羽生結弦の写真がボストン美術館で展示されたワケ、ファン魂は国境を越えた

2023年4月14日(金)6時0分 ココカラネクスト

羽生さんは競技引退後も世界に影響を与え続けている。(C)Getty Images

 ボストン美術館になぜ羽生結弦さんの写真が−。

 同美術館の公式ツイッターによる第一報に、ファンがざわついたのも無理はありません。

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 スポーツ紙のデスクは言います。

「同美術館の学芸員であるサラさんの羽生ファン仲間が、蜷川実花さんによる羽生さんの写真と、葛飾北斎の作品『神奈川沖浪裏』、いわゆる『大波』を比較していたことから、サラさんはこの写真を北斎展に展示したいと思ったそうなんです」

 同美術館の公式ツイッターはこうツイートしました。

「スーパースターの羽生さんは、力強さと美しさを兼ね備えているフィギュア界のスケーターで有名です。北斎の作品にもその特性は見いだせます。この写真の角度とポーズは、『大波』の構図に似ている。これは偶然かもしれませんし、そうではないかもしれません」

 前述のデスクが続けます。

「今回のそもそもの発端は、由緒あるボストン美術館の学芸員に、尋常ならざる情熱を持った羽生ファンがいたということでしょう。サラさんの興味、関心と仕事としてのやるべきことが合致した。羽生さんの写真をアートとして捉え、それを自らの仕事の領域に引き込んでしまう愛には、ファンの熱は国境を越えるのだなと感心してしまいますね」

 その結果、日本国内の羽生ファンからサラさんの元へ感謝や連帯のメッセージが多数送られていることも、見逃せない事象と言えます。

「世界平和というのは政治家だけの仕事ではないんです。何かを好きになったり愛することに国境は関係ない。歴史と伝統のある美術館で、サラさんが動いたことにこれほどの反響があるとなれば、サラさんの上司や同僚の耳にも入るはずです。そうやって相互理解が進んでいけば、プライスレスな価値が生み出されることになる。羽生さんの魅力がワールドワイドに伝わっていることは、日本人としても誇らしく思います」(前述のデスク)

 サラさんのこのコメントも、なかなかしびれるものでした。

「アメリカの美術館で働いている羽生ファンは、間違いなく私一人ではないのです」

 海を越えた羽生ファン同士の連帯。それがスポーツという分野にとどまることなく、「アート」という領域で交わされたことは、なかなか興味深い事象だと思わざるを得ません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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