FIFA女子W杯2023、気になるユニフォームコンセプト6選

2023年7月6日(木)12時0分 FOOTBALL TRIBE

写真:Getty Images

第9回FIFA女子ワールドカップ(W杯)オーストラリア&ニュージーランド大会が、いよいよ7月20日に開幕を迎える。これに先立ち、同月14日にはユアテックスタジアム仙台で国際親善試合MS&ADカップ2023(日本テレビ系で19:05から生中継)が行われ、なでしこジャパンこと日本女子代表はパナマ女子代表と対戦。試合後にはW杯の壮行セレモニーも執り行われる予定だ。


今W杯では、出場全32ヶ国のうち8ヶ国が初出場。それら初出場国の動きに注目が集まりそうだ。ここでは初出場国であるフィリピン、ポルトガルを含めた、各国のユニークなユニフォームとあまり知られていないデザインコンセプトに焦点を当てたい。初出場2カ国に加え、強豪国として名高いフランス、イングランド、アメリカ、そして我らが日本、全6ヶ国のユニフォームを独自の視点からご紹介しよう。




フィリピン女子代表ユニフォーム 写真:Getty Images

フィリピン(FIFAランク53位/W杯グループA)


ユニフォーム製造元:アディダス
素材:詳細未公開(※2023年7月5日時点)


W杯出場各国が続々とユニフォームを発表している中で、初出場フィリピンは5月16日にようやく正式にお披露目となった。国旗に基づいた赤・青・白・黄の鮮やかな色合いのユニフォーム。このホームユニはメインに青色が採用され、タガログ語で「キックと忍耐力(Sipa at Tiyaga)」の意味が込められている。ちなみに白メインのアウェイユニは「新しいステージ(Ang Bagong Yugto)」、赤メインのサードユニが「燃える心(Alab ng Puso)」だ。




ポルトガル女子代表ユニフォーム 写真:Getty Images

ポルトガル(FIFAランク23位/W杯グループE)


ユニフォーム製造元:ナイキ
素材:100%リサイクルプラスチックボトル由来成分(再生ポリエステル)


フィリピン同様W杯初出場となるポルトガル。ホームユニのメインテーマは「新しい発見に向かって、新しい冒険に向かって」。キリリとした赤と緑のメインカラーはやはり国旗から採用されていて、サイドに大胆な太めのラインが入っている。このユニークな色の切り返しには、活気に満ちた若々しいエナジーが表現されている。エンブレム、色合い、シンプルながらこだわりがあるデザインは、ファッショナブルで高級な雰囲気を漂わせている。




フランス女子代表ユニフォーム 写真:Getty Images

フランス(FIFAランク5位/W杯グループF)


ユニフォーム製造元:ナイキ
素材:100%ポリエステル(通常ポリエステル)


フランスのユニは、非常にシンプルで地味な印象を与えそうだが、含まれる意味はとても奥深い。製造元のナイキは、ホームとアウェイいずれにも、選手の若さと欧州連合(EU)の文化の多様性の尊重をデザインに落とし込んだ。ホームユニのメインカラー水色は、1920年4月30日に初めてフランスで女子選手がイングランドと試合をし、歴史的な観客動員数2万5千人を記録した際のユニ(水色と薄紫色)に基づいている。当時まだ「代表チーム」という正式な括りは存在せず、サッカーをやりたいと団結した女子選手が行った初めての非公式の試合だった。歴史的な背景を背負い、勝利に向かって突き進む現代の強豪フランスは、果たしてチャンピオンの座を奪えるだろうか。


イングランド女子代表ユニフォーム 写真:Getty Images

イングランド(FIFAランク4位/W杯グループD)


ユニフォーム製造元:ナイキ
素材:100%ポリエステル(通常ポリエステル)


前述のフランスと、このイングランドのホームユニはデザインもよく似ている。込められた意味合いも歴史的背景に基づいた近いものがある。1984年5月27日に開催された欧州女子サッカー競技会決勝戦。当時イングランドはスウェーデンに対しPK戦の末、惜しくも3-4で敗退となった。この時の選手一丸となった素晴らしい挑戦に示す敬意が、現代のデザインに込められている。爽やかな印象の白と青のメインカラー。よく見るとこの白地には、イングランドを象徴するグラフィック模様が複雑に散りばめられている。




アメリカ女子代表ユニフォーム 写真:Getty Images

アメリカ(FIFAランク1位/W杯グループE)


ユニフォーム製造元:ナイキ
素材:100%ポリエステル(通常ポリエステル)


アメリカのホームユニのテーマは「混沌と秩序」。個性的な模様から、第一印象だけでも他と違うことを恐れない強い意志が伝わってくる。芸術品の如く、筆で絵の具を思い切り飛ばしたかのような斬新なランダム模様は、驚くことに同じ配置のものは無いという。この仕様には、スポーツの限界に挑戦するチームを創り上げる「個性溢れる選手たち」への敬意が込められている。


また、シャツの襟ぐり内側部分には意味深なゴールドの数字「91、99、15、19」がプリントされている。実はこれはアメリカが過去の女子W杯で優勝した年号の下2桁の数字。それぞれ1991年中国W杯、1999年アメリカW杯、2015年カナダW杯、そして2019年フランスW杯だ。ちなみに2015年、2019年の優勝時にはFIFAからチャンピオンバッジが授与され、現在のユニ(前面中央)には美しいFIFAのトロフィーマークが輝く。今W杯の結果次第では「23」の新たな数字が加わるかもしれない!




日本女子代表 MF長谷川唯 写真:Getty Images

日本(FIFAランク11位/W杯グループC)


ユニフォーム製造元:アディダス
素材:70%以上パーレイ・オーシャン・プラスチック(海洋廃棄物プラスチックをアップサイクルした素材)と他リサイクル素材


今W杯から初めての日本女子代表専用のユニが誕生した。ホームユニは男子同様にお馴染みのブルーを基調としたデザインだが、女子だけのアウェイユニは日本らしい繊細で柔らかな薄紫と桜色を交えた色合いだ。テーマは「サンライズ(SUNRISE)」として、早朝の日の出の時刻に薄雲の奥に控えた太陽の光が創り出す幻想的な世界を表現。見ているだけでも力強いエネルギーに包まれる。日の出の溢れ出るパワーの如く、選手たちのプレーを後押しできるようにと願いが込められている。


2011年のドイツW杯優勝から12年の長い月日が経過し、また再び「世界のなでしこ」としてW杯決勝の地であるオーストラリアで、日本のなでしこの花を咲かせてほしい。頑張れ、ニッポン!

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