「気持ちよく終われず残念なレースだった」多重クラッシュの影響でまともに戦えず/ホンダF1山本MDインタビュー(1)

2021年8月12日(木)11時54分 AUTOSPORT web

 2021年シーズン前半戦の最後のレースとなった第11戦ハンガリーGP。レッドブル・ホンダの2台はスタート直後に発生した多重クラッシュに巻き込まれ、セルジオ・ペレスはリタイアに終わり、マックス・フェルスタッペンは大きなダメージを負ったマシンでの走行を強いられた。


 レース後、ホンダF1の山本雅史マネージングディレクターは、ハンガリーGPは残念なレースだったと振り返り、拮抗した戦いが続くと予想される後半戦では「1%でもいいから相手の前に出るパフォーマンスを披露して、いいレースをしたい」と語った。


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──今回のハンガリーGPも前戦イギリスGPに続いて、残念な結果に終わりました。


山本雅史マネージングディレクター(以下、山本MD):本当に悔しいし、疲れるレースでした。


──何に疲れました?


山本MD:レーシングアクシデントというのは、モータースポーツにはつきものだと思いますけど、やっぱり今シーズンはルイス・ハミルトン(メルセデス)とマックス・フェルスタッペンが常にいい状態、最高の状態でレースをして、僕たちもそうだけどファンにも彼らの素晴らしいレースを見せることが大切だと思っています。そんななか、イギリスもそうでしたけど、今回もメルセデスに……。勇み足じゃないけど、メルセデスがきっかけを作った今日の多重クラッシュ。それにマックスも(セルジオ・)ペレスも(ピエール・)ガスリーも巻き込まれてしまいました。

ハンガロリンクに集まったフェルスタッペンのファン“オレンジアーミー”


 マックスはアンダーパネル、サイドポッド、バージボードの破損が酷かった。特にアンダーパネルの先端、右側はかなり破損していて、よく最後まで走ったなというのが正直なところです。本来のマックスのペースだとほぼルイスと同じなので、そういう意味ではこの70周はほぼフラストレーションが溜まったと思うし、僕らとしてもいい条件でレースをさせてあげたいと思っていたので、そういった意味で疲れました。

赤旗中にフェルスタッペン車のダメージを確認するレッドブル・ホンダのクルー
レース後、パルクフェルメにマシンを止めたフェルスタッペン


 ペレスもマシンの損傷が激しく、コース上に停めて、その場でリタイヤ。ガスリーは接触はなかったけどポジションを大きく落としたという点では、彼も事故の被害者です。ただ、大きく後退したものの、アルファタウリとしては6位入賞まで挽回してくれました。特に最終ラップにハミルトンが持っていたファステストラップを塗り替えてくれました。

スタート直後の多重クラッシュでリタイアとなったペレスのマシン


 角田選手は16番手からのスタートとなりましたが、運もよかったのもあるけど、ポジショニングがインベタで走っていたのでよく見えていたと思う。クラッシュに巻き込まれずに1周目に5番手まで上がったのが大きかった。本人としては週末なかなかクルマが納得のいく状態ではなかったものの、最後まで走りきって7位(レース後、セバスチャン・ベッテルの失格裁定で現在暫定6位)。非常に良い仕事をしたと思うし、アルファタウリとしてはまずまずかなと。


 前半戦最後のレースだっただけに、ドライバーにはきちんとレースをさせてあげたかった。気持ちよく終われなかったという点で非常に残念なレースでした。

クラッシュを避け、5番手までポジションを上げた角田
7位(暫定6位)でフィニッシュした角田


──バルテリ・ボッタス(メルセデス)のブレーキングをどう見ましたか。


山本MD:レーシングアクシデントという一言では片付けられない。正直に言えば、今日のあのボッタスのブレーキングはちょっとプロフェッショナルじゃないなと思います。完全なミスでしょ。モニターから見ている限りは、F1ドライバーとしては『あれ?』っていう感じです。もちろん、雨が降っていたし、スタートで出遅れて少しでもリカバーしたかった気持ちはわかりますが……。本当にレッドブルは不運だし、ペレスにとっては悲惨な結果でした。


──チャンピオンシップ争いでドライバーズ選手権とコンストラクターズ選手権で、ともにメルセデスに逆転されました。


山本MD:この2戦はまともなレースをしていないだけ。実力としてはお互いがまだまだ競争の真ん中にいます。前半戦を振り返ればイギリスまでは好調だったし、開幕前に僕が思っていたよりは、非常に拮抗した戦いになっていると思います。今年はとにかくメルセデスとレッドブル、ハミルトンとマックスの戦いなのは間違いないので、今後も1戦1戦しっかりレースするだけ。今日は運が悪かったレーシングアクシデントですけど、レッドブルとコミュニケーションを取りながら、総合力を高くできるように1歩ずつでもさらに前進していきたいです。そうすれば拮抗状態は続くので。後半戦も拮抗状態は続くと思うので、そのなかで1%でもいいから相手の前に出るパフォーマンスを披露して、いいレースをしていきたいです。

ホンダF1 山本雅史マネージングディレクター

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