2023年のインタープロト&KYOJO CUPが開幕。初戦は野尻智紀と三浦愛が優勝を飾る

2023年5月16日(火)15時53分 AUTOSPORT web

 5月13〜14日、静岡県の富士スピードウェイでインタープロトシリーズ POWERED BY KeePerおよびKYOJO CUPの2023年第1大会が開催され、インタープロトは第1戦と第2戦を野尻智紀(J-POINT)が、KYOJO CUPは三浦愛(Team M VITA)が優勝を飾った。


■ウエットのインタープロト第1大会は野尻智紀が2連勝


 2023年で11年目の開催を迎えるインタープロト。今季はより接近戦を生むために使用車両『kuruma』の外装パーツアップデートが行われるなどの進化を果たし、この開幕大会には過去最多タイとなる12 台がエントリーした。


 13日に行われた公式予選は雨が降るなかでのセッションとなり、滑りやすい路面のなかで電子制御のついたGRスープラGT4が好タイムをマークし、38号車石浦宏明(SNKスープラ)が総合トップタイムを記録。インタープロトクラスは7号車野尻がトップタイムを記録してポールポジションを獲得し、2番手には37号車福住仁嶺(キーパー号)、3番手には今季が初のフル参戦となる32号車小高一斗(NETZ NOVEL MIE)が続いた。


 翌14日に迎えた決勝も天候はウエットに。安全を考慮してセーフティカー先導で開始されたレースは、4周目からグリーンフラッグが振られると、ポールスタートの野尻が着々と差を広げていく。本来ならば9周で争われるレースは、それより前にレース上限時間の17分を迎え、7周終了時点でチェッカーフラッグが出され、野尻がポール・ト
ゥ・ウィンを飾った。2位には福住、3位には小高が続き、予選トップ3と同じ顔ぶれの表彰台となった。

野尻智紀(J-POINT)


 続く第2戦は第1戦の順位をもとにグリッド位置が決定され、先頭スタートの優位性を生かした野尻がふたたび序盤から差を広げていった。後方では16号車ロニー・クインタレッリ(ララパルーザ)が追い上げをみせ、8周目には2番手の福住をオーバーテイクし野尻の背後に迫る。


 さらに3番手には阪口晴南(INGING MOTORSPORT)が浮上し、レース終盤はクインタレッリと阪口によるバトルがヒートアップ。その間に首位の野尻はリードを奪い、最終的に5.3秒差で2連勝を飾った。白熱の2番手争いは、2台がサイド・バイ・サイドでフィニッシュラインを切り、クインタレッリが0.031秒差で阪口をおさえ2位に。阪口が惜しくも3位となった。


 2連勝の野尻は「セーフティカースタートだったことも展開を作りやすかったひとつの要因です。そこからは自分のペースでしっかりと走ることができました。レース中はおそらく(雨量が少なくなって)路面が乾いていく方向なんだろうなと予想してタイヤ内圧を調整していたことも良かったです。2レース目は、ある程度余裕を持って走れましたが、最後はちょっと落ちてきた感じはありました。これ以上ないような良いスタートができたと思っています」とレースを振り返る。


 3台が出走したスープラGT4クラスは、昨シーズンのインタープロト・プロクラスの王者である坪井翔(TRスープラ)がこのクラスへとスイッチし、石浦、片岡龍也(NTPスープラGT4)と熱戦を繰り広げるも、決勝は、予選で最速タイムを記録した石浦が第1、第2レースともに優勝を飾っている。

2023インタープロト・シリーズ第2戦 横並びでチェッカーを受けるロニー・クインタレッリ(ララパルーザ)と阪口晴南(INGING MOTORSPORT)
2023インタープロト・シリーズ第1戦と第2戦を制した野尻智紀(J-POINT)
2023インタープロト・シリーズ第2戦の表彰台


■KYOJO CUPは富下李央菜が衝撃のデビューPPも、三浦愛が逆転優勝


 インタープロトと同週末に富士スピードウェイで行われた2023年のKYOJO CUP開幕ラウンド。今回の開幕戦には22台がエントリーし、7台が初参戦というフレッシュな顔ぶれとなったほか、アメリカからバートン・ハナ(keeper アポロMTmost VITA)が参戦するなど盛況さをみせた。


 14日8時に開始された予選は、曇り空ながら前日の降雨の影響でハーフウエット路面で開始された。そのなかでトップタイムを記録したのは、今大会が初の四輪レースとなる16歳高校2年生の富下李央菜(KTMS VITA)だ。富下は昨年王者の翁長実希(RSS VITA)を0.091秒上回り、デビュー戦ポールポジション獲得という活躍を披露する。

デビューポールポジションを獲得した富下李央菜(KTMS VITA)


 そんな予選から数時間後、12時15分から12周で争われた決勝レースは予選とは打って変わり雨模様となった。スタートでは2番グリッドの翁長が好ダッシュをみせてトップに浮上してくる。そのまま後続を引き離すかに思われた翁長だが、後方10番手からスタートした2020年王者の三浦が1周目に6台、2周目に2台をオーバーテイクする追い上げをみせて翁長の背後に迫る。


 その後、アクシデント発生と雨が強くなったことを受けてセーフティカーが導入されるが、8周目にレースが再開されると、チャンピオン経験者ふたりによる激しいトップ争いが展開。一度は三浦にトップの座を譲った翁長だが、9周目のホームストレートで抜き返すと、ファステストラップを更新して三浦との差を広げにかかる。

2023KYOJO CUP第1戦 翁長実希(RSS VITA)と三浦愛(Team M VITA)の争い


 このまま開幕戦を制するかと思われた翁長だが、10周目のGRスープラコーナーを立ち上がったところで単独スピンを喫し後退。この間にトップを奪った三浦がリードを広げ、最終周でファステストラップを更新する速さを披露してトップチェッカーを受けた。


「予選はセッティングを合わせ切れず、自分の判断ミスもあり、悔しい結果になりました。翁長選手とのバトルでは、水しぶきの影響で仕掛けに行くことがなかなかできませんでした。無理をしないように、自分が失敗をしないように、12周のレースで必ずどこかでチャンスがあると思って走っていました」と三浦。


 さらに三浦は、先輩女性ドライバーとしてデビューポールポジションを奪った富下や、初参戦ドライバーたちに対して以下のように言葉を送った。


「)富下選手はタイミングなどが良かったことはありますが、あのポジションにいられるのは凄いと思います。今年は若い選手が多く、今はまだスピードが足りない子も多いと思いますが、最終戦に向けて、どんどん速くなって来ると思います。私と翁長選手だけがトップ争いをするのではなく、みんなと一段階上のレベルでバトルができるのを楽しみにしています!」


 開幕大会から白熱のレースが繰り広げられた2023年のインタープロト・シリーズおよびKYOJO CUP。両シリーズの次戦は7月22〜23日に行われる予定だ。

2023KYOJO CUP第1戦を制した三浦愛(Team M VITA)
2023KYOJO CUP第1戦の表彰台

AUTOSPORT web

「優勝」をもっと詳しく

「優勝」のニュース

「優勝」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