浦和とも広島とも違う…DF槙野智章が“西野流”3バックの意図を解説
2018年5月26日(土)20時42分 サッカーキング
槙野が昨年11月、今年3月のヨーロッパ遠征で感じたのは、「自分たちがボールを保持する時間帯が短い」ということだった。それに対して、新布陣は「マッチアップする選手に対してがっちりと行く」ことが可能になり、「ファーストディフェンスがはっきりすることで、ボールをしっかりと取り切れる」とメリットを話す。
「西野監督からは、『3枚にせよ、4枚にせよ、選手の良さを引き出すためのシステムだ』という話がありました。点を取りたい、ポゼッションをしたい。できる限り攻撃に厚みを加えたいという中でのシステムだと思う。中盤と前の選手で厚みを加えたいという意図がこの3枚にある」
槙野はサンフレッチェ広島時代から3バックに慣れ親しんでいるが、「代表では攻撃よりも守備だと思っています。僕がボールを持って、前線に駆け上がることはない」と求められる役割は異なると捉えているようだ。まずは、マッチアップするであろうコロンビア代表のFWフアン・クアドラード(ユヴェントス)、セネガル代表のサディオ・マネ(リヴァプール)らを自由にさせないこと。さらにウイングバックの裏をケアすることが求められる。
「中盤のワイドの選手が最終ラインに吸収されないようなやり方をしたい。出来るだけ高い位置でプレスをかけて行くことが狙いだと思うので、僕と吉田(麻也)選手は運動量豊富に頭を使ってプレーしないといけない。中盤のワイドな選手を動かすことが必要」
W杯本大会では世界の強豪国を相手に、ウイングバックが最終ラインまで下がり、5バックの形で守る場面も出てくるだろう。しかし槙野は、ベタ引きするのではなく、なるべく高い位置でブロックを敷きたいと理想を掲げる。「中盤のワイドの選手が後ろに吸収されると、なかなかうまくいかない。それは僕自身が所属クラブでよく経験していることなので」。短期間でその理想を突き詰めるためには「いろいろなことを感じて、失敗するほうが、今のチームにとってのポジティブな要素」であり、ガーナ戦が新たな戦術や現在の実力を試す絶好の機会だと考えているようだ。
浦和で3バックも4バックも経験しているのは槙野の強み。それぞれのシステムに柔軟に対応しながら、守備の要としてチームを引っ張っていく。