31号車TOYOTA PRIUS apr GT スーパーGT第1戦岡山 レースレポート

2018年4月13日(金)10時26分 AUTOSPORT web

2018 AUTOBACS SUPER GT ROUND 1 岡山国際サーキット
開催地:岡山国際サーキット(岡山県)/3.7031km
4月7日(予選)
天候:曇りのち雨/コースコンディション:ドライ〜ウエット
観客数:10,700人


4月8日(決勝)
天候:晴れ/コースコンディション:ドライ
観客数:17,700人


嵯峨宏紀と平手晃平の新コンビ結成! 序盤にトップ争い繰り広げるも、無念のリタイアに


 全8戦で争われるスーパーGTシリーズの開幕戦、『OKAYAMA GT 300km RACE』が岡山国際サーキットで開催された。今年もaprは2台のトヨタプリウス ZVW51を走らせ、#31 TOYOTA PRIUS apr GTを嵯峨宏紀選手と平手晃平選手に託すこととなった。
 
 嵯峨選手の新たなパートナーとなる平手選手であるが、細かい紹介は無用だろう。2013年と16年にGT500でチャンピオンを獲得し、通算6勝をマーク。またスーパーGTデビューイヤーの2008年にはGT300をaprで戦っていたドライバーだけに、復帰を果たした格好になる。
 
 開幕戦の舞台となる岡山国際サーキットは、中低速コーナーの多いテクニカルコースで、オフに行われた公式テストではプリウスのようなJAF-GTが、FIA-GT3よりマッチしていた印象が強い。
 
 ただ、ひとつ厄介ごとは、ここ数年この時期の岡山国際サーキットは、目まぐるしく天候が変化すること。そのため、コンディションに対する合わせ込みが重視された。公式練習4月7日(土)9:00〜10:35初めてコンビを組む嵯峨選手と平手選手であるが、コミュニケーションはすでに問題なし。嵯峨選手は平手選手の豊富なレース経験と実績を、そして平手選手は嵯峨選手のプリウスの経験とノウハウを、お互い認め、かつ尊重し合っている。まさにWエース的なコンビの結成と言えるだろう。
 
 土曜日早朝の公式練習は、金曜日の雨が一部の路面をまだ濡らしたままだったが、ドライタイヤでの走行開始となった。最初に#31 TOYOTA PRIUS apr GTをドライブしたのは嵯峨選手で、30分を経過して間もなく赤旗が出されるも、大きな影響を与えられることなく、順調に周回とセットアップが進められていく。
 
 そして、1分26秒816をマークして、その時点での7番手につけたところで平手選手にバトンタッチ。残り20分間をすべて託す予定となっていた。わずか3周の計測で平手選手は1分26秒779をマークして、GT300単独のセッションでさらなるタイムアップの期待がかかるが、その直前に雨が降り出し、瞬く間にコースを完全に濡らしてしまう。
 
 最終チェックができなかったのが惜しまれるものの10番手につけ、まずまずの立ち上がりとなった直後のサーキットサファリには嵯峨選手、平手選手の順で走行し、ここでは念のため、ウエットコンディションでのチェックも行われた。

#31 TOYOTA PRIUS apr GT


公式予選Q1
4月7日(度)14:45〜15:00


 公式予選のQ1を担当したのは嵯峨選手。開始直前にポツリポツリと来たものの、それは一瞬のこと。もちろんドライタイヤを装着してのアタックとなった。気温は9度、路面温度は15度と、公式練習よりは多少上がっていたとはいえ、想定よりは圧倒的に低め。そのため、ウォームアップは極めて入念に行われ、アタックは5周目から行われることとなった。
 
 しっかり熱の入ったタイヤで嵯峨選手はコースを激しく攻め立て、まずは1分26秒901をマーク、次の周には25秒770にまで短縮を果たし、いったんここでクールダウン。ラストアタックに討って出るも、惜しくもタイムアップならず。それでも嵯峨選手は5番手につけて、Q1突破に成功する。


公式予選Q2
4月8日(土)15:30〜15:40


 従来は12分間の計測だったQ2だが、今年は10分間に短縮。GT500でよく見られる、序盤の待機をなくしてスペクタル性をより高めようという配慮による。だが、そんな待機など、まったく不要な状況となってしまう。というのも、Q1とQ2の短いインターバルに、またもや強い雨が降ってきたからだ。
 
 選択可能なウエットタイヤのうち、最も柔らかいタイプで挑んだ平手選手は、早々にアタックを開始。まずは1分36秒691を記し、次の周はセクター1、2で自己ベストを記録するも、マイクナイトコーナーから最終コーナーにかけて引っかかってしまい、1分36秒100に留まってしまう。
 
