フェラーリ若手育成システムの現状を憂う声。「F1デビューへの道筋を用意できずにいる」

2017年7月27日(木)17時15分 AUTOSPORT web

 元F1チームボスのジャンカルロ・ミナルディが、フェラーリのカスタマーチームに対する影響力が衰えてきており、それに伴って若手ドライバー育成プログラムをうまく機能させることができなくなるのではないかとの懸念を示した。


 ハースF1チームのオーナー、ジーン・ハースは先週、ロマン・グロージャンとケビン・マグヌッセンが2018年もチームに残留すると発言した。正式発表したわけではないが、これが事実であれば、フェラーリの“B”チームであると多くの人々に見なされているハースが、来年フェラーリ傘下のドライバーをF1にデビューさせる可能性はなくなったということになる。


 フェラーリのリザーブドライバーであるアントニオ・ジョビナッツィは、今年、ハースから何度か金曜フリー走行1回目に参加することが決まっている。しかしハースのシートに空きがなくなったことで、ジョビナッツィが来年F1レギュラードライバーへ昇格する可能性が下がったと考えざるを得ない。


 今年、フェラーリはザウバーにもパワーユニットを供給しているものの、ザウバーは2018年以降はホンダエンジンを搭載すると発表している。そうなると、来年、フェラーリの提携チームはハースのみとなり、フェラーリの若手ドライバープログラムのメンバーたちにF1で経験を積ませる場が狭まってしまうことになる。ミナルディはこうした状況を懸念しているのだ。


 ミナルディは、ハースが現在のドライバーたちとの契約を延長する決定をしたのであれば、フェラーリは大きなチャンスを逸してしまったことになると考えている。


「フェラーリの若手ドライバー育成システム全体にとっての失敗ということになるかもしれない」とミナルディは述べた。


「フェラーリのドライバーたちが何の保護も得られないのは明白だ」


「フェラーリはもはやカスタマーチームの意志決定に対して何の影響力も持ち合わせていないのかもしれない。今の段階で状況をそのように捉えたくはないが」


「私は今も楽観的に考えている。チーム(ハース)は今、非常に順調であり、シーズン後半にできるだけ多くのポイントを獲得するという目標を掲げている。そういう状況にある彼らが、チーム内の平和を維持したいがためにとった行動なのだと思いたい」


 フェラーリ傘下のドライバーのひとり、シャルル・ルクレールは、2016年にフェラーリとハースの開発ドライバーに就任し、ハースからFP1に4回出走した。GP3でタイトルを獲得したルクレールは、今季はF2に参戦、第12戦終了時点でランキングトップに立っている。


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