Gキラー広島・末包 「いけそうな気がしてました」1号逆転V3ラン 今季初の同一カード3連勝で2位浮上
2024年5月20日(月)5時45分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 広島9−3巨人(2024年5月19日 マツダ)
広島・末包昇大外野手(27)が、19日の巨人戦で待望の今季1号を放った。3点劣勢から1点を返した初回、なおも2死一、二塁で左中間へ逆転3ラン。左膝負傷の影響で出遅れた若ゴイが、G戦昨季6発のキラーぶりを発揮して3安打3打点3得点と大暴れし、9—3の大勝に貢献した。チームは今季初の同一カード3連勝で貯金3。4月5日以来の2位浮上を果たし、あす21日から1・5ゲーム差の阪神と首位攻防3連戦(マツダ)に臨む。
大砲の一撃に今季最多3万1576人の観衆が沸いた。開幕から3戦23イニングでゼロ行進を続けていた日曜日の本拠地。24イニング目となる初回に3点劣勢から小園の左前ポテン適時打で呪縛を解き、なおも2死一、二塁で末包が最大の長所を発揮した。
「ようやく打てた。取られた後にすぐ逆転できて良かった。今日は打撃練習が良かったので、いけそうな気がしていました」
前回4月14日にチームが白星を献上した高橋礼との初対戦。1ボールから「浮いてきたら振りたいと思っていた」外寄り高めのスライダーをドンピシャのタイミングで捉えた。快音を発した打球は左中間へ。値千金の1号逆転3ランだった。
「逆方向に強い打球を打てるのは凄い。一番いいバッター。高橋礼さんからホームランを打っているので、その映像を見ながら」
打率でリーグトップに立つヤクルト・サンタナの打撃が手本だ。「(スイングが)波打っているように見えてライン(投球の軌道)への出し方がうまい」。松山での2連戦(14、15日)で感銘を受け、今カードの巨人戦から体やバットの使い方を意識し始めたという。この日の試合前練習では、センター方向へ強く大きな打球を連発。1号につなげた。
「凄いっすね。(巨人戦に強い要因は)分からないけど、状態が上がってきたところで巡り合わせかな…と」
昨季は巨人との対戦打率・344、6本塁打を誇ったGキラー。今季も健在で、4回無死一塁、5回1死一塁では中前打でつなぎ、追加点をお膳立て。今季初の3安打猛打賞、3打点、3得点と大暴れした大砲を、新井監督は「スエの本塁打が大きかった。練習でも試合でもいい感じだったので、そろそろかな…と見ていた」と絶賛した。
前日に30球を投げ、ベンチ入りメンバーを外れた守護神・栗林の不在を心配する必要のない9得点大勝。今季初の同一カード3連勝で2位浮上に成功し、21日からは1・5ゲーム差で追う首位・阪神を本拠地に迎え撃つ。
「今日みたいな長打が打てれば楽な試合展開になるし、それが自分の役目でもある。相手の投手もいいけど、点を取って楽に投げさせてあげたい」
8日の昇格から8試合目にして目覚めた末包。チームを首位に導くアーチ量産に期待だ。(江尾 卓也)