WRC:王者タナク、ヒュンダイ移籍の要因は代表の性格「何事もはっきりと話してくれる人物」

2020年5月13日(水)12時42分 AUTOSPORT web

 2019年のWRC世界ラリー選手権チャンピオンで2020年はヒュンダイに移籍したオット・タナクが現在の状況についてコメント。家族との時間を満喫していると明かしたほか、チームを移籍した要因のひとつも明かしている。


 タナクは2018年にTOYOTA GAZOO Racing WRTに加わると、移籍初年度からドライバーズチャンピオン争いを展開。トヨタ在籍2年目となった2019年はシーズン6勝を挙げて自身初、トヨタにとってはWRC復帰後初となるドライバーズタイトルをもたらした。


 しかし王座防衛がかかる2020年シーズンに向け、タナクはトヨタを離脱。ライバルチームのヒュンダイに移籍してシーズンを戦っている。


 そんなタナクはWRC公式サイトに対し、「ラリーはもちろん、ライバルとのバトルやサービスパークで顔を合わせる“ファミリー”が恋しい」と現在の心境を明かしている。


「ただ、その一方でしっかりとリラックスできてもいるんだ。なにより、人生で一番長いと言えるくらい家族との時間を持つことができている。これは今回の状況がもたらした数少ない歓迎すべき要素だよ」


「ライバルと争っているときに感じるプレッシャーが恋しいし、なにより自分の仕事が大好きで仕方ないんだ。チームのスタッフとは連絡を取っているけれど、やはり奇妙な感覚だ。こんなに長い休暇は初めてだからね」


 またWRCのほかF1、NASCARなどが積極的に採用しているeスポーツレーシングについては「ラリードライバーはあまり現実感は得られない」との私見を示している。


「サーキットレースの場合、シミュレーターでの走行はコースの習熟につながっていく。しかし、残念ながらラリーの場合はそうはならないから、ラリードライバーにとって現実味を感じられるものではないんだ。だから、そのほかのトレーニングに多くの時間を割いているよ」


 またタナクは自身の活動をサポートしている海外のラリーニュース専門サイト『DirtFish.com』のインタビューに応じ、移籍を決めた要因のひとつとしてヒュンダイ代表の表裏がない性格に好感をもったことを明かしている。


「(ヒュンダイのチーム代表、アンドレア)アダモは何事もはっきりと話してくれる人物だ。イエスかノーのどちらかで答えてくれるから話をしやすいし、何ができて、何ができないのかをしっかり把握できる」


「多くの人が表と裏の顔を持っているものだけれど、彼の場合はそうではなく一緒に働きやすそうだと感じた。チーム代表として優秀な働きをしているように見えたし、チームのマネジメントも適切に思えた」


「正直、それまでアダモとはプレスカンファレンスなどで顔をあわせる程度で、個人的な会話をするような間柄ではなかった。ただ2019年のうちに何度か夕食をともにして、互いのことを知ることができた」


「そのなかで彼やチームが目標にしていることを知ることができ、彼らとともに戦いたいと思うようになったんだ」


 2020年のWRCは新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を受けているものの、第1〜3戦までは終了。タナクは移籍初戦だった第1戦モンテカルロこそ大クラッシュを演じたものの、第2戦スウェーデン、第3戦メキシコと2戦連続で2位表彰台に上がり、24ポイント差のドライバーズランキング5位につけている。

2020年のWRC第3戦メキシコを戦ったオット・タナクのヒュンダイi20クーペWRC


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