【U20W杯注目選手②】メキシコのワンダーボーイは“ドリブル小僧”/ディエゴ・ライネス

2019年5月19日(日)21時33分 サッカーキング

 5月23日よりポーランドで開幕するFIFA U−20ワールドカップ ポーランド2019のグループステージ第2戦で、日本代表が対戦するのが、北中米・カリブ海の雄、メキシコ代表である。

 そのメキシコには、いま「ワンダーボーイ」と呼ばれて注目を集めているドリブラーがいる。メキシコサッカー界の未来を担うと言われる逸材、ディエゴ・ライネスだ。

 小さな体で小刻みにステップを踏んで対面するDFを翻弄し、利き足である左足を駆使した目にも止まらぬ足技と、圧倒的なクイックネスで相手をかわしていく姿から、付いた異名は「メキシカン・メッシ」。スタートポジションは主に右サイドだが、自由に動き回ってピッチのどこからでもドリブル突破を仕掛け、狭いスペースでも強引にかいくぐってゴールに迫るプレースタイルはまさにドリブル小僧で、ボールを持てば必ず「何かやってくれそう」という期待を抱かせる根っからのファンタジスタだ。

 6月9日で19歳になるライネスは、母国メキシコの名門クラブ・アメリカのユースチームで育ち、17年3月に16歳と8カ月の若さでプロデビューを果たした。その卓越したドリブルテクニックはすぐに話題となり、翌17−18シーズンには15試合に出場して早くもリーグ有数のドリブラーとしての評価を受けるようになった。そして3年目の18−19シーズンにはプロ初ゴールも決め、あっという間にクラブ・アメリカの顔の1人となり、ヨーロッパのクラブからオファーが殺到する存在になった。

 そして19年1月、アヤックスからのオファーを断り、彼は新天地にスペインを選ぶ。18歳の若さにして推定1400万ドル(約15億円)の移籍金で、ラ・リーガのベティスへと引き抜かれたのだった。ベティスでは欧州の洗礼を受け、メキシコよりも厳しいハードタックルに苦しめられる場面も多々見られる。だが、それでも彼は何度倒されても、決して諦めない気持ちの強さを見せ続け、1年目から“ジョーカー”的な起用に応えて随所に天才の片鱗を見せている。2月には途中出場したヨーロッパリーグのレンヌ戦で欧州での初ゴールも決め、その前途は洋々。来シーズン以降の本格ブレークの予感を漂わせている。

 すでに欧州で頭角を現し、A代表デビューも飾っているライネスだが、今年は同チームがコパ・アメリカに参加しないこともあって、U−20W杯のメンバーとして初優勝を目指すチームを引っ張ることになった。年代別の代表では、今大会の予選も兼ねた昨年のCONCACAF U−20選手権でチームを準優勝に導き、大会ベストイレブンにも選ばれた経歴を持つ。だが、17年に出場したU−17W杯ではベスト16でイランに敗れており、W杯の舞台でもより上へ、というモチベーションは非常に高い。

 メキシコが生んだスーパードリブラーが、ポーランドの地で世界中を驚かせる日は、すぐそこだ。

文=寺沢薫

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