波乱含みのSBK第7戦でダブルウイン達成のレイ、レース2でのカワサキ表彰台独占に「チームスズカだ!」
2019年6月25日(火)6時0分 AUTOSPORT web
スーパーバイク世界選手権(SBK)第7戦イタリア(ミサノ)のレース1、レース2で、ジョナサン・レイ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)が優勝を飾った。レース2ではターキッシュ・プセッティレーシングのトプラク・ラズガットリオグルとトップ争いを展開し、これを制してダブルウイン。このレースではカワサキ勢が表彰台を独占した。
第7戦イタリアは、レイにとって簡単ではないウイークとなった。レース1は激しい雨により、スタートディレイ。レーススタート後、3周を終えて再び天候の悪化により赤旗が提示され、レースは中断となった。再開後のレースでレイはアレックス・ロウズ(パタ・ヤマハ・ワールドSBKチーム)とトップ争いを繰り広げるも、トップを走るロウズが転倒。レイは難しいコンディションのなか、トップを守って優勝を果たした。
翌日行われたスーパーポール・レースでは、2番手走行中のレース終盤、10コーナーで転倒。右コーナーである10コーナーでマシンをスリップダウンさせたレイは、このとき当然ながらイン側に体を倒しこんでいる最中。スリップダウンしたマシンにより、レイの体は路面に押し付けられる形となる。
しかし、レイは滑るマシンのハンドルを離すことなく、そのままマシンの下敷きになる形で縦に一回転。なんとも不思議な転倒を喫したレイだが、大きな怪我はなかったようで、再びレースに復帰すると、5位でチェッカーを受けた。
レイはこの転倒について、「10コーナーで大きなミスを犯してしまった。フロントを失ってしまったんだ」と説明している。
続くレース2は気温も路面温度も上がり、レイは「タフなレースになった」と振り返っている。このレースでは、カワサキのファクトリーチームであるレイと、プライベーターであるラズガットリオグルによるトップ争いが展開された。
序盤にトップを走っていたのはアルバロ・バウティスタ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)だったが、バウティスタは2周目4コーナーでスリップダウン。4周目にはラズガットリオグルがトップに浮上すると、レイはその背後で周回を重ねた。
レイはラズガットリオグルにオーバーテイクを仕掛けることなく、残り4周になるまでカワサキのプライベートチームライダーのすぐ後方を走行する。それには、厳しいコンディションが理由にあったようだ。
「ペースが遅いように感じたけれど、それ以上プッシュしたくはなかった。序盤にアルバロが転倒したのを見て、コンディションがとても厳しいと思ったんだ。特に、フロントタイヤに厳しい状況だった。リヤは空転して前に進まず、ただ回っているだけだった」
レイは残り4周でラズガットリオグルをとらえると、優勝を果たす。2位のラズガットリオグル、3位に入ったレオン・ハスラム(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)とともにカワサキが表彰台を占めた。この3人は7月25〜28日に開催される、鈴鹿8時間耐久ロードレースにKawasaki Racing Teamから参戦する顔ぶれだ。
レイもそのことに触れ、「今日はカワサキにとってすごくすばらしい日になったよ。レース2でカワサキ3台が表彰台を獲得したのだからね。チームスズカだ!」とコメントしている。SBK第7戦のレース2は、鈴鹿8時間耐久ロードレースへの期待を感じさせるレースともなったと言えそうだ。