F1スペインGP技術解説(3):メルセデスの空力哲学の影響を受けたレッドブルのバージボード

2018年5月21日(月)12時36分 AUTOSPORT web

 F1の開発はとどまるところをしらず、毎グランプリ、新しいパーツが導入されている。F1iのテクニカルエキスパート、ニコラス・カーペンティアーズがスペインGPの週末に見つけたレッドブルの注目アイテムを紹介、分析する。


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■レッドブル


(1)バージボード

レッドブルのバージボード

 フェラーリ、マクラーレンと並んで、(少なくとも目に見える形で)最も多くのアップデートを持ち込んだのがレッドブルだった。


 RB14のサイドボードは、さらに分割化が進んだ。1枚目の大型パネルは立てに大きな切れ目が入り(オレンジ色矢印)、2枚目のプレートの上部は2枚に分かれた(黄色矢印)。


 下部に目を転じると、ベース部分の切れ目は4カ所から6カ所に(赤矢印)。そこから後方へと湾曲する部分も2分割された(青矢印)。これらの細かい処理は、空気の流れをできるだけ緻密にコントロールしようというメルセデスの空力哲学の影響が見て取れる。


(2)赤牛の牙

レッドブル:サイドポッド下部のミニウイング

 サイドポッドの空気取り入れ口下部に、レッドブルの空力エンジニアはいくつかのミニウイングを取り付けていた。それも4枚から6枚へと増やされている。その役割はボーテックスジェネレーターと同じように、フロントタイヤの回転で起きる乱流が、フロア下部を流れる気流に干渉するのを防ぐことであろう。


(3)狙いは『アップウォッシュ』

レッドブル:リヤウイング翼端板(新)

レッドブル:リヤウイング翼端板(旧)

 アゼルバイジャンでRB14のリヤ部分に施されていた変更を、うっかり見逃していた。リヤウイング翼端板の垂直の切れ込み上部に、小さなデフレクターが加えられていたのである。これはマシンリヤに起きる気流を上向きにさせる効果、いわゆる『アップウォッシュ』を狙ったものと思われる。


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