F1第10戦木曜会見:Q1の渋滞解消に“1周1台方式”を提案したアロンソ。一方でフェルスタッペンは現状維持を望む

2023年6月30日(金)17時17分 AUTOSPORT web

 ここ数年のF1での予選は、特に全20台が一斉にアタックするQ1での渋滞が大きな問題になっている。1周4.318kmと短く、コーナーが10しかない今週末のレッドブルリンクも、当然同じ問題に見舞われるだろう。


Q:予選のトラフィックをどう解決するつもりなのか? 何かアイデアを持っていますか?
フェルナンド・アロンソ毎週末の話題だし、特にショートサーキットではそうだよね。ひとつ考えられるのは、以前のように1台が1周ずつ予選を行うことだ。コース上に1台しかマシンがいないのだから、そのラップはテレビでフルに放送される。予選と予選の間に天候が変化した場合、ポールポジションで違うクルマ、違うドライバー名を見ることができる。どうかな


カルロス・サインツ:短期的な解決策としては、モナコでのジュニアフォーミュラでやっているように、Q1を分割して行うことがいいんじゃないかな。そうすればQ2の時点で、すでにトラフィックはかなり改善されている。10台だけのQ3は、もともと問題ない。特に今回のようなショートコースでは、Q1セッションを半分に分けて、1つのグループで8分間、別のグループで8分間。それがうまくいくかどうか、スプリント・ウィークエンドでも試してみたらいいんじゃないかな。
 一方でフェルナンドが言った1周予選も、個人的には大賛成だ。コース全体が自分ひとりのために使われ、1周だけでパフォーマンスを発揮しなければならないというプレッシャーがかかる。あの感覚が好きだからね。僕たちドライバーにとっても、スポンサーにとっても、とても楽しいことだと思う。テレビ的にはちょっと退屈かもしれないけど、テクノロジー次第だと思う。1周をアニメーション化するやり方もある。あるいは最速ラップのゴーストカーを登場させたりね


周冠宇:最近は特に、予選でのドライバーはミラーやエンジニアに頼ることが多い。特に最終コーナーのふたつ前で、ものすごい渋滞になってる時なんかはね。なのでいろんなアイデアを試すべきだ。1周1台にしなくても、ダッシュボード上に次のクルマが何秒後まで迫ってるのか、わかるようになるといいね

2023年F1第10戦オーストリアGP FIA会見 フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)&周冠宇(アルファロメオ)


 アロンソの「1周1台」のアイデアは、仲間たちに比較的好感を持って迎えられた印象だ。一方で後半のセッションに登場したドライバーたちは。そうでもなかった。


マックス・フェルスタッペン:クールなアイデアだと思うけど、コースコンディションの進化を考えると、不公平感が大きいんじゃないかな。渋滞はある程度どうしようもないもので、現状で対処していくのがいいと思う


ニコ・ヒュルケンベルグ:マックスが言ようように、コースによってはチームやドライバーがしっかり注意を払うことで何とかなることもある。個人的には今の予選フォーマットは見ていて楽しいし、クルマのなかにいても楽しい。とても満足しているよ

2023年F1第10戦オーストリアGP FIA会見 左からマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、ニック・デ・フリース(アルファタウリ)、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)


 今季ここまで5回のポールポジションを獲得したフェルスタッペン、前戦カナダの予選で2番手タイムを叩き出したヒュルケンベルグにしてみれば、現状維持がいいのだろう。


 そもそもF1ドライバーにとっては、マシンごとにかなりの性能差があることに、大きなフラストレーションを感じている。「レッドブルに乗れば、俺だって優勝できる」と、誰もが考えていることだろう。後半セッションの5人には、こんな質問が飛んだ。


Q:マシンではなく、純粋にドライバーのパフォーマンスだけを考慮した場合、今シーズンのトップ3は誰だと思いますか?
ジョージ・ラッセル:正直なところ、わからない。僕たちはみんな自分の仕事に集中しているからね。マックスが毎週、毎週、しっかりと仕事をしているのは明らかだ。だから今のところ、彼がナンバーワンだ。それ以下の2番と3番なんて、誰も気にしていない。マックスが一番だということだよ


Q:2番、3番手をしいて挙げると?
ラッセル:このスポーツでドライバーの技量を判断するのは、信じられないほど難しいことなんだ。すべてのマシンが同じなら、すぐにわかるだろうけどね。マックス以外で言うなら、フェルナンドはとてもいい仕事をしているし、ルイスもいい仕事をしている。先週P2を獲得したハルク(ヒュルケンベルグ)も素晴らしかった

2023年F1第10戦オーストリアGP ジョージ・ラッセル(メルセデス)


ヒュルケンベルグ:OK、ひとことで言うなら、マックス、フェルナンド、ピエール(・ガスリー)だね


ニック・デ・フリース:マックス、フェルナンド、そしてユウキだ


フェルスタッペン:正直言ってわからない。ジョージが言ったように、チームメイトとしか比較できないし、他のクルマの実際のパフォーマンスがどうなのかわからないからね。ただ20人のなかには、トップ3に入るにふさわしい優秀なドライバーがたくさんいるのは確かだよ


オスカー・ピアストリ:マックス、フェルナンド、そしてユウキもそうだと思う。彼は今シーズン、とてもいい仕事をしているからね


 チームメイトのデ・フリースだけでなく、ピアストリも角田裕毅の名前を挙げた。マクラーレンより戦闘力の劣るマシンで互角に戦ってくる角田への、率直な敬意ということなのだろう。

2023年F1第10戦オーストリアGP FIA会見 オスカー・ピアストリ(マクラーレン)

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