B-Max助っ人参加の大津「出し切れなかった」と悔しさ見せるも、テスト2日目両セッション走行で本山監督が高評価

2023年6月27日(火)8時0分 AUTOSPORT web

 6月23〜24日、静岡県の富士スピードウェイで行われた2023スーパーフォーミュラ富士公式テスト。既報の通り、今回B-Max Racing Teamからは松下信治とラウル・ハイマンというレギュラードライバーの2人に加え、“3人目のドライバー”として大津弘樹がエントリー。大津は2人とマシンをシェアしながら、2日間ともに精力的に周回を重ねた。


 初日の23日午後のセッション2では普段ラウル・ハイマンがドライブする51号車に、2日目には午前午後の両セッションともに松下信治がドライブする50号車に乗り込み、マシンのセットアップを改善するためのプログラムに取り組んだ大津。


 迎えたセッション4の最後に行ったアタックでは、ニュータイヤを投入して10番手タイムを記録したが、本人的には悔しさの残るテストとなったようだ。


「もうちょっと上に行きたかったなというところはありました。ニュータイヤは履けたのですが、うまく活かせなかったところがあって……クルマのセッティング的にも、タイヤのピークを引き出せなかったと思いますし、ニュータイヤを見越してうまくクルマをもっていくのは難しかったというのが正直な感想ですね」と最後のアタックを振り返る大津。


「(具体的には)セクター1、2はかなり調子よく走れていて、手ごたえもめちゃくちゃあったのですが、セクター3に入るとクルマのバランスが崩れて難しくなってしまって。そこを何とか良くしようといろいろ試したのですが、タイムもいまひとつ伸ばしきれなかったかな」と、コース全体を通してのマシンバランスに苦労したという。


 また大津は、2日間にわたってドライブしたB-Max Racing Teamの2台の違いについてこう語った。


「基本的には2台とも同じ動き方をするのですが、ドライバーの好みの違いか、クルマの動かし方のポイントは違っていて、(自分の好みとしては)松下選手のクルマのほうが合っているかなと思いました。僕としてはここを直したいなというところは2台に共通していましたが、(ハイマン選手のクルマも)改善していくと自分の思うように動かせるようになったかなと思います」と、具体的な挙動についての言及は避けたものの、それぞれのドライバーの好みからくる2台の差を感じ取りながら走行をこなしたようだ。

2023スーパーフォーミュラ富士公式テスト 大津弘樹(B-Max Racing Team)


 2台のマシンの戦闘力向上という、ドライバーの実力が問われるテストを過ごし、「自分の引き出しからは(改善)しきれなかった」としきりに悔しさをもらす様子が印象的な大津だが、一方のB-Max Racing Teamのチーム監督である本山哲監督からは好印象な声を聞くことができた。


「ドライバーによって感じるところはそれぞれ違うので、違うドライバーが乗って(今のB-Maxのクルマを)どういう風に感じるかというのはチームとしても興味深いところでした。大津選手はとても的確に伝えてくれましたし、非常に良かったと思います」と、大津のチームへの貢献にうなずく本山監督。


 1日目は午後のセッションにのみ参加した大津だが、2日目には松下の代わりに午前午後の両セッションともにステアリングを握っていたことからも、チームから大津への信頼や期待の高さが伺える。


 本山監督も「テストがなく本番しかないというなかで(マシンの)大きな変更ができないというところもあったのですが、前回(第5戦SUGO)から内容としては速く走れるようになってきているので、次からはちゃんとリザルトが残るのではないかと思っています」と、2日間のテストを終えたことでチームとして次戦への手ごたえを得られた様子だった。


 今回テストに参加した大津の働きで、マシンへの理解をさらに深めたB-Max Racing Team。大津の貢献が、今季苦戦を強いられているチームにとって復調の契機となるのか。大津の来季SFのシート獲得へ向けたスーパーGTでの活躍とともに、B-Maxのスーパーフォーミュラ後半戦での、まずは初ポイント獲得のタイミングが待たれる。

2023スーパーフォーミュラ富士公式テスト 大津弘樹(B-Max Racing Team)
2023スーパーフォーミュラ富士公式テスト 本山哲監督(B-Max Racing Team)

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