今年も巨人はドラフト4位ルーキーが躍動か　光る貢献「内野のユーティリティ」とは

泉口は守備の面でも堅守で貢献している（C）産経新聞社

　巨人は5月26日の阪神戦（甲子園）に延長10回を戦い2−1の逆転勝ち。鬼門とされる甲子園の戦いに今季初の勝ち越しを決め、交流戦前最後の試合を飾った。

　ナインに勇気を与えたのはベテラン・菅野智之の力投にもあった。体調不良で中14日のマウンドとなったが、7回一死まで無安打投球と安定感あるピッチングを披露。最速151キロの球威ある直球を軸に多彩な変化球も織り交ぜ、阪神打線を封じ込めた。

【動画】泉口は戸郷がノーヒットノーランを達成した試合で価値ある先制適時打をマーク

　7回一死でこの日の初安打を森下翔太に許し、3連打で1点を失い降板となったが、堂々たる投げっぷり。打線も9回に主砲・岡本和真の同点ホームラン、1−1で迎えた10回には一死一、三塁から丸佳浩の犠飛で勝ち越しと自己犠牲の精神も実り、価値ある勝利をものにした。

　また、このカード、3連戦初戦の24日のゲームでは戸郷翔征が123球の熱投でノーヒットノーランを達成などメモリアルな記録も多かったが、なかなか点を奪えない中、ドラフト4位ルーキーの泉口友汰の貢献も光った。

　24日のゲームでは両軍無得点で迎えた5回一死二塁の場面、外角高め直球を捉え左前適時打をマーク、これが戸郷の快挙達成を後押しするチーム唯一の得点となった。この試合では自身初のマルチ安打を記録、守備でも好守を再三見せるなど奮闘している。

　開幕から遊撃を任されてきた門脇誠がここにきて攻守において精彩を欠いているとあって、泉口が「8番・遊撃」として先発出場する機会が増えている。

　ドラフト4位ルーキー、背番号「35」といえば、昨年はその門脇が着けた出世番号としても知られる。門脇はルーキーイヤーの昨季、開幕から守備で存在感を示し、その後打撃でも結果を残し、内野の一角に定着したが、果たして今季の背番号35も快進撃を果たせるか、門脇との定位置争いも注目となる。

　ルーキーではドラ1の西舘勇陽が26日のゲーム、同点の9回に登板。三者凡退に抑え、直後の10回に味方が勝ち越したことでプロ初勝利をあげた。

　リリーバーとしてこちらもチームに欠かせない力となっている。

　いよいよ交流戦も28日からスタートする。最初のカードとなる対ソフトバンクは楽天相手に2試合で33得点を奪う脅威の打線を誇るとあって、投手陣の踏ん張り、野手の奮起もより重要となりそうだ。ルーキーたち含め全員野球で勝ち星に結び付けられるか、今後の戦いも注目となる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]