「フルトンを破壊した」井上尚弥の圧勝劇に米英メディアも驚嘆! “王者粉砕”シーンは「残酷なまでに打ち砕いた」

2023年7月26日(水)5時30分 ココカラネクスト

フルトンを内容でも圧勝した井上。一部の識者たちの予想を覆す勝利に賛辞は止まらない。(C)Getty Images

 文字通り敵なしの強さを誇ってきた“怪物”は、難攻不落の王者をも飲み込んだ。

 7月25日、ボクシングの前世界バンタム級4団体統一の井上尚弥(大橋)が、東京・有明アリーナでWBC&WBO世界スーパーバンタム級2団体統一王者・スティーブン・フルトン(米国)に、8回1分14秒TKOで勝利。世界戦20連勝を果たすとともに、4階級制覇の快挙をやってのけた。

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 試合前から「モチベーションは過去イチ」と意気込んでいた井上の圧倒的なパワーは、これまで21戦無敗を誇ってきたフルトンを容赦なく仕留めた。勝負が決したのは終盤8回、王者の集中力がわずかに切れたかに見えた刹那の出来事である。

 一瞬だけガードが下がったタイミングを見逃さなかった井上は、右のストレートで相手の顎を打ち抜くと、背後によろめいたところに追い打ちをかけるように左フックを炸裂。これでフルトンがダウン。一度は立ち上がるも、一気に仕留めにかかったチャレンジャーの猛ラッシュを浴びると、レフェリーストップがかかった。

 本人が公式会見で「今まで以上に良い試合ができる」と語った自信を見せつけた井上。スーパーバンタム級でも王座についた新チャンプには、海外メディアもただただ驚くばかりだ。

 この試合を全米だけでなく中南米で中継していた米スポーツ専門局『ESPN』は「イノウエは評判を守り抜くとともに、フルトンを破壊した」と賞賛。さらにKOシーンについて「一瞬の出来事だった。右ストレートと左フックを全く避けられなかったフルトンになす術はなく、レフェリーも止めるしかなかった。イノウエは我々が王者を普通のようにボクサーに見せてしまった」と描写した。

 また、英スポーツ専門ラジオ局『talk SPORT』も「ナオヤ・イノウエは驚異的なパフォーマンスで、フルトンを残酷なまでに打ち砕いた。この日のイノウエはフルトンにとってあまりに強すぎた」と絶賛。そして、勝利を決めたフィニッシュシーンを次のように振り返っている。

「名誉のために言っておくが、フルトンも7回には右での特大な一撃をイノウエに見舞った。しかし、わずか1ラウンド後にすべては決まった。イノウエの目にも止まらぬ速さの右ストレートにフルトンはよろめき、追撃で放たれた左フックでリングに倒れた。

 ここで王者は意地で立ち上がったが、明らかに足はふらついていた。そこを冷酷なフィニッシャーとして名高いイノウエは見逃さなかった。彼は追い詰めに追い詰めた。そして最後はレフェリーが慈悲深く試合を終了させた」

 世界的な注目度を誇っていた一戦で、本領を遺憾なく発揮した井上。その強さには脱帽するほかにない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]


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