驚異の完封劇に見た底なしの可能性 「投手・大谷翔平」の凄みを知る敵打者の“本音”「『打てるわけねぇ』って思わされる」

2023年8月5日(土)16時0分 ココカラネクスト

気迫あふれる投球で相手打者をねじ伏せる大谷。その偉才と対峙した打者はたじたじである。(C)Getty Images

 大谷翔平(エンゼルス)が秘める底なしのポテンシャルに、対峙する者たちはただただ愕然とするしかない。

「あの日は最悪の一日だった。俺が言えることはショウヘイにまんまとやれたんだ。“オオタニられた”って感じさ」

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 そう独特な表現で対戦を振り返ったのは、タイガースの内野手ザック・ショートだ。去る7月27日に行われたエンゼルスとのダブルヘッダーで完封&2本塁打の活躍を見せた大谷の偉才たる所以を目の当たりにした男は、今月3日に公開となった米ポッドキャスト番組『The Compound』で、少々嫌気がさしたような口ぶりで語った。

 メジャー3年目の28歳にとって、とりわけ強烈なインパクトを残したのは、「投手・大谷」だった。

 この日の大谷はマウンドでタイガース打線をねじ伏せた。ダブルヘッダーの第1試合に登板すると、4回までパーフェクトを記録する圧巻の投球を披露。5回に初ヒットを許したが、その後も小気味よく投げ進め、終わってみれば、被安打1、無失点。111球の熱投でメジャーキャリア初の完投・完封をあげたのだ。

 打席から見た大谷はショートにとって異次元だった。1四球で出塁した彼は他の投手とは異なる凄みを解説している。

「ゆったりとしたワインドアップをしているから、タイミングを合わせるのが本当に難しいんだ。足をあげてから数秒溜めて投げてくるからね。そこからの身体の伸びもえげつない」

 球界でも屈指のパワーを持つとされる大谷の4シーム。最速164キロを計測した剛速球は何が恐ろしいのか。ショートは次のように論じている。

「4シームは本当によく動く。しかも、彼はスイーパーやスライダー、スプリットとかも豊富に投げてくる。これはあくまで体感だけど、4シームはほとんど横回転をしている感じなんだ。だから打席だと4シームなのか、スイーパーなのか、他の変化球なのかが分からないんだ。

 縦軸の横回転なんてしているからね。そんなのが力いっぱいに来るんだから攻略なんてさせてくれない。8回でも99マイルを投げ込んでくるし、スイーパーはとてつもなく曲がるし、本当に『なんだよ、あいつ……。打てるわけねぇ』って思わされるよ」

 投手としての大谷が見せた今季最高と言っても過言ではないパフォーマンスを体感したショート。彼の言う「打てるわけねぇ」という言葉は、投打に躍動する二刀流スターの凄みを何よりも物語っていると言えよう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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