、勝負はスタンフォード・ブリッジでの第2戦へ。この試合も1−1で延長戦に突入すると、98分にランパードがPKを決めてチェルシーが勝ち越しに成功。ランパードは試合の直前に最愛の母を亡くしており、精神状態を考えれば出場さえも危ぶまれた状況だったが、チームのためにとピッチに立ち、重要なゴールを決めて勝利に貢献した。ゴールセレブレーションで目に涙を浮かべて天に両手をかざした姿は見る者の心を大いに打った。CLの歴史に残る名シーンだ。

 なお、この07−08シーズンは、イングランド勢対決が3度実現。準々決勝でリヴァプールがアーセナルに勝利し、そのリヴァプールを準決勝で下したチェルシーは、クラブ史上初めてのファイナル進出を果たし、マンチェスター・Uと対戦。モスクワのルジニキ・スタジアムで行われた決勝はクリスティアーノ・ロナウドのゴールでユナイテッドが先制したが、前半終了間際にランパードのゴールでチェルシーが追いつき、一進一退のまま試合は延長戦、そしてPK戦へともつれ込んだ。雨中のPK戦では、チェルシーの5人目だったジョン・テリーが決めれば優勝のキックで軸足を滑らせてしまい、まさかの失敗。最後は7人目だったニコラ・アネルカのキックをGKエドウィン・ファン・デル・サールがストップし、ユナイテッドが優勝を飾ったのだった。

 続く08−09シーズンもイングランド勢は8強に4チーム、そして4強に3チームを送り込んでおり、準々決勝ではチェルシーがリヴァプールを2戦合計7−5で下した他、準決勝ではユナイテッドがアーセナルを4−1で破って決勝進出を果たしている。同じくユナイテッドは10−11の準々決勝でもチェルシーとの同国対決を制して決勝まで勝ち進んだものの、09年、11年といずれもファイナルではバルセロナの壁を超えられず準優勝に終わっている。なお、今シーズンの準々決勝では10−11の決勝以来となるバルサとの再戦を引いたユナイテッドだが、当時の雪辱を晴らせるか。

■久々の直接対決は昨シーズンの…

 2010年代になると、スペイン勢やドイツ勢の台頭とともにイングランド勢の勢いに陰りが見え始め、プレミアのチームによる同国対決もすっかり見なくなった。そんな中で久々にイングランド対決が実現したのが、昨シーズンのこと。17−18シーズン準々決勝で、リヴァプールとCLでは2010年代以降の新興勢力であるマンチェスター・Cが激突した。

 ペップ・グアルディオラとユルゲン・クロップというドイツ時代からのライバル監督対決としても話題になったこの対決では、クロップのヘビメタ・フットボールが炸裂する。得意のゲーゲンプレッシングでシティのポゼッションサッカーを文字通り“破壊”したリヴァプールは、モハメド・サラー、アレックス・オックスレイド・チェンバレン、サディオ・マネのゴールでアンフィールドでの第1戦を3−0と制した。続く第2戦も開始早々にガブリエル・ジェズスに先制を許したものの後半にサラー、ロベルト・フィルミーノのゴールで逆転し、2試合トータル5−1とそのシーズンのプレミア王者になるシティを圧倒。勢いそのままにレアル・マドリードとの決勝まで勝ち進んだ。

 そして今シーズン、シティは2年連続で同国対決のくじを引いた。トッテナムとはヨーロッパの舞台では初めて対戦することになるが、過去4戦4敗と欧州カップ戦での同国対決に勝ったことがないという負の歴史が、さらに直近のシーズンでリヴァプールに敗退へと追い込まれたトラウマが、どれほど影響するのか。ただし、ペップはクロップのチームこそ苦手としているが、マウリシオ・ポチェッティーノのチーム相手には目下3連勝中、過去5試合で3勝1分1敗と好成績を残しており、不安はまったくないはずだ。昨シーズンのプレミアリーグではホームで4−1、アウェーで3−1と勝利して完璧なダブルを飾っており、ウェンブリーで行われた今シーズン最初の対戦でも、リヤド・マフレズのゴールで1−0と接戦をモノにしている。逆にペップのチームに対して苦手意識を持っているのはスパーズの方だろう。

 カギになりそうなのは、トッテナムのホームで行われる第1戦か。この試合は、4月3日のプレミアリーグ、クリスタル・パレス戦でようやくお披露目となった新スタジアムで初めての欧州カップ戦となる。およそ6万人の大歓声は心強いが、スタジアム移転直後のチームは、えてしてピッチや環境に慣れるまで時間がかかるもので、今回のスパーズの場合も新本拠地でのプレーが吉凶どちらに転ぶかはわからない。“新スタジアムブースト”で第1戦を取れれば面白いが、今シーズンCLのアウェーゲームで3勝1分と未だ負けなしのシティがこの難所を乗り越えるようなら、リーグでの力関係と同じようにシティが15−16シーズン以来のベスト4進出を決めるだろう。

 いずれにせよ、プレミアリーグのファンにとってはこのスパーズ対シティ、さらにその先の準決勝や決勝にも待っているかもしれない同国対決は絶対に見逃せない。リーグ戦とはまた違う強度や盛り上がりを見せてくれるCLナイトゲームでのプレミア勢対決は、必見である。

文=寺沢薫

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