水原容疑者は「絶対野球にも賭けていた」 “前科”を持つ元NBA審判の異論に反発の声「オオタニの無罪は証明されている」

2024年5月17日(金)7時0分 ココカラネクスト

大谷の資金を盗用していた水原容疑者。その裁判の行方は小さくない話題となり続けている。(C)Getty Images

 世間を騒然とさせた騒動は完全解決に向かって動き出している。大谷翔平(ドジャース)の元専属通訳で、同選手の給与口座から約1700万ドル(約26億1800万円)を不正送金した銀行詐欺と税金の虚偽申告で訴追されている水原一平容疑者のスキャンダルだ。

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 現地時間5月14日に騒動はひとつの動きを見せた。水原容疑者がロサンゼルスの連邦地方裁判所に出廷し、罪状認否を実施。形式的に「無罪」を主張したのだ。今後は来月3日(現地時間)にふたたび行われる罪状認否で罪を認め、起訴内容を認める見通しとなっている。

 奇しくもスキャンダル発覚によって、時の人となった水原容疑者。自ら「ギャンブル依存症だった」と米スポーツ専門局『ESPN』のインタビューで認めている彼が、胴元との間にトラブルを抱えるほど資金が枯渇していたのは、周知の通りだ。

 時に大谷から「歯の治療」と称して6万ドル(約900万円)を貰っていたという水原容疑者が違法賭博で損失した総額は1億8290万ドル(約279億8370万円)。この異常とも言うべき依存ぶりには、賭博の危険性を熟知する男も黙っていなかった。

 米スポーツ専門『FOX Sports』のポッドキャスト番組「OutKick Hot Mic」にゲスト出演した元NBA審判のティム・ドナヒー氏は、「ミズハラはオオタニが出場する試合にも絶対に賭けたはずだ」と糾弾した。

 かく言うドナヒー氏も、水原氏と同様に違法なスポーツ賭博に手を染めた経験を持つ。自らが審判を務めた試合で八百長に関与した罪で実刑判決を受けて服役。現在はNBAからも永久追放処分を受けている。

 その実体験があるからか。「オオタニはミズハラがギャンブル依存症だったことを本当に知らなかったと思うか?」という質問に対して「そんなことはないと思う」とキッパリと否定したドナヒー氏は、こう続けている。

「メジャーリーグは、この問題をできる限り早く沈静化したかったんだと思う。そして私が思うにそれは賢明な判断だった。オオタニが世界的な野球の発展に貢献し、世界中のファンを巻き込んでいることを考えれば、彼が“側近”に自らの試合に賭けさせたり、やってはならないことを行なっている人物であってほしくなかったはずなんだ」

 すでに大谷の潔白は完全に証明されてはいる。周囲の関係者を徹底的に調べ上げた米連邦捜査当局も「オオタニは被害者」と断定。また、本人も3月25日に開いた声明発表会見で「僕自身、誰かに代わってスポーツイベントに賭けたことはないですし、口座からブックメーカーに対して送金を依頼したこともありません。彼がギャンブル依存症だったことも知りませんでした」と断言してもいる。

 それでも、「オオタニは知っていた」と憶測を語るドナヒー氏は、「彼(水原容疑者)が、単に野球に賭けただけでなく、オオタニの出場した試合にも賭けていたことは絶対に間違いない。そしてオオタニも彼が何をしていたかを知っていたと思う」と強調している。

 無論、根も葉もない論調を展開するドナヒー氏の意見には否定的な声が絶えない。一連の言動を伝えたスペイン紙『Marca』は「オオタニの無罪はメジャーリーグだけでなく、アメリカの捜査当局などによっても証明されている」と指摘している。

 今回のスキャンダルによる大谷への疑いは、いまだにくすぶっている。こうした現状を見るに、水原容疑者への判決が下された後も余波は続きそうな気配だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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