 それでもラストアタックで1分35秒543にまで短縮を果たす。その結果#31 TOYOTA PRIUS apr GTは、決勝レースに7番手から挑むことが決定した。


嵯峨宏紀選手


「Q1は、自分でも良くできたと思います。これ以上のタイムアップはちょっと無理と思えるほどプッシュしノーミスでした。今年になって晃平選手と組めることになり僕自身もすごく刺激になっており相乗効果がQ1の結果だと思います。それにしても気持ちよくアタックできたので、明日の決勝も気持ちよく終わらせたい」


平手晃平選手


「一番柔らかいレインタイヤでアタックしましたが、思いのほか雨は降ってこず乾き方向の路面ではブロックが動いて大変でした。オフシーズンにたくさんドライビングさせていただいたのでPRIUSの挙動は、完全に把握しましたので、そのなかで1周のチャンスを使い出したのがQ2でした。この場で戦える環境を下さった皆さまに心から感謝しております」


金曽裕人監督


「裏を読み、この低温路面と雨を味方にしてQ2は誰も履いていない一番柔らかいレインタイヤを装着。もしも、雨が強くなった場合、晃平GT300復帰でポールポジション! さすが晃平!! の可能性があったのでチャレンジしたのは自分です」


「ですが、そんなにうまい話はなく、苦戦させてしまったのも自分です。この後、『攻める姿勢こそレースだ!』と嵯峨選手をなだめる予定です。明日は、その攻める姿勢で悔いなきレースを致しますのでご期待ください」


決勝レース(82周)
4月8日(日)14:40〜


 今年も日曜日最初の走行は、スタート進行と同時に開始される20分間のウォームアップから。決勝レースのスタートを担当する嵯峨選手が最初に#31 TOYOTA PRIUS apr GTをドライブし、ラスト3分間はドライバー交代の練習を行った後、平手選手がチェッカーまで走行した。
 
 嵯峨選手は1分27秒554を、そして平手選手は1分27秒609をマークし、上々の滑り出しを見せる。気になるのは、気温が11度、路面温度が24度と、レースウィークで最も高くなっていたこと。それでも当初の予想よりは低いが、ウォームアップのタイムからすると、しっかり合わせ込めたのは明らかだ。
 
 7番手から激しい追い上げが期待できそう。嵯峨選手はオープニングラップで、ひとつ順位を落としてしまったものの、トップは十分見えるうち。5周目には1台をかわして、予選順位に戻す。そして、10周を過ぎたあたりから、いよいよ本領発揮。12周目、13周目に1台ずつ抜いて4番手に浮上し、トップ争いにも加わることとなる。
 
 21周目には3番手に上がり、なおも続くオーバーテイクショー。22周目に2番手につけた勢いそのままに、今度はトップにも迫っていく。激しいトップ争いが、5周にわたって続いたのだが……。
 
 30周目のWヘアピン出口でトップ浮上を狙うも、接触が。幸い外から見る印象ではダメージは少ない。再度チャージしてくれることが期待された。ところが、次の周に突然#31 TOYOTA PRIUS apr GTはスローダウン。駆動系のトラブルに見舞われ、ピットに戻ってリタイアを余儀なくされることとなった。
 
 期待は一気に落胆へ。しかし、優勝を狙えるパフォーマンスを、この開幕戦では大いに見せつけることとなった。次回のレースは5月3〜4日に富士スピードウェイで開催される。#31 TOYOTA PRIUS apr GTは、表彰台の頂点を目指していく。


嵯峨宏紀選手


「残念ながらリアの駆動系トラブルによりリタイアとなってしまいました、、、通常壊れない部分なだけに運が無かったとしか言えない。トップ争いもできたし、なかなか面白い展開だっただけに残念でしたが次につながるレースだったと思います。富士のレースが楽しみです、ご期待ください」


平手晃平選手


「レースを戦うことができず残念でしたが、シーズンが終わったわけではない。#31 TOYOTA PRIUS apr GTのパッケージは最強だと思います。最終戦のチェッカー後に、スポンサーの皆さま、ファンの皆さま、チームの皆さま、関係者の皆さまと最高の笑顔で喜べるように、前に前に、自分自身も進みますので次戦もどうぞご声援宜しくお願いいたします」


金曽裕人監督


「4輪タイヤ交換時に、駆動系にトラブルが発覚し修復不能からリタイアとなりました。どのサイクルで、なぜその場所が壊れたのかが今は分析できていないのが正直なところ」


「皆さまからの期待、ドライバーふたりの最高のパフォーマンスにマシンが音を上げてしまいました。再発防止のためにも、最善を尽くすことをお約束いたします。ご期待に応えられず、悲しい気持ちにさせ申し訳ございませんでした。次戦富士でその何倍もの喜びをお返し致しますので応援のほどよろしくお願いいたします」


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