ロッテ「サンデー晋吾」の長女が神宮で初の場内アナウンス 立大小野馨子マネジャー「いつか父の前で」

2024年4月20日(土)22時55分 スポーツニッポン

 ◇東京六大学野球春季リーグ戦第2週第1日1回戦 立大1—0法大(2024年4月20日 神宮)

 立大が7回に先制した1点を守り抜き、緊迫の投手戦を制した。この試合で、ロッテ・小野晋吾投手コーチ(49)の長女である立大・馨子(けいこ)マネジャー(3年)がリーグ戦の場内アナウンスデビューを果たした。

 2時間9分の接戦を声で彩り、試合終了時には「この試合は1—0で立教大学が勝ちました」と自チームの勝利をスタジアムに響かせた。「最後までドキドキの試合でした。神宮は目指してきた場所だったので特別。アナウンスができて幸せでした」と振り返った。

 ロッテで通算85勝、00年には日曜日に9連勝したことから「サンデー晋吾」と呼ばれた父の影響もあり、小さい頃から「野球部のマネジャーになりたかった」。だが、女子聖学院中学、女子聖学院高校ともに野球部がなかった。それでも中学、高校ともに生徒会長を務め、リーダーシップに磨きをかけた。そして「野球部のマネジャーになるために」と3学年上の兄に続いて立大へ進学した。

 苦難の末に果たした入部だった。入学とともにマネジャーとして東京六大学野球連盟に所属する立大野球部への入部を希望するも、その年「2枠」だった新規マネジャーの定員に入ることができなかった。気持ちを切り替え、他の部活、サークルの新歓活動に参加したが、野球部のグラウンドが目に入る度に「どうしても野球部に入りたい」と諦めきれなかった。

 心が晴れることなく、迎えた1年の7月。鋭いシュートで打者の内角を突いた父の血を受け継ぐかのように、真っ向勝負した。当時の野球部・溝口智成監督を駐車場で待ち、野球にかける熱い気持ちを記した手紙を渡した。当初は「結果は変わらない」と言われたが、2回の面接の機会を与えられ「野球部のために立教に入った」と本気度を直訴。溝口監督に熱意は伝わり、念願の入部を果たした。

 立大で迎えた3度目の春、ついに日本最古の歴史を持つ東京六大学野球のリーグ戦で場内アナウンスの大役を任された。「プレーボール」から「ゲームセット」まで緊張の連続の中、職務を全うした。「とっても緊張したんですけど、最後までやりきったので自己採点は80点くらい。もう少し上手くできるかなって思う。あと20点を目指したい。いつか父にもアナウンスを聞いてもらえたらうれしいです」と小野マネジャー。次に担当する5月11日の土曜日、ロッテの1軍投手コーチを務める父は北海道のエスコンフィールドにいる。それでも、いつかきっと野球の神様が、願いをかなえるだろう。(柳内 遼平)

 ◇小野 馨子(おの・けいこ)2003年(平15)7月22日生まれ、東京都荒川区出身の20歳。女子聖学院中学、女子聖学院高校では生徒会長を務める。立大では観光学部交流文化学科に所属。1年の7月から野球部にマネジャーとして入部。好きな野球選手はロッテ・種市。尊敬する人は父のロッテ・小野晋吾投手コーチ。趣味はサウナ、旅行。目標は「チームの力になる」。

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