阪神・近本が焦らない理由 状態悪化時の対処法を探るため、三半規管さえ狂わせようとする求道者
2024年4月28日(日)5時15分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 阪神5−4ヤクルト(2024年4月27日 甲子園)
【記者フリートーク】今年1月、鹿児島・沖永良部島での自主トレ中に、近本はある悩みに襲われた。「打撃の調子が良すぎる」。今年から同行した多田昌弘打撃投手の存在が大きく、バッティングの状態が早々に急上昇。近本は「おもしろくない。やることがなくなる」と、突如フリー打撃を止めた。
「どうすれば状態が崩れるか」。その場で1分ほど考え込み、わざと三半規管を狂わせるために前転・後転を繰り返したり、頭を振ったり…。でも崩れない。挙げ句、隣にいた個人トレーナーの仲林久善氏に「(体の)軸を崩してほしい」と頼んだほどだ。
状態が悪いときにどうアプローチをすべきか。この課題と新年早々から真剣に向き合ってきた。打率が2割中盤を行き来していても、一切焦りはない。 (阪神担当・八木 勇磨)